「いろいろ」です。久々に更新しちゃいます。

もう8月ですね。
なんと、前回の更新から、もう7か月も過ぎてしまいました。

その間にも、あきれたり、怒ったり、悲しく感じたり、と、私の小っちゃな脳みそではとても処理不可能なほどの、本当にたくさんのことが起こり、また現在進行中であります。

ここんとこ仕事が少なく、忙しい時は、あれができない、これもできない、と、忙しさのせいにしてるくせに、こうヒマだと、はたまたダラダラと過ごしてしまう情けない私…。
ヒマってのはフリーランスの身としては死活問題とはいえ、これも、「落ち着いてよく考えなさい」「ちゃんと勉強しなさい」という天の声であろうと受け止め、ま、とりあえず備忘も兼ねてブログの更新でもしましょうか、と思った次第。


楽しかったこと。

6月、日本からまたまたやってきた、ほとんどブリュッセル地元民かと思われる友人(笑)と、いろいろ訪ねたこと。
近いところでは、特設展のときだけ開かれるアントワープのモード美術館を訪ね、ドリース・ヴァン・ノットンのインスピレーション展を鑑賞。
モードとかにはほとんど縁のない私ですが、やはり世界的に活躍するデザイナーに関する展覧会はおもしろかったです。
どんな風におもしろかったか、ってのは、今ここに記すほど記憶に残ってないのが悲しいけど(笑)。

ちょっとだけ離れたところでは、リールの中心地からトラム1本で行けちゃうカヴロワ邸を訪ねました。
これは、テキスタイル事業を営む富豪カヴロワ氏のために、1930年代に、ロベール・マレ-ステヴンという建築家によって建てられた邸宅で、第2次大戦中はドイツ軍のものになったり、その後所有者が変わったり、時間の流れの中で、ほとんど廃墟みたいになっていたものの、忠実に再建され、今年の6月中旬に一般公開の運びとなったものです。
リールは、TGVに乗るとブリュッセルから30分で着いちゃうんで、友達も来たことだしっていうんで、よいしょ、と出かけてきました。
http://www.villa-cavrois.fr/
へええええ、と思ったのは、ブリュッセルの南にある、ものすごく有名なストックレ邸との縁。
ストックレ邸については、このサイトをどうぞ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E9%82%B8
この邸宅の持ち主であったストックレ夫人の甥が、建築家マレ-ステヴン。
ストックレ邸はコヴロワ邸より30年ほど早く建てられたものですが、建築家にはオーストリア人建築家ホフマンによるストックレ邸の影響がいっぱいだったんですねえ。
全然知らなかったので、ちょっと感動しました。

ちょいと遠出したのが、バルセロナ
バルセロナを訪ねるのは二度目です。
最初に訪ねたのは、もう30年以上も前のこと。
まだ日本で仕事をしていた頃で、上司の非難を浴びながらも、「権利ですから」などと憎たらしい返事をしつつ長い休みを取って、バックパックで旅行に出た時。
職場の友人から、ミラノに住む彼の友人に届け物を頼まれミラノへ、今度はそのミラノの方から、当時すでにバルセロナサグラダファミリアで彫刻家として仕事をされていたS氏へ渡すべきものを預けられて訪ねたのでした。
というか、その後バルセロナへ行こうと思うと言う私に、S氏を紹介しようと、手ぶらでは行きにくかろうっていうんで、親切にお菓子を持たせてくださった、というのが本当のところです。
あの頃は工事現場そのもので、金網越しに「Sさーーーーん」と叫んで近くまで来ていただき、Sさんの仕事終了後に夕食を一緒に取りながら、そこでお仕事をすることになったいきさつなど、いろいろ教えていただいたことでした。
とても懐かしい思い出です。
今回行ってみると、まだまだ完成していないとはいえ、もうすっかりシステムが確立されていて、あの当時みたいに金網越しに叫んで…、なんて雰囲気ではなくなっていました。
ピカソ美術館も、最初に訪ねた頃とは、広さも展示内容もすっかり変わっていたので、これもびっくりでした。
時間の経過もだけど、観光に注ぐバルセロナの気合いがビンビン伝わってきます。
ひとつ、ほんの少しイヤな思いをしたのが、サグラダファミリアの最寄りの地下鉄駅でスリに遭いそうになったこと。
自販機でチケットを買っている時からそばにいた、やせた小柄の若い女の子3人組。
電車がやってきて、乗ろうとしたらば、その子たちが車両入口近くに立ちはだかり、私たちが中にもっと進もうとしても進めない、そして扉が閉まろうとする瞬間に彼女らは車両の外へ。
友人のバッグが開けられていました。
幸い何も取られなかったものの、もし何か取られていたら、電車はもう出た後だし、どうしようもないところでした。油断大敵だね、と話したことです。

私がバルセロナを訪ねて数日後に、いつもとても面白い記事をブログにアップされているCangaelさんがやはりバルセロナを始めスペインを訪ねておられて、そしてやっぱりスリに遭いそうになったそうです。
みなさんも旅行中はスリに気をつけましょう。


悲しかったこと。

尊敬する哲学者、鶴見俊輔氏の訃報です。
もうご高齢だったので、こういう日も来るかと覚悟はしていたものの、本当に悲しい。
ずっと前、福岡で講演を聞きに行ったのが、最初で最後に実際この目で見てこの耳で聞いた唯一の体験になってしまいました。
あの時ブログに記事をアップしたっけ、と思って、「鶴見俊輔」で検索してみたら、何回も自分の日記に鶴見さんのことを書いてました・・・。
参加したセミナーの感想をアップしたときは、主催者の方に喜んでいただき、後で写真まで送っていただきました。
鶴見さんにもブログのことを知らせましたよ、とまで言っていただいた、とてもありがたい思い出。
http://d.hatena.ne.jp/shohoji/20081109/1226244490



あきれたこと、頭にきたこと、加えて、困惑していること。

皆さんも同様でしょうが、もう怒りつかれるほど、これでもかこれでもか、と、ひどい話がいっぱいですが、ここでは私の身近で起こった不快なことを記しておきます。

フリーランスです、って最初に書きましたが、私はフリーでいろんなことをやってます。
観光ガイド、翻訳、通訳、リサーチ、雑誌やテレビ番組のコーディネーターなど、頼まれたら何でもホイホイやっちゃうのです。
これは最近オランダ語圏でコーディネーターとしてやっている仲間が担当した番組の話。
初耳なんとかというバラエティ番組、「フランダースの犬」にからめてアントワープを取り上げたそうなんですが、番組の結論が「アントワープはがっかりのつまらない街」ってことになっている。
まず、「フランダースの犬」は、19世紀の英国人マリー-ルイーズ・デ・ラ・ラメという女性が、英語で書いたお話で、ベルギーではほとんど知られていません。
アントワープはつまらない街じゃないですよ。
それどころか、歴史と芸術がいっぱいつまった、本当に素晴らしい街です。
担当した仲間は、もう30年ほどそこで暮らし、街のことを知り尽くし、とても愛しています。
取材に関しては、市の観光局や取材先にとても世話になりますから、ましてや、日本の人たちの「フランダースの犬」イメージと違っているという理由で、「つまらない街」なんていう結論に持っていくなんて、失礼にもほどがあります。
ベルギーは自国の宣伝をあまりしないので日本ではあまり話題にならないかもしれませんが、欧州の真ん中に位置し、古くから商工業で栄え、自治の意識や市民意識に満ちた、いろんな意味でとても豊かな国です。
ま、そういう話には興味を持たず、自分たちのくだらない思い込みだけでしか物事を見られないのなら、それはそれで勝手にどうぞ、って感じですが、これからもこの国で仕事をしながら生きていかないといけない我々としては、これに懲りた観光局から取材の許可が今後下りない、なんてことになったりしたらほんとに迷惑です。
というわけで、もうバラエティ番組の依頼は断ろうね、と、仲間内で話している次第。


昨日行ってきた博物館の話。

昨日は友人と、バストーニュにある戦争博物館に行ってきました。
北のオランダ語圏のイープルは、第一次大戦の激戦地だったことで知られ、第一次大戦に関するとても充実した博物館があります。
一方、南のバストーニュは、第2次大戦の激戦地として有名で、第2次大戦に関する博物館があります。
イープルの博物館は最近リニューアルされ、さらに充実しましたが、バストーニュの博物館も去年リニューアルされ、行った人たちがみな褒めるので、昨日行ってきたのです。
観賞に2時間くらいかかるかな、と思って出かけたんですが、2時間どころか、4時間以上かかりました。
非常に興味深かったですよ。
バストーニュの若い女性と子供、ドイツ人の若い兵士、米国人の若い兵士の4人を主人公にした物語を軸に、とても詳しい展示がなされ、ものすごくわかりやすく、かつ、ユニヴァ―サルな視点で全体が把握されています。さらには時系列の展示の途中3か所に、立体的に鑑賞できるシアターがこしらえられていて、ものすごくリアル。あきない。

初めて知ったこともいっぱいでしたが、あのパットン大戦車軍団のパットン率いる部隊が、最終的にアルデンヌを解放するためにとても重要な役割を果たしたことや、今では皆やる勝利のVサインをうみ出したのが、ロンドンからベルギーのレジスタント向けのラジオ放送を担当していた人物であったことなど、へえええ、って感じでした。

長い文章を読んでくださってありがとう。
今週の木曜日には、今は博物館になっている、ベルギーにも第2次大戦当時存在したナチの強制収容所跡を訪ねてきます。
また報告します。

あ、そうだった、6月にはパリにも行ったんだ。
ジャックマール=アンドレミュージアムで、ジオットーからカラヴァッジョまで、という展覧会をやっていたんで。この特設展にこだわらずとも、このミュージアムはすごい、プライヴェートでこれだけのコレクションを所有してたってことにすごく驚いてしまう。
それと、四谷シモン氏を師匠に人形作りをしている友人のアイディアで、ポンピドゥーセンターのすぐそばにある人形ミュージアムにも行ってきました。