いろいろ、いろいろ、いろいろ

昨日も今日も、雨と風のものすごい悪天候
しかも昨日はバスがストで、冷たい風雨の中、次女と3女は徒歩で学校へ往復しなければならず、かわいそうでした。

長女は火曜日に大学の試験を無事終了、水曜日からボーイフレンドとスイスに旅行に出ました。
彼のお兄さんがスイスに暮らしているので、そこを拠点とするそうです。
こんなに天気悪くて残念なことでしょう。

一方私は、しばらく前から、一所懸命現代思想のサイード特集号を読んでいると言っていますが、まだもたもたと読んでいます。
私の小さい脳みそは、そういうパンセで満タンなのである。

そして昨日から、めずらしく胃が痛い。
脳みそにパンセを詰め込みすぎたために胃に穴が開きそうなのか、あるいは単なる食べすぎか・・・。
たぶん後者でしょうね。(笑)


そういう中で、一昨日読んだ竹下節子さんのブログの記事「共和制とファシズム

http://spinou.exblog.jp/10671269/

>排外主義によってピュアになって生き残ろうという選択と、多様性の中で連帯して共生して生き残ろうという選択は、生命戦略としては、どちらもありなのかもしれない。でも、今の地球の現実の前では、もう、多様性の中の連帯にしか希望はないと思えるのだが。

私もそう思う。

そしてeireneさんの昨日の更新記事を読むと、サラ・ロイ氏のことが記されていて、ああ、ここでもつながっていると感じました。

http://d.hatena.ne.jp/eirene/20090122

岡真理さんの本の中からの引用もあり、このサラ・ロイという人のことは、もっと知りたいと思いました。

> ホロコーストを経験したこの世界にあってなお、他者を大切な存在として守り続けること。それこそがホロコーストに対する抵抗であり、このとき、ホロコーストを経験したユダヤ人と占領下のパレスチナ人は同じ闘いを闘う同志なのである。


イラン・パペという歴史家も興味深いですね。

「パペから学ぶ歴史認識と多文化共生」

http://palestine-heiwa.org/doc/2007/pappe.html

「イラン・パペ、ガザを語る――1948年から見直すガザ攻撃」

http://hayao.at.webry.info/200901/article_5.html


いやあ、もう、それにしても、よくもまあ何も知らずに生きてきたもんです。>自分
でも、1回知っちゃうと知らないことにはできません。


上述の現代思想に、シオニズム運動のもたらした損害として、イスラエル建国前にそこに存在していた300を超える村や、伝統的な土地所有制度や農業制度が破壊されたこと、それと、ディアスポラユダヤ人の持つ活気あふれる歴史と文化の多様性が否定されたことがあげられていました。

「非ユダヤ人的ユダヤ人」という話もおもしろい。
これはアイザック・ドイッチャーという人が、同名のタイトルを持つエッセイで言っている概念だそうで、

>「非ユダヤユダヤ人」とは、「さまざまな文明間、宗教間、民族文化間を走る境界線の上に住まう例外的なユダヤ人」のことであり、「もっとも多様な文化的影響が互いに交差し豊かにしあう場所で、精神の成熟を遂げたユダヤ人」のことである。彼らは現実を静的にでなく動的にとらえ、一つの社会や一つの国家に自閉することなく、さまざまな矛盾の前にもたじろがずに明晰に理解しようとする、そういう精神を持っている。



上に貼り付けた竹下節子さんのブログの記事のように、私にも、「今の地球の現実の前では、もう、多様性の中の連帯にしか希望はないと思える」のだけど、なんでそういう考えを共有できない人びとがいっぱい、それもほんとうにいっぱい、いるのだろう・・・・???????



上述の雑誌には、ガヤトリ・スピヴァクが話したことが紹介されていました。

>自分のようなバングラデシュの人間から見ると、アジア大陸にはその両端にとんでもないものがある、それはイスラエルと日本。
>この二つの国には幻想的な地図の作り方がある
>自分たちは「選ばれた民」という考え方があり、近隣の人々と自分たちだけは違うという思い込みがある。
>そのために、この二つの国はアジア大陸全体をコントロールしようとするアメリカの世界最大の共犯者であるから、そのことを忘却できる深い自己欺瞞の能力を発揮する。

ふーむ、なるほど・・・・、と思いました。


一昨日紹介したチョムスキーへのインタビューで、60年代の市民運動の成果が、今回の大統領選に現れている、という話をしていました。
確かに、本当に成果が現れるには、少なくとも半世紀くらいはかかるのでしょうね。

半世紀経つころ、私の曾孫くらいの世代の人々の時代には、世界のプルーラリズムも、パレスチナイスラエルバイナショナリズムも、当たり前のこととして実現することになるかもしれません。

そう思って、絶望しないでいかないと、ね。


ユーロニュースでガザの様子を見てください。

http://www.euronews.net/fr/article/21/01/2009/gazans-plead-for-emergency-shelter/

全て壊された人々。

今後の再建の道も、イスラエルの封鎖によって閉ざされているようです。