壁の傷

3女くんに降りかかっていた「いじめ問題」が、次の段階へ前進しました。

母は少しホッとしています。

どんなに意地悪してもヘイキな顔をしてのこのこ学校に出てくる3女に、連中がついに我慢がならず罵り始めたのが、ちょうど私がここで日記に記した火曜日。

「自分のことしか考えないエゴイスト」
「意地悪」
「恥知らずのヘンジン」
「私達から離れろ」

と言われたそうです。

3女くん、「私のどういう行動がエゴイストなのか、どんな意地悪をしたのか教えて欲しい」と聞いたそうですが、連中それについては答えられなかったそうです。
ヘンジンというのは、「授業中にサンダルを脱いだり、眠ったりしたから」だって。

ある日、とても暑かったのでサンダルを履いて学校に出かけたんですが、いっぱい歩いて足が痛かったので、何かの授業中ちょいと脱いだんだそう、それを見ていたんですね。
それと、フランス語の授業中、うとうと眠たくなり、ちょっと居眠りしたことがあるらしく、それも見ていたんでしょう。
(3女に、クラスで誰からでも見渡せる、つまり自然に目に入ってくるところに座っているの?と、思わず聞いたくらい。普通そんなに人のこと観察しないでしょ?)

3女くんにしてみれば「へっ??????」という感じだったらしく、あまりのアホくささに、自分は意地悪な無視を受けながらも、自分から無視するのは失礼かと、律儀に「普通に」接していた自分のこれまでの「バカさ」にようやく気付いて、突然ラクになったらしい。

さらには、彼女と普通に接している他の子たちに対する威嚇まで始まったらしいので、これにはプッツン、「私のことを嫌うのは勝手だけれど、関係ない人にまで意地悪するのはやめろ」と怒ったらしい。

そしたら「意地悪はしていない」って返事されたそうで、「にらみつけたり、言葉で威嚇したり、無視したり、そういうのを意地悪というのであって、それで人は充分傷つくもの、殴ったりしなけりゃ意地悪じゃないと思っているのか」と言ったそうです。

ま、そういうことがあって、昨日も普通に学校へでかけた彼女、罵り言葉を放った子達は、彼女に目もあわせられなかったらしい。

3女くんにとって一番悲しかったのは、その意地悪連にやはり意地悪の標的になったとき、彼女がかばったことで乗り切れることができた子が、自分から積極的に意地悪に加担はしなかったものの、彼女の危機にかばうことをしなかったこと、そして、小学校時代からずっと仲良しで、彼女がデプレッションで苦しんでいた時かなり支えになってくれた友人が、一緒になって自分に攻撃をしかけてきたこと、だったそうな。
意地悪の中心にいるふたりの女の子は、いろんな面で価値観が全く違うと意識していたので、はっきり言ってどうでもよかったらしいけれど。

ま、いろんなニンゲン関係、子供とはいえ、タイヘンなものです。

しっかり危機は乗り越えたとはいえ、傷は残りますしね。

ずっと前、長女がこういう話をしてくれました。

とても短気で、すぐキーッと怒っては、人にあたりちらす男の子がいました。
彼のお父さんが、「人にあたりちらしたくなったら、その代わりに壁に釘を打ち付けなさい。
そして、キーッとなりそうになっても、我慢ができたなら、その釘を、今度は1本ずつ抜き取りなさい。」とアドヴァイスしたのだそうです。
打ち付けた釘を全部抜き取ることができたら、自分を制することができたということ、だと。
それを守った少年、ある日打ち付けた釘を全部とることができ、喜んで父親に見せるのです。
父親は、「よくコントロールできたね」と褒めながらも言います。
「でも見てごらん、壁の傷は、そのまま残っているよ」



先日からときどき触れている、、「大阪府労働情報総合プラザ・大阪社会運動資料センター見学会/図書館・博物館における専門スタッフの役割を考える集い」に参加された方の報告がありましたので、リンクします。

http://d.hatena.ne.jp/takibata/20080528/p1

http://d.hatena.ne.jp/takibata/20080529


今日読んでおもしろかった記事。

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1028.html

入院していたとき、サイコロジストが話にきてくれていたんですが、ちょうどソレルスの本を読んでいたときにやってきて、「誰の本?」と聞かれたので、
ソレルスよ、ジュリア・クリステヴァのパートナー」と答えたら、ジュリア・クリステヴァって聞いたことないって。
たとえ著作を読んでなくとも、心理学やってて名前も聞いたことないって、そういうのありか?と、とても疑問に思ったのである。
と、名前だけしか知らない私であるけれど、おもしろそうですね、この人の本。


カンヌ映画祭のパーム・ドールを受賞した子供たちが、コレージュで熱狂的に迎えられるところのヴィデオ。

http://www.libelabo.fr/2008/05/26/retour-de-palme/