6月5日 コロナ危機@ブリュッセル Phase3についての会見と反レイシズムの話

天気予報の通り、曇ったり雨が降ったりで、ひゅーんと気温が下がりました。

もともと天気の悪いところだというのに、ここ数年天気がよすぎて、嬉しくはあるのだけど怖い気もする。

去年の夏ニュースで言ってましたが、国内でいろんな種類のトマトが生産できるようになって、自分ちの庭でも育てられるし、商品としても国内産がいっぱいある、いっぽう、本来の産地である南仏など、逆に暑すぎて生産が難しくなってきてるのだそうです。

 

 

さて、一昨日水曜日、予定通り6月8日からのPhase3について会見が行われました。

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ベルギーに関する日本語情報サイトの≪青い鳥≫が内容をまとめていたので、そのリンクも貼っておきます。

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カフェ・レストランが再び活動できます。

テーブル間の距離などなど、制限はあるのですが、皆喜んでいるようです。

経営者にニュースでインタビューしていたんですが、同業者の40%くらいは廃業に追い込まれるんじゃないか、と心配している人もいたし、地域政府の方針がそれぞれなので、フランダースと比べて援助が少なすぎる、と嘆いているワロニアの経営者もいました。

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ベルギーの国境は6月15日から解放され、欧州内旅行できるようになりますが、国境については各国がそれぞれ決めることなので、その国が「入ってきちゃダメよ」という場合もある、という前提つきです。

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文化セクターの活動については、6月8日から観客ナシ(!)という条件で再開、7月1日から観客アリに(ディスタンス確保の上で最大200人)。

フェスティヴァルは、以前の方針どおり8月末まで禁止です。

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町の祭りなど、8月1日から解禁、これについては、規模の小さい町祭りがダメで、もっと人が集まるアトラクション・パークなどは7月1日からOKって不公平じゃないか、とお祭りの屋台を出すおじさんが文句を言ってました。

 

今回の会見で、おっと思ったことの一つ、最後の質疑応答で、記者の人が「本題とは関係ないことなのだが」という前置きで「会議は何語でやってるんですか?」と質問しました。

答えは、基本それぞれが自分の母語で話をしている、つまり、会議では蘭語・仏語・独語が飛び交っていて、会議参加者が皆それを解している、ということ。

ちなみにこの日は、米国発の反レイシズム運動の話が上ったので、さらに英語も加わったそうです。

私はオランダ語はわからないので、仏語を母語とする首相のオランダ語力については批評できませんが、会見を見る限り、オランダ語圏の記者の質問にはオランダ語でちゃんと答えています。

ちなみに、会見は蘭語・仏語で行われます。

蘭語で話している時は仏語の同時通訳が入るので、同じ話を2回聞くことになります。

 

で、おっと思ったことがもうひとつ。

首相が米国で起こった反レイシズム運動に言及し、この運動に共感しデモを、という思いは理解できるが、デモ以外の方法を取って欲しい、今の状況で多くの人が集まる行動は控えて欲しいので、と述べたこと。

 

この件、事件が起こってすぐにニュースで取り上げられ、毎日報道されています。

 

たとえば、国鉄の車両にPlease, I can’t breatheと記され走ってたんですが、これ、安全上問題がある(窓の外が見えなくなるので)ということで、「消さないで」という希望が多かったものの消されちゃいました。

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世界中でストリートアートとして表現されてますが、ブリュッセルでも同様です。

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ヨーロッパの首都と呼ばれるブリュッセルでマニフやらないなんてありえない、という意見もあり、すでに小さなデモはありましたが、さらに大きなデモが呼びかけられているようです。

感染症の専門医師が、「やり方を工夫してね」と言ってました。

 

今朝見たこのニュースもショック。ひどすぎる。

ポリスに突き飛ばされて倒れ、血を流しているのに放ったらかし。

重態だそうです。

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今朝のニュースでは、ベルギー在米国人をゲストとしてインタビューしてました。

ベルギーに住む米国人、2万人いるそうです。

さらに反レイシズム運動をやっている若い黒人の女の子もゲストとして登場、彼女が「反レイシズムについて、テレビ番組なんかでも、当事者でなく白い人たちが、自分たちが学ぶためのオブジェとして話しているだけ」と批判していたのが印象的。

ベルギーでは比較的人種差別は少ない印象なんだけど、何年か前に天気予報をやる人のひとりが黒人女性になったとき、けっこう視聴者からいやがらせがあったあという話もありました。

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CINEMA10ですが、残りの2本をアップしたのでここにも記しておきます。

 

9本目がガス・ヴァン・サントパラノイドパーク

この監督さん、まるで詩人ね、と思いました。

次女と仲のいい男の子に、当時スケボーが生きがいという子がいて、顔までそっくりだったんで、「近所の子たち」みたいな気持ちで鑑賞。

ちなみにその子、膝をダメにしてしまいスケボーができなくなり、親との関係ももともと悪くて、そのうちドラッグ漬けになってしまったんですよ。

どこに行っちゃったんだろう。

小さい時は皆そこらへんに同じようにいたのに、年月とともにひとりまたひとりと少しずつ遠くに行っちゃう…。

切ないですね。

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10本目はブリ・ラネールのエルドラド

このベルギー人監督、周辺の人たちを描く人。彼の作品にはエリートが出てこない。

この作品は、中年の主人公と彼のうちに泥棒に入った若者とが車で旅するというロードムーヴィーなんだけど、この若者がベルギー国歌を歌うシーンがあって、そこで主人公(監督本人)が「なんで歌えるんだお前、ベルギー人は国歌知らないのが普通だろ」と驚くんです。

もうこの一シーンだけで、私はこの映画絶対わすれられない(笑)。

10本目はドランの作品にしようかな、とも思ったんだけどね。

 

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月曜日の夕方、うちの3女クンが自転車で出かけていて事故に遭いました。

自分のうちの近所を走っていて、急に歩行者が飛び出してきたんだそうです。

ちょうど下り坂でスピードが出ていたんでしょう、よけようと急ブレーキをかけ、自分が吹っ飛んで強打・気絶。

その歩行者は事態に怯えて去ってしまったんだけど、通りがかりの人が救急車を呼んでくれ、さらにたまたま仲のいい友人が車で通りがかったことも有り、一緒に住んでいるボーイフレンドのレオくんにもすぐ連絡が届いた、という次第。

レオがすぐ私に連絡してくれました。

「私は何したらいい?」とレオくんに聞く始末。

「何もしなくて大丈夫、僕がいるから」との返事でした。

前回ブログを更新した時点では、事故の翌日で実はあまりにも心配で、とてもここに書く気持ちではなかったんですが、歯が1本欠け、唇を縫い、右肘を骨折。

肘は後遺症で曲げ伸ばしができなくなったりしないための手術が必要かも、という話もあったんですが、検査の結果、おそらくそれは必要なかろうということです。

肘の曲げ伸ばしができないとなると、ピアノやバイオリン弾けなくなるじゃないか、と心配しましたが…。

 

それにしても、レオと他の二人の娘と、仲間と、皆色々彼女を助け励ましてくれたので、母親の出番など皆無でした。

救急車を呼んでくれた人も、後で「大丈夫だった?」とわざわざ訊ねに来てくれたそうです。

ありがたいことです。

還暦過ぎて余生に突入、いつ死んでもいいや、と思ってはいましたが、今回の件でも確認。

親の仕事って、だんだん出番を減らしていくことだと思って、そうなるようにやってきたつもりです。

大成功だぜ、と嬉しく思います。

あとは大事にして、ちゃんと回復してほしい。