フランス語グラマーの学習をしてはいけない、というめちゃくちゃな話

私が今年度受講しているフランス語の講座は、金曜日の午前中のPerfectionnement oralと、土曜日午前の文法・分析UF8(上級) のふたつです。
前者はオラルというタイトルだけど、それだけじゃなくて、読み書き聞き話す、というすべてをやるんですが、オラルの重きを増やしてください、と願う人が多いので、この金曜日からロール・プレイを始めました。

金曜日のクラスは、UF4以上のレベルであれば参加できるので、土曜日のクラスより対象者が少し増えます。
うちひとりのロシア女性、ニーナは、「私は文法などの勉強はしたくない、実際話す訓練をしたいのだ」という方針で、UFの方の授業は全く取っていません。

オラルをもっと増やしてくれ、と申し出たのはSHAPEのブルガリアコロネルのニック、彼は頭の回転が速く、英語は完璧にこなし、フランス語の勉強は去年の9月に始めたばかりなのに、けっこうこなします。
彼は経済博士号なんかも持っていて、ニュースの記事などを取り上げ、ディスカッションをしたい、という考え。

私は、自由にしゃべるだけなら、日常の生活でできるわけで、それだと「授業」の意味はほとんどないし、できればオラルのパートを強化するならするで、実際上達するメトッドの授業にしてもらいたいなあ、と思っています。

ま、そういう学生側のいろいろな願望のもと、ロール・プレイを行ったわけです。

私はニーナと一緒に、「友達にアパートをタダで使わせてあげたら、ひどい状態でそうじもしていない、後でそれを見て怒っている」人の役、ニーナがその友達役、というんで会話を成立させないといけなかったんですが、いやあ彼女のフランス語のレベルのせいで会話がちゃんと成り立ちません。ちょっと欲求不満に陥りました。

しかも、先生が訂正し修正するにも、文法をちゃんと勉強していないんで、容易じゃないんです。

日常の生活の中で、必需品を入手したり、近所の人と天候のあいさつをするくらいのことさえできれば、というのなら、生活しているうちに身につくので、文法など特に必要ないでしょうが、ある程度内容のあることを正しく言いたいと思うなら、ある程度の文法的あるいは分析的な知識が必要なのではなかろうか。

その言葉を生まれたときから聞き話し、どうしてか知らなくとも、こう言うからこう言う、というところまで身につけているなら別ですけど。

もしかしたら私がヘンなのかもしれませんが、私なんて、何故どうして、というのがキチンと脳内で整理されないと、絶対いろなことがスムーズにいきません。

言葉は生き物ですから、もちろん四角四面に文法に縛られていては、上達もなければ面白みもないですが、ある程度の体系のようなものは必要だと思うんですね。

で、土曜日にちょっと雑談のときにそう先生に言ったらば、「そう、ちょっと聞いてよ」という感じで先生が言うには、フランス語圏の文部省の意向で、今後文法を教える授業はなくなるのだそうです。
言葉というのはコミュニケーションさえ成り立てば上等、文法の勉強などで子供たちや外国人にトラウマを与えてはいけない、というのが理由。
もうフランス語の先生たちは、完全にエネルギーをそがれています。
ディクテももうかなり以前から禁止されています。

そういうわけで、来年度からは、私の受けているようなUFの授業は全部なくなってしまうらしい。

勉強の機会を奪われるのもトラウマだと思うんだけど・・・。