5月9日 コロナ危機@ブリュッセル シューマンの宣言から70年 その他いろいろ

5月に入ったら毎年12月に訪ねるガン専門医とのアポを入れておかないといけないのを、なんだかんだですっかり忘れていました。

昨日、あっそうだと思いだし、早速アポ入れの電話をしました。

秘書さんのフランス語が極端なパリ訛り(だと思う、語尾にいちいちeが1個よけいについているような…)、ちょっと驚いてしまった。

 

パリと言えば、前回の記事にEU諸国の国境の話を記しましたが、フランスは6月までEU諸国の人にも、不要不急の用件であれば国境は開放しないようです。

EU外の国とは、まだいつになるかもわからない状況。

戦争という悲惨な体験ののち勝ち得た最も大きな権利の一つ「移動の自由」、完全に戻ってくるのはいつになるのでしょうね。

絶対戻ってくるはずと信じていますが。

 

 

Covid-19に関しては、ウィルスや感染の実態そのものについては、まだいろいろ研究途上だし、統計上のデータについても国によって計上の仕方が異なっていたりで簡単に比較できるわけじゃないし、今の時点では私のような普通の市民が、途中経過の報道や噂にピリピリする必要は全くないよね、と思ってます。

自分にできることは、限られているとはいえはっきりしていますしね。

 

それより、段階的解除に向かっているそれぞれの社会のあり方や人々の様子、そしてコロナ禍後に目指す社会のビジョンの方に興味あり、であります。

 

 

でも、コロナに関してもちょっとメモしておきます。

昨日のニュースによると、トレーシングのためのコールセンターが月曜日からスタートするそうです。

陽性反応が出た人にコンタクトを取り、その人の動きと誰と接触したかを追跡するわけですが、その人がそれを言いたがらない場合は強制することはできない、と言ってました。

ただセキュリティのための必要性ははっきりしているので、そのあたりは市民としての意識のもと行動してくれると信頼している、とのこと。

 

でもいっぽう、スマホでもって人の動きが記録されるので、市民の動きの分析ももう行われていたようです。

40㎞以上の動きをした人が95%減ったなど、そういうことも紹介されていました。

 

検査については、欧州でもトップに躍り出たらしいベルギーであります。

(トップってほんとなの?という検証のドキュメンタリーも放送されましたが、それは見てません。)

昨日の会見では、いかに検査を受けるか、その道筋についての説明がなされていました。

まず、少しでも兆候が見られたら、ホームドクターに電話して処方箋を出してもらうこと。

なんでも発熱前に、極端な疲労感、筋肉痛、味覚・嗅覚の異常、下痢などが起こるんだそうです。

その時点で即検査を受けるように、と。

検査の結果は24時間後に知らされるので、そこで陽性と出たなら(この時点でコールセンター登場)、ひととの接触を避けた上で、48時間以内に最近自分が接触した人達のリストを作成してください、とのことでした。

もちろん症状により入院ということもありますが、その必要のない場合は、家にとどまること。

抗体検査も近いうちに皆アクセスできるらしく、今準備されつつあるキットが、インフルエンザの予防接種のように簡単に手に入るようになるらしいです。

しかし、抗体についても、それがどのくらいの時間持続するか、など、不明点がまだいっぱいあるという前提です。

 

 

今回の巣ごもり政策で、スーパーマーケットの売り上げは、5億ユーロ以上アップしたそうです。

いっぽう、お化粧品の売り上げ、90%減だと。

これ、私もそうだろうなと思ってました。

外に出ないときはお化粧しないので。(笑)

 

亡くなった方の年齢による分布も発表されました。

ベルギーでは、45歳未満が1%、45歳から64歳が5%、65歳以上が94%だそうです。

 

今週の月曜日にスタートした段階的解除の影響は、まだ来週以降にならないとわかりません。

 

 

 

さて、昨日8日は、ナチスによる占領から解放されて75周年の記念日でした。

各国のトップが記念碑に花を捧げる様子が報道されていましたが、ベルギーでも、フィリップ国王が国会記念塔に花を置いている様子や、解放当時のことを思い出すための報道がされたし、当時を振り返る番組も放送されました。

www.rtbf.be

 

そして今日9日は、当時フランスの外務大臣だったロベール・シューマンが、ヨーロッパの人々が各国人である前にヨーロッパ人として生きるべきだと宣言をして70年の記念日です。

multimedia.europarl.europa.euルクセンブルグ出身のこの方のこの宣言のもと、鉄鋼と石炭の共同体が生まれ、それがECへ、そしてEUへと発展してきたわけですが、またその思いを振り返るときです。

 

 

 

今回のコロナ禍では、飲食店とともに映画・演劇・文化施設とイヴェントなどにかかわっている人たちが直面している危機について話題になっています。

昨日Twitter平田オリザさんが「自分の発言が切り取られて報道された故に、真意が伝わっていない」といったことをつぶやいておられたので、もしかしたら炎上してるのかな、と、ちょっと気になっていました。

そしたら今朝読んだブログの記事で、その件にも関係して、労働者と演劇のかかわりについて、とても興味深い考察を読んだので貼り付けておきます。

一読の価値あり、だと思います。

引用されている本を読んでみたいなあ、とも思いました。

それに、日本での演劇その他の社会での受け止められ方も、私が住んでいる社会でのそれとは違っており、従ってコロナ禍において彼らが抱えている問題も、本質的に異なっているんだろうなあ、と感じました。

font-da.hatenablog.jp