エリオット

昨日は、午前中は再びゲントへ行かねばならず、そのあと超特急で帰宅、それから子供たちと彼女たちが通う音楽アカデミーに出かけました。

例によって、なんらかのトラブルで約束の時間に遅れたり、遅れるのでは・・・とビクビクするのが嫌いなので、余裕を持って出かける私、1時間半以上早くゲントの駅に到着、駅でコーヒーでも飲もうかな・・・というアイディアをすぐさま打ち消して、トラムに乗って約束の地点に向かったのであった。

それが正解でした。

途中でトラムがちょっとした事故、それ以上進めないというんで、乗客は全員降りてトコトコ歩いてそれぞれ目的地へ。

どんな事故かというと、ニッポンではあまり見かけないだろうと思うんだけど、こちら、道路上車を横付けして駐車しますでしょ。
そのうちの1台が、駐車がへたくそで、トラムウェイにものすごく近寄って止めていたわけ。
で、トラムの運転手の所為じゃないからでしょう、運転手、躊躇せずに前進、窓越しに「おおおお・・・」なんて思いながら見ていましたが、やっぱりガギギギギ・・・とすごい音を出しつつ、バックミラーを壊しちゃいました。
すぐそばの靴屋で買い物をしていた車の持ち主、あわてて出てきましたがアトノマツリ・・・。
ものすごく高価そうなメルセデス・ベンツでしたわ。
そういうわけで、トラムは止まって警察待ち。

1台トラムが止まっちゃったら、後続のも通れないし、そこまで前進できただけでもよかったなあ、と、ひとりニヤニヤしつつ、日頃通る機会のない小道を選んで目的地に向かったのでありました。

天気も良いし、途中で見つけたものすごくおいしそうなパン屋さんでクロワッサンとバター・クックを買って、聖バーフ教会前の広場のベンチに腰をかけ、さわやかな5月の日光と風を浴びつつ、おいしく食べたのだった。


で、午後は、学校を終えた子供たちとモンス駅で4時に会い、電車に乗ってアカデミーへ。

火曜日は、よほど変わったことがない限り、いつもそういうプログラムなんだけど、彼女たちがそれぞれピアノとヴァイオリンのレッスンを受ける間、私は本を読みながらのんびり待つんです。

そのときいつも自分のソルフェージュの授業を待つ男の子と一緒になるんだけど、その子がなんだか可愛らしくて、先週
「待つの退屈じゃない?」
って聞いたら、
「ううん、こうやって待つ時も、けっこう楽しいから」
って言うんですね。
おもしろい子だな、と思って見ていたら、その廊下においてあるチラシを使って、何か作っているので、
「それ何?」
って聞いたら、舟だって。
それで、
「鳥を折ってあげようか?」
と、あのニッポン人なら誰でも折れちゃうツルの変形で、尻尾を引っ張るとバタバタと羽を動かすツル(これは動くもんで、例外なくみんな喜ぶ)を作ってあげたらば、
「うわお」と目をまん丸にして喜んでいました。
そして、後から来た同じ授業を受ける友達に、
「ほら、あそこにいるマダムから作ってもらったよ」と見せるので、我も我もと
「作ってください」
そのうちセンセがやってきて、センセまで「うわお」。
クラスに呼び入れられて、生徒全員分作らされたのですよ。

作り終わって教室を出ると、すでにレッスンを終えた次女が、
「なんでママそこから出てくるの?」
大笑いでありました。

でもって、昨日。
いつものとおりその男の子がやってきて、私の前に立つと、
「この前は鳥をありがとう、マダム」と言いながら、私のために描いたという絵をプレゼントしてくれました。

なんて可愛らしいと、感動したおばさんである。

エリオットと署名された、かわいい南の海で舟に乗った人が魚釣りをしている絵。

まだ6歳、幼稚園の年長さんです。


こういう明るい楽しそうな絵を、世界中の子供たちが描けるようになって欲しいなあ、と、マイミクさんから教えていただいた、チベットの子供たちの絵を思い出したりしました。

ビルマニーも中国も、想像をはるかに超えた被害で、言葉を失いますね・・・。


さて、今から読みたい記事。

http://mai68.liberation.fr/