昨日視聴したチベットに関する記録映画とディベートのこと・2

ディベートの参加者は進行役の人以外に5人、その5人ですが、後でネット上で確認しようと、いいかげんにしか見ていなかったので、名前がわかりません。ごめんなさい。

ひとりだけ名前がわかるのが、先日オリンピアでの聖火点火のセレモニーの際、フリー・チベットを叫んで逮捕されたフランス人、国境なきリポーター団の代表者ロベール・メナール氏。

チベタン代表は、ヨーロッパにダライ・ラマのスポークスマンとして滞在している男性、40歳くらいの、穏やかで聡明な印象の方、ドイツ語を話しておられました。

それと、フランス人(だと思う、フランス語を話していた)のアジア専門の研究者女性、ドイツのテレビ局ZDFの中国支局長だった男性、オーストリア人と紹介していたような気がする、やはりドイツ語を話すEU議会の緑の党副議長で、チベット関係の担当をしている女性、でした。

メナール氏は、言いたいことをはっきり言うので気持ちがよく、その口の悪さが、まるで身近な友人みたいで、私はとても共感を覚えます。

彼の意見をまとめると、
・オリンピックの選手たちは、競技のために研鑽を重ねてきたわけだし、ポリティックな立場にはない、したがって競技をボイコットしろ、とは言わない。
・しかし、開催地の決定は十分にポリティックなものであり、オリンピック委員会は、その責任を取るべきである。したがって、開会式のボイコットをするべきである。
・ヨーロッパの国々の政府は、たとえばアフリカの力のない小国に対しては、すぐに人権の名の下に罰則措置をするくせに、中国のような大国となると、その購買力に対する強迫観念か、強いことを言おうとはしない、何が「人権」だ!
オリンピアでのセレモニーの3日前に、中国のかなりの重鎮が自分に電話をしてきて、式典中の妨害を思いとどまってくれ、と懇願してきた。彼と話すと、けっして北京も1枚岩ではないことがわかる。
ベルリンの壁がおちたときのことを思い出してほしい、まるで東側が1枚岩のようにしか知らされていなかったけれど、そうではなかっただろう。
・もし今何もしなければ、何も変わらない。
ダライ・ラマは、ボイコットしろ、とけっして言わないが、言っていいのじゃないか。

それに対して、ZDFのもと支局長という人は、
・中国国民はオリンピック開催を誇りに思い、とても楽しみにしている、彼らはその資格がある。
・オリンピックは北京の政府のためではなく、中国国民のためだ。

メナール氏は、オリンピックを北京が政府のプロパガンダとして使う限り、国民のため、とは言いがたいという考え。

チベタンの方のお話、
ダライ・ラマがけっしてオリンピックに反対じゃないのは、これまで北京がいつも、チベットのことを反中国として、チベタンのあり方をアリストクラートとして憎むべきと宣伝しているからであって、それはけっして真実でなく、中国国民との乖離は望むところじゃないから。
・自分たちの望むものは、自分たちのアイデンティティーに対するリスペクトである。
・今チベットでは、店で買い物をするにも中国語でないといえない、というのも店を経営するのは中国人、銀行で手続きをするのも中国語でないといけない、郵便も中国語で書かない限り宛先に届かない、このように、我々は我々の土地にいながら周縁に追いやられている。
・世界は中国がチベットに入ってきたとき放置した、そして今はそれがノルマとなってしまっている、それが問題なのだ。


さっきアップしたYoutubeのヴィデオ、最後の字幕は読めなかったと思いますが、私が見たフランス語版はフランス語でした。
内容は、チベットの女性は、妊娠すると流産するように、なんらかの薬物を注射されるということや、今後ものすごく多くの中国人が、チベットへ移動してくることが計画されていること、などが記されていました。

番組中ダライ・ラマへのインタビューも見せていましたが、独立は望んでいないこと、なぜなら、チベタンも物質的豊かさを望むようになっていて、中国の力は、けっしてマイナスではないから、と。
また、中国人の若者へのインタビューでは、ラサにくればよい職にありつける、というのもありました。

また補足するべきことを思い出したら記します。