故郷の話、国籍の話


12月に入りましたね。

この1年、あっという間に過ぎました。
「あっという間」だとは、毎年言っていますが、今年は「あっという間」の2倍ぐらい、あっという間でした。

乳がん発見やそれに続く手術、化学治療、放射線治療、さらに父が亡くなったり、2回もニッポンに行ったりと、イヴェントに事欠かない日々でしたからねえ、ほんとうに早かった・・・。


レヴィ=ストロースの誕生日の翌日は、レヴィ=ストロースと全く関係のない、先日亡くなった父の誕生日でした。

ずっと以前に、我が故郷・諫早の町を舞台に、私の育った栄町アーケード街出身の市川森一さん脚本で、栄町のお隣・上町出身の俳優・役所コウジさん主役の「親戚たち」というドラマがあり、そのドラマには諫早の人びとがいっぱい協力しているのですが、その第3話、お葬式のシーンに、うちの父親がエキストラで出演しているのです。

当時テレビから録画したヴィデオが手に入ったので、父の誕生日にドラマを観てみました。

父が出てくるところは覚えていたんだけど、ストーリーは全然知りませんでしたから、当時筑豊の病院で心理職の仕事をしていた私、ほとんどテレビは見ない日々だったんで、きっとそこのエピソードを実家からの知らせを聞いて見ただけで、全体は見ていなかったんでしょう。

(自分の時間は、ニッポンを出るためのスペイン語の勉強や読書のみに使っていましたから、テレビはそれに関わるもの以外は見ていなかったと記憶します)

ストーリー自体は、いわゆるテレビ・ドラマなんですが、背景を見ていると懐かしくて懐かしくて・・・。
さすが地元出身の役所さん、諌早弁を聞いているだけで笑えちゃうし、私の高校時代の倫理社会のセンセまで、重要なエキストラで出演しているのを発見しました。

故郷ってこんなに懐かしいものなのね、と、初めて知った次第。
涙が出るほどの懐かしさ。
この懐かしさは言葉にするのが難しく、同じ思い出を共有している人と喜び合う以外確かめようがないみたい。


11月最終日の夕方、いつもの映画館にひとりで出かけ、今年のカンヌ映画祭に参加したLe sel de la mer(Salt of this sea)を観てきました。

NYのブルックリン生まれのソラヤが、祖父の故郷であるパレスチナを訪ねる話。
そして、故郷を離れカナダへ留学したいと願うパレスチナの青年エメッドと知り合います。
そのふたりを主役にしたロード・ムーヴィー。


故郷を追われ、二度とその地を踏むことを許されないというのは、恐ろしいことですね・・・。



私は10年くらい前に、ベルギー国籍を取得しました。

ベルギーは重国籍を認めているので、ニッポン国籍を持っていても問題ないのですが、ニッポン国は重国籍を認めないので、ベルギー国籍を取った時点でニッポン国からニッポン国籍を取り上げられてしまいました。

ま、国籍が何であろうと、私は私なので、それに、今ニッポンで暮らしているわけではないし、それはそれでいいとしても、なんというか、すっきりしないものがあります。


うちの子供たちが生まれる頃は、母親だけがニッポン国籍でもニッポン国籍が持てるよう法が改正されていたので、うちの子供たちは3人ともニッポン国籍を持っています。
父親がベルギー国籍というので、ベルギー国籍も持っています。
長女は、「そこで生まれたこと」によって国籍を持つことができるメキシコ生まれなので、メキシコ国籍も持っています。


というのが我が家のケースですが、この「重国籍を認めない法律」によるいろんな他のケースが存在するのです。

私も参加させてもらっているmixiの「複国籍を認めてもらおう」コミュや「移民の暮らし」コミュでも、この問題は大きなトピックとして取り上げられています。



ちょうどmacskaさんもブログでその問題に関した記事をアップされていました。


http://d.hatena.ne.jp/macska/20081130
http://d.hatena.ne.jp/macska/20081201



「オルタ」リニューアルの第3号も、移民問題を扱っているようです。


http://www.parc-jp.org/alter/index.html



でもって、ゼノフォビアで検索したら、こんな記事が・・・。


http://www.azusawa.jp/zainichi/xenophobia.html