昨日の列車事故

たいへんな事故でした。

ベルギーは小さな国、ベルギー国内の出来事というのは、ニッポンでいうなら、東京に住んでいる人には都内、長崎に住んでいるなら長崎県内というくらいの物理的距離なんで、すごく身近です。

モンスを朝の7時45分に出発する電車に起こった事故でした。

私も、ブリュッセルに出るとき、午前中に済ませないといけない用件があるようなときは、この電車を使います。

お隣のパトリシアは、毎日この電車で通勤していますから、ニュースで「アルで8時半頃」と読んだ時は、彼女も乗っていたはず、と、すぐ電話をしたことでした。
彼女はたまたま後ろの車両に乗っていて、怪我もなかったのですが、やはりショックは隠せない様子でした。

さっそくベルギー中が、「ソリダリテ」ということで、献血だなんだと動いたようです。
報道も、淡々として事実を伝えるものです。
国鉄の乗務員もひとり亡くなり、事故のショックは国鉄の人々にも大きく、今日は列車は動きません。

こういうとき、日頃はそれぞれ自分勝手に動くベルギー人、けっこうすばやくソリダリテを発揮します。
これは感心します。
いつだったか、電車の中で、ひとりの女性がぜんそくの発作で苦しみ始めた時、まわりのみんながささっと効果的に動き必要な手伝いをして、ことが解決した後は、また何事もなかったようにそれぞれがそれぞれの世界にさっと戻るのを見たときも、こういうのって、いいなあ、と感心したことでした。

信号無視、ということらしいですが、まだはっきりしたことはわからず、自動ブレーキのシステムが装備されていれば、避けられた事故なのに、ということですが、全列車にその装備が行き届くのは、2013年を待たなければいけなかったのだそうです。

つい最近、大金をはたいてリエージュ駅が美しく建て直されましたが、そういうことより、安全と時刻表を尊重したシステムを装備することの方がもっと大切ですよね。


大きな事故だったんで、ニッポンやメキシコの友だちや家族が、心配してメッセージを送ってくれました。
ありがとう。
うちは全員無事です。