本もいのち

昨日の日記の続きです。

子供たちにも、大阪知事の方針を話したらば、「本当の話か?」と、たいへん驚いていました。

「本は食べることができない」と、本の価値を認めない人はどこにでもいます。
「本」だけでなく、「音楽」や「美術」に関しても、同様。

だけど果たしてそうでしょうか?

いつもこういうときに思い出すのが、ウスペンスキーというロシアの神秘思想家が

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC

言ったという「食物論」。

私達はタンパク質やヴィタミンやカルシウムなどといった物質を食品として摂取するように、「印象」をも「食べて」いるという理論なんですが、これを知ったときなるほどと思いました。

大阪知事の話からこういう話に発展したとき、週末なので帰宅していたブリュッセルの大学に通う長女が、
「まったくそのとおり。私が拒食症でヘンになっていたとき、毎日1冊ずつ本を読んでいたけど、あれは今思うと、ごはんは食べられない代わりに本を食べていたんだと思うよ」
と言っていました。

3女ほどたいへんな拒食症ではありませんでしたが、長女も14歳から15歳にかけて、父親に対する反発エトセトラから、とても難しい状態にあったのです。

あの頃は、彼女はほとんど食べず、眠らず、という様子で、ひたすら読書とピアノにふけっていたのですが、その事態をクリアした今となっては、やはり「本」と「ピアノ」は糧になっていたと言えるのですね。

もちろんあれで死んでしまっていたら、今の彼女はいないわけだけど。

「本」もいのちだと思います。



話は変わって・・・、

ブリティッシュ・ロイヤル・コレクション展では、今まで観たことのないブリューゲルルーベンスの絵など鑑賞。
ブリューゲルの次男ヤンの絵は、王立美術館ではふたつくらいしか観たことなかったのですが、今回はさらに風景画がいくつか展示されていて、この人はブリューゲル父の絵を模写し続けた兄よりももっと上手だなあ、と思ったことでした。
オーストリア大公アルベールとイザベル夫妻のもっともお気に入りだったのが、ルーベンスとヤン・ブリューゲルだった、というのも、なるほど、という感じでした。

あと心に残ったのが、エラスムス肖像画

彼の親指が反っているんです。

ついこの前、手相について子供たちとネットで見ながら遊んでいて、親指が反るのは「コミュニケーションに長けているしるし」というのを読んだんですね。

(ちなみに、私の親指も反っているんで、それでよく覚えていた・笑)




それから、私の知り合いの方が中心となって企画されているチベット支援イヴェントです。

どうぞHPをごらんになってください。

満月ばあさんと子供たち
受難と祈りーチベットを知るための夏

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