ウィーンに行ってきた


月に1回くらいはブログ更新しようと思っていたけど、もう6月になっちゃいましたね。

今年はエゴン・シーレの没後100年ということで、ウィーンのレオポルド美術館では、彼の特別展が行われています。

毎年うちに遊びに来てくれる大学時代の友だちがいます。
今年も10月にやってきます。
彼女が来るたびに、1カ所か2カ所、一緒にどこか別の街に出かけるんですが、今年はプロヴァンスへ1週間足らず出かけるのは決定していて、すでに航空券も宿泊の場所もゲット。(何でも早くやっておいた方が安いので・笑)
上述の展覧会は、その友達が開催を教えてくれたので、はたしてこれも一緒に行くかどうか、下見に行ってきたのです。

ウィーンを訪ねるのは3回目。
芸術の都と呼ばれるだけあって、見るべきものが多すぎ…、とにかく今回はシーレ展に的を絞りました。
欲張りすぎると、オバサンは疲れてしまうので。
ブリュッセルを6月1日早朝発ち、翌日の夜戻るというフライトで、まるまる二日間楽しむというプログラム。

1日朝10時前には街に着いたので、予約を入れていたホテルに、持ち歩く必要のないものを預かっておいてもらおうと行ってみると、もうチェックインしていいよ、とのこと。
親切。
古い建物で、部屋もすごく狭かったけれど、場所がすごくよくて大助かりでした。
部屋に荷物を置いて、さっそくお出かけです。

アルベルティ―ナまで徒歩3分。
以前デユーラーのデッサンを見たいにもかかわらず、入館するヒマがなかったので、今回は行こうかな、と、レオポルド美術館へ行く前に訪ねました。
結局3時間以上も居座ってしまった。

ベルギーは、フランス革命以前オーストリア大公が治めていたので、そのあたりのかかわりも含めて、なるほど、おもしろかったです。
見たかったデッサンはすべてが展示されているわけではないし、オリジナルは痛まないようにしまってあるのでファクシミリ、だけど、ルーベンスのデッサンに初めて見るものがあるなど、それはそれでとてもよかったです。
それに加え、とても見ごたえのあるキース・へリング展やモネからピカソまでの特別展などなど、なかなかのものでありました。

そして軽くランチを済ませた後、いざ、メインの目的であるレオポルド美術館へ。

シーレ展、すばらしかったです。
ずっと前から大好きなので、今までもかなりの作品を見てきたけど、今回のように体系的な展示の仕方をしたものは初めて。
「子供」「母」「エゴ」「スピリチュアリティ」「ポートレート」といったテーマごとの展示、彼の直筆の詩や手紙、写真などなど、シーレの世界にどっぷり浸れるものでした。

顧客を意識して「売る」ために描いたのでなければ、当時の多くのアーティストのように、「社会問題」にコミットしたわけでもなく、ひたすら「自分自身のみ」に向かった人だと思っていたけど、「自由を求める人たちのために」という彼の詩の中の言葉や、その時代がどのような時代だったかを考えたりすると、ただ自分の世界に閉じこもっていたわけではないんだ、と思えてきました。
(それに、まだ彼は20代の若さだし。)

作品は好きだけど、ご本人さまとは仲良くできないだろな、なんて思ってきたけど、そういうこともないと思えてきたり。

1910年の、ストライプのシャツを着た自画像、グザヴィエ・ドランみたい。(ドランの作品、les amours imaginaires だったか、主人公か誰かの部屋に、たしかシーレの絵が飾ってあったと思う)

ドランみたい


この日は閉館時間までに、他の展示どころかシーレ展も全部鑑賞できなかったので、翌日も開館される時間に即入場して、閉館時間までたっぷりレオポルド美術館で過ごしました。

美術館のカフェは、ギョーザ・ブラザーズとかいう会社がやっていて、寿司やギョーザに加えてカレーライスまでありました。
私はカツカレー食べちゃった。このカツはシュニッツェル!(笑)

もうたっぷり過ぎて疲れちゃったんで、帰りの飛行機に乗るまでビールかワインでも飲んでゆっくりしよう、と思っているところへ、なんと、航空会社から、「フライトがキャンセルになりました。詳細については電話してください」という恐るべきSMSが!!!
電話するも混んでいて係の人がいつまでたっても出ない、これではラチがあかないと、空港行き電車の駅にある航空会社のカウンターへ。

そこでささっとフライトの変更をしてくれました。
ミュンヘン行きに乗り、そこからブリュッセル行きに乗り換えることになったのです。

しかし、乗り換え時間がほとんどないというのに、ミュンヘン行きのフライトが遅れまくりです。
係の人に、大丈夫かなあ?と訊ねると、とにかく到着したら、セキュリティチェックも何もないから、ブリュッセル行きフライトのゲートまで走れ、と…。(苦笑)

同じ目に遭ったのは私だけでなく、あと少なくとも5人はいて、また例によって同じトラブルに見舞われた者同士のソリダリティも生まれ、それなりに楽しかったです。

乗るはずだったブリュッセルエアラインは、こういう短いフライトだと飲み物も食べ物も出ないのですが、ミュンヘンまでのオーストリア航空ミュンヘンからのルフトハンザ、いずれもうんと短いフライトなのに、スナックが出てワインが飲めたので、結局、フライト変更でラッキーしちゃった呑み助オバサンでありました。


というわけで大満足な私、シーレ展の展示物にはいくつか入れ替えも行われるそうだし、10月に友達が来たら、今度は一緒に行こうと、帰宅後即フライトとホテルをゲット。

なんて楽しい余生でしょ。(笑)