ストに嵐 笑

もうあと2週間ちょっとで今年も終わりです。

クリスマスまであと10日、そしたらまた一つ歳をとります。

はやい、はやい。このペースだともうあっという間に死ぬ時も来ます。

だから還暦過ぎてからは余生を決め込んで、「楽しく過ごそう。そして、余分なもの・負担になるものはなるだけ避けよう。」をモットーにしているのだけど、それでも仕事でコルシカに行ってきちゃいました。

ハラハラ・ドキドキの連続でしたが、終わってしまえば、やっぱり楽しかったわ。

 

ご存知の通り、12月5日からずっとストが続いているフランスです。

ベルギーからコルシカまでは、冬の間は直行便は飛んでおらず、パリのオルリィ空港まで行かなければなりません。

で、2か月ほど前に仕事をすることが決まってから、もうパリ・ブリュッセルのタリス往復とオルリィからアジャクシオへの便の往復、そして向こうでの宿、ぜーんぶ予約していたのです。

そしたらスト。ああ、やっぱり…という感じもありましたが(笑)。

 

出発の10日になってもストは続き、というか、さらに深刻な事態になっていきました。

幸いなことに、私の乗るはずのタリスもアジャクシオへの便も、往復ともキャンセルになることはなく、問題はパリ北駅とオルリィの間の移動のみです。(と、その時は思っていた。)

しょうがないんでタクシーを使いました。

ま、なんだかんだで大騒ぎしたものの、無事アジャクシオに到着。

そしたらその頃になってタリスからsms、帰りに乗るはずだったタリスがキャンセルになったと…。

これは翌日の朝、なんとかつながった電話で、2時間遅く出発タリスのチケットにチェンジしてもらえたんですけどね。

smsを受け取った時は、ウッソー――、と思いましたよ。

 

で、肝心の仕事、けっこう難しい内容でしたが、一所懸命準備・勉強した甲斐あってなんとかクリア、なんと地元のプレスの取材までやってきたりして、新聞やTVにも登場する羽目になってしまったのでした。(笑)

 

せっかくコルシカに来たから、というんで、少しだけ残った時間を利用して少し観光も。

コルシカといえばナポレオンですね。

ナポレオンの生家です。忍び寄る影は私。

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私が泊ったのはアパートなんですが、そこの大家さんが言うには、コルシカの人にとっての英雄は、ナポレオンより誰よりパスカル・パオリなんだそうです。

私は全然知りませんでしたが、ナポレオンと同時代の人、コルシカのジェノヴァからの独立運動の中心人物で、非常に近代的な憲法を発布したりもした人です。

ちなみに、私が泊ったアパートは、ジェノヴァ時代の建物を整えたものでした。

 

それにしてもナポレオンってやっぱりすごい人だと思う。

ありとあらゆる今の私たちが適用している法律も、もとをたどればナポレオンが決めた法律にたどり着く…、彼が登場しなかったら、歴史も、今の私たちの生活も、ずいぶんと異なるものになったんだろうな、と思います。

 

帰る日の便は14時、午前中は美術館に行こうと思ってました。

ルネッサンス時代のコレクションがすごいというので楽しみにしていたんだけど、なんと朝から大雨。

おばさんには過酷な天気。

あらまどうしましょ、と思っていたところに大家から電話です。

「午後から嵐だという予報だけど、帰りの便は大丈夫?」と…。

これでもか、これでもか、と問題が降りかかってくる感じじゃないですか。

もし飛行機が飛ばないようなことになったら、もう1泊していいからね、という優しい大家の言葉でしたが、やっぱり帰りたい。

空港へ電話したら、一応飛ぶ予定だけど天気がどうなるかで変わるかも、とのこと。

 

ま、結局飛びましたが。

搭乗を待つまで、同じゲートで待っていた高齢の女性に、「怖くない?」って聞かれました。

「リスクを冒してまでは飛ばないでしょうから、飛ぶってことは大丈夫ってことでしょう」と私。

そこにもうひとり別のご婦人が、私たちの近くにやってきて腰を掛けました。

高齢の方、その人にも「怖くない?」と。

そしたらその返事は、「おっこって死ぬときは一瞬らしいから、全然怖くないです」って。

高齢の方が期待する答えはそういうんじゃないよね、と心の中で笑う私でした。

 

 

さ、明日からまた別の仕事が待ってます。

忘れないうちに、今回のことを記しておこうと思いました。