昨日思ったことなど

ベルギーは組閣できないままの状態が続いていますが、それでも日々は普通に過ぎています。
おもしろい国ではありますが、こういう状態から1歩も前進できないというのも、やっぱり、おい、ポリティシアン、何やってんのよ、という気持ちにもなって当たり前。

さてさて、ほんとうにフラマンの人々がベルギー崩壊を願っているか、というと、そんな人はごく一部なんですよね。

昨日の夕方のニュースを見ると、この異なる文化の共存、和解、ディヴェルシテ(多様性)といったものが、ベルギーの伝統であり、それを私は誇りに思っている、という人々が、フラマンにもワロンにもいっぱいです。
わたしも、移民ですが、これに100パーセント同感。
国歌も歌えないような人々の国、ベルギーが大好きです。


フランスではジャン=マリー・ル=ペンの娘のマリーヌが、右翼であるFNの党首になるというんで、フランス2チャンネルの夜のニュースに出ていましたが、彼らも「移民問題」を「経済問題」と置き換えて闘うようです。
彼女、次の大統領選にもたぶん出るでしょう。

それと、へええ、と思って見たのが、出生率の話。
2%から2.01%へ上昇、新生児のママたちにインタビューしていましたが、皆「子供はみんなで3人欲しい」と答えていました。
経済的に難しい時代ではあるけれど、手当てや医療システムなどが充実しているので、みんな安心して子供が生める、と。


さて、ニッポンのニュースですが、

マイミクさん経由で知ったこれ。

橋下知事、TOEFL優秀50校に5億円配分へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110118-OYT1T00657.htm

いやあ、もう・・・・。

ただひたすら悲しくなるような、この方の価値観ですねえ・・・。
そして、その貧しい価値観で、運命を左右される子供たちがかわいそう。
よそ者の私がガタガタ言うことじゃないでしょうが・・・。


私がベルギーに暮らして、「よかったなあ」と思うことの一番大きなことは、子供を育てるのにラクさせてもらっていることです。
医療と教育にお金があまりかからないので、親は経済的にラクだし、受験みたいなものがないので、その分子供たちは精神的・物理的に余裕ができ、文化的なことに触れる機会に恵まれるからです。
子供たちがみんな18歳を過ぎたら、好きなことをさせてもらおう、なんて言えるのも、このシステムのおかげ。
ニッポンで、21,19,17歳の3人の子供がいる、と言うと、「うわああああ、大変な時期ですねえ」と驚かれますが、もちろんいろんなタイヘンなことはあるにしろ、それは経済的負担を取り除いた、ただのタイヘン。

いつも思うんですが、ニッポンで「受験」というのがなくなれば、親も子も、どんなに幸せなことでしょう。

こちらは受験がないので、かつ、奨学金とか入学費免除(授業料はもともと無料)といったシステムが整っているので、大学に入ろうと思えば、お金なんかなくとも、誰でも入れます。
ただ、大学は学問をするところですから、勉強しないと進級できません。
1年生から2年生になるのは、平均して約3割かな。
うちの長女の音楽学科の同級生で、2年生に進級したのは1割でした。

勉強は本人がしないといけないことで、親は何もしてあげられませんし、ま、ラクなわけです。

とまあ、昨日はこういうことを思ったのでありました。


今日は午前中、去年のフランス語のクラスで仲良くしていたモロッコ人の家に、「御茶でも飲みにおいでよ」お呼ばれなんで、行ってきます。
彼女はダンナさんがチュニジア人、今混沌のつづく海の向こうの家族のことが心配でしょうね。