河岸忘日抄

堀江敏幸さんの小説、私の知る読書好きの方たちがみんな褒めているし、いつか読みたいな、と思っていたので、ニッポンで買ってきました。

定期的に船便で届く岩波の「図書」に、エッセイ「バン・マリーへの手紙」が連載されていたのでそれと、あとは吉田秀和との対談を読んだことがあるんですが、小説を読んだことがなかったんです。

ニッポンから戻ってきて、寝る前に少しずつベッドで読み進んで、昨日読了。

みなさんが褒めているだけあって、いやあ、ほんとにいいですね。
読み終わるのがもったいないような。

「フランス」という設定を、イメージのスパイスとして利用しているだけのような、そういう小説は、フランスに近く暮らす身にとっては、おもしろくもなんともないんだけど、堀江さんの作品は、そういうんじゃないですね。

何回でも読み返したい本です。

読み終わってすぐ眠ったんですが、私の脳が「河岸忘日抄」の続きを勝手にどんどん綴っていくので、この小説の言葉のリズムがずっと響き続き、ほんとに寝たのか、寝てないのか、なんともヘンテコリンな夜となりました。

どんな続きだったの?と聞かれても、何にもおぼえていないんだけど・・・。