今思っていること


今回の地震の報道は、まだ続いています。

こちらの友人たちも、次々に「ヒロコの日本の家族や友人たちは無事か?」と、シンパイして電話をくれたり・・・、ありがたいことです。

私は24年前に日本を出て、メキシコに3年、そのあとベルギーで21年暮らしていますが、そういう風に外国で長く暮らして思うのが、人間って何処に暮らす人も、言葉や文化が違っていても、ひとりひとりのレベルで見るとみんな同じだな、ということ、同時に、矛盾するようだけど、やはり文化・世代によってそれぞれになんらかの特徴があり、それは集団としてのリアクションとして現れる、ということ。
そういう意味では、ずっと昔から言われる「日本人論」的な日本人の特徴、特有のもの、というのは、大きな間違い、たんなる伝説にすぎない、と思っています。
でも、今度の地震のような非常事態にも、人が暴徒と化したり、略奪が行われたりしない、それは本当に日本社会の特徴からくる美点だと思います。

ソリダリテというのは、日本に限らず、この個人主義を社会全体の価値観に持つベルギーでも同じように生まれます。
ということは、これはたぶん個人レベルの行為なんですね。


昨日からこちらの報道は、原発関係が中心となっています。
地震国なのになんで作ったの?なんてこちらの人々からは言われますし、そういうことも含めて反対運動を続けてきた人々もいらっしゃるけれど、こういうことの中心に、我々の「欲望」というものがあることは間違いなく、私自身を振り返っても、恥ずかしく感じます。

同時に、ソリダリテ、といったものをヒシと感じるときには、人間って素晴らしい、とも思います。

人として生まれたからには、人をやめるわけにはいかないし、考えながら、できる限り善しと思うように、死ぬまで生きていくしかありませんね。

被災者のみなさん、たいへんでしょうががんばってください。