12月になりました。
毎年、師だけでなくオバサンも走り回る月なのですが、まだまだ3月のテロ事件の余波でヒマな毎日なので、映画を観に行ったり、王立アカデミーの講義を聞きに行ったり、ネットで公開されているドキュメンタリーを視聴したり、呑気な日々を送っています。
日はどんどん短くなり、夜が明けるのは遅く、夕方5時にはもう暗くなります。
それで街はイルミネーションが美しく、毎年恒例の音と光のショーも始まりました。
今年はクラシック音楽ではなく、ポップソングで明るいイメージ、光も色とりどりです。
こちらで「青い鳥」(ちなみに「青い鳥」を書いたメーテルリンクはゲントの人です)という日本語のオンライン情報誌があるんですが、そこに今年の様子がすでにアップされていますので、リンク貼り付けます。
http://www.aoitori.be/event/402-christmas.html
最近観た映画は2本。
ケン・ローチのI,Daniel Blakeと、いつも映画の情報満載のSPYBOYさんのブログで紹介してあったSing Street。
前者は、もう辛くて…。
ベルギーでもありそうな話です。
ケン・ローチの作る映画は、いつもものすごいリアリティですよね。
先日arteで、彼の映画の作り方に関するドキュメンタリーを見たのですが、彼は俳優陣に、ストーリーの細かいことは直前まで知らせないのだそうです。
ランド・アンド・フリーダムを例に話していましたが、仲間が死ぬことを知らない、死ぬことになる俳優も、それを直前まで知らない、という具合です。
後者については、SPYBOYさんのブログを読んでいただいた方が絶対いいので、リンクしちゃいます。
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20160711/1468235720
きっとみんなアイルランド訛りで話していると思うので、そのあたりを聞き分けることができたら、さらにじわっと来るのかもしれない。
日本でとても話題になっているアニメ「この世界の片隅に」ですが、こちらの友人に話したら、とても興味をいだき、さっそくアマゾンでこうの史代さんの原作3巻を購入。
何回も読んじゃったそうですが、それをプレゼントしてくれたので、今読んでます。
2巻まで読み終えたところです。
素晴らしいですね。
主人公すずは、亡くなった母と同じ年だわ。
寅年生まれだったから。
こうの史代さんの好きな言葉がカバーに記されています。
ジッドの「私はいつも真の栄誉をかくし持つ人間を書きたいと思っている」です。
思えば、映画やマンガやロックミュージックといったサブカルチャーの持つ一番大きな力がこれかもしれないなあ、と。
サブカルチャーといえば、ここんとこずっとarteで、ギリシャ神話の神々に関する話が、毎週2本ずつ放映されています。
おもしろいんで欠かさず見ているんですが、ギリシャの神々ってはちゃめちゃですね。
怒りっぽかったり、傲慢だったり、惚れっぽかったり、嫉妬深かったり…。
ギリシャ・ローマ的なものこそ自分たちのルーツだと信じ、それが昔の知識人たちの教養だったわけだけど、これって今でいうところのサブカルチャーだったんだな、なんて思います。
それと、いろんな人が亡くなりました。
秋にはいろんな人が逝っちゃう、という印象があるけど、気のせい?
中でもフィデル・カストロの死は、ものすごく大きな話題でした。
亡くなった当日だけではなく、今でも、ニュースで扱われるだけでなく、ドキュメンタリー等、過去の分も再度放送されています。
時代を作った大きな人物ですよね。
寂しいことです。
ずっと前に観たことのあるドキュメンタリーをまた見ました。
http://www.rtbf.be/auvio/detail_fidel-castro-l-enfance-d-un-chef?id=2163275
父親の苗字であるカストロを名乗るのに、父親が正妻と離婚し、フィデルの母親と結婚するのを待たなければいけなかったこと、イエズス会の学校では、手に負えない困ったクンでもあったらしい。
そういう子ども時代から始まるドキュメンタリー。
とてもおもしろいです。
ガブリエル・ガルシア=マルケスが、キューバの共産主義は独特だ、と評価していたことや、メキシコにいた頃、グアテマラとの国境で会ったドイツ人の若者が、「キューバはいいよ、またこれからキューバに行くんだ」と言ってたことを思い出します。
あれもこれも、忘れないように書き記しておこうと思ってたけど、なんだかもうめんどくさくなってきてしまった…。
年のせいか?
このクリスマスで59歳だもんね。
来年は還暦ですよ。ウソみたい。
ま、精神年齢はノーテンキだった若い頃のまんまですが、体力の方は、やはりだんだん年とともに衰えてきてるかも。
これは自然の定めだから仕方ありません。(笑)
ま、できる限り、元気に楽しくやっていくのみ、であります。
みなさん、よい年末年始を!