6月13日 コロナ危機@ブリュッセル 悲しいニュース その他

今週の月曜日から、いろんな制限はあるものの、カフェやレストランも開き始め、少しは以前の風景に近づき始めたベルギーです。

いろんなタイヘンなことが、これからさらに解決を迫られていくことになりますね。

難しい問題山積みです。

 

去年の選挙の後、まだ組閣できていないベルギー、コロナ禍の中の臨時政府だったんですが、これからは組閣も重要問題。

 

米国でスタートしたBLMの運動をきっかけに、毎日レオポルド2世の話や、ベルギーの植民地政策に関するドキュメンタリーが、次々に放送されたりもしています。

この件については、何年か毎に話題に上りますが、今回はよりさかんに取り上げられている印象です。

 

タンタンの話をid:cenecioさんもブログに書いておられました。

ベルギーは近代マンガ発祥の地、中でも一番有名なのがタンタンだと思います。

私はモト夫から、「エルジェは人種差別主義者だ」とさんざ聞かされていました。

私はマンガが大好きですが、こちらのBDは、私が小さい頃からなじんでいるマンガとは似て非なるもの、BDファンでどうしてもマンガが苦手という人がいっぱいるように、私はBDは今一つ心惹かれず、ほとんど中身は知りません。

だから身近なニンゲンの意見を長いこと鵜呑みにしていました。

でも数年前にarteで放送されたエルジェについてのドキュメンタリーを見たとき、インタビューでその件について訊ねられた彼の答えを聞いて、≪エルジェは人種差別主義者≫という単純な話ではないな、と思いました。

「あれを書いた時、まだ僕はまだ二十歳かそこらで、自分自身がコンゴに行ったこともなく、周りの大人たちの話を聞くことで持ったイメージしかなかったんです」と言ったんですね。

レオポルド2世にまつわる話もそうだけど、当時の世界観その他、ちゃんと振り返る必要があるのではないか、と感じたのです。

その時のドキュメンタリー、Youtubeか何かにアップされてないかな、と思って探したけど、見つけることができませんでした。

かわりに、というわけじゃないけど、ミシェル・セールがタンタンとエルジェについて語っているビデオを見つけちゃった。

まだ視聴していませんが、後で観るために貼り付けておきます。

ちなみに、私はエルジェはやはり天才だと思っています。

www.youtube.com

 

 

今日の昼のニュースで、とても残念なことを知りました。

今回のコロナ禍で、ベルギーの商店の5分の1が閉店に追い込まれる、と。

で、そこでインタビューされていた人が、モンスにあるアンドレ・レト書店のレトさん。

この3か月2か月、売り上げゼロだそうです。

政府からの援助金では追いつかないし、支払いも数か月猶予してもらえるとはいえ、払わないといけない、と。

レトさんのお店に置いてある本は、全部彼が買ったものです。

だから全部彼のもの。

店に置いてある本については完全に把握しておられるので、何を聞いても大丈夫。

私はこの本屋さんに行くことが、お楽しみの一つでした。

絶版になったような本でも、レトさんに頼むと、どこかから見つけ出してくれるんです。

毎週木曜日にはフランスまで本を郵送するために出かけられるんです、ベルギーより料金が安いというので、だから何か送り出したいときには言ってね、ついでに送ってあげるから、と。

いろいろと助けられました。

ブリュッセルに引っ越してきてからも、仕事に必要な本を探し出せないときは、電話をかけて相談してました。

しばらくご無沙汰していますが、今日のニュースで、あ、レトさんだ!と懐かしく感じるとともに、店じまいとは…、と、とても悲しく思いました。

追記・今夕方のニュースでもう1回レトさんの話を聞いたら、タイヘンな様子だけど、店じまいとまでは言ってませんでした。ショックのあまり、脳内でおおげさ処理してしまったみたい。(苦笑)

このニュース自体はネット上で見つけられなかったけど、上に貼り付けたのと同じフランス3チャンネルの La grande librairie という番組で4年前に紹介されていたのを発見。

自分のために貼り付けておきます。

日本語字幕はありませんが、ちょいと見ていただけると、店に入った気分を味わっていただけるかも。

店の奥に座っておられるときは、デスクの上に山積みになった本に隠れて、どこにいらっしゃるかわからないのでした。

www.dailymotion.com

 

あともうひとつメモ。

今朝ツィッターで見かけた記事。

たしかに今生きるための食べ物すらゲットできないくらい困っている人もいるでしょう。

この本を訳した方がこの記事について

むしろ、どんな危機に際しても心の片隅で「悠長」でいたいと思う。そのための余裕を市民に確保する役目は、小説家ではなく、政治家に求めたい。 「ホメない書評」とあるから筆者の芸風なんだろうけど。彼にしても、「今までの経済システム」でうまく行かなかった人々の視点が欠けているのではないか。

とツィートされていました。

私も翻訳者さんに共感します。

www.newsweekjapan.jp

https://twitter.com/kirokubito/status/1271698207731523589?s=20

 

 

https://twitter.com/kirokubito/status/1271698207731523589?s=20