ひとりで暮らし始めたことですっかり忘れていたけど、9月っていつもストレスフル。
今年は自由大学の講義を受けることを決めたことで、そういえば…と思い出してしまった。
夏のバカンスの間は何事もびくとも動かない、それが9月に入ったとたん動き始めるものだから、心身ともにけっこうなストレスなのであります。
3人の子供のお母さんをやってた頃に比べたら、自分のことなんで気楽なもんですが、
(こちらの学校、教科書は学校が貸してくれます。小学校ではノートももらえます。で、その本とノート、全部うちでカバーをしないといけないことになっていて、事務的な諸手続きに加え、それがタイヘンな作業だったんですよ。3匹もいましたしね。)
その分年も取ったわけで、それなりに疲れるわ。ヨロヨロ…。
大学の講義は4つ受けていいことになりましたが、時間わりを見ると、うち2つが前期で残り2つが後期です。
(大学に前期・後期ってのがあったことも、すっかり忘れていました。笑)
この14日から大学の講義も少しずつスタート、時間割を見ると、私の受ける2つはいずれも金曜日。
フランス語とその文法の歴史が10時から12時。
比較芸術史が12時から14時。
これは途中でお腹空くかも、なんておバカな心配をしていたのだけど、なんと!午前中の講義は教室で、午後の講義はオンラインとなりました!
午前中の講義を大学で受けた後、瞬間移動でうちのPCの前に貼りつくことなんて、どこでもドアでもない限り不可能ですよね!!!
「来週の金曜日まで変更もできます」と言われましたが、すっかりその気になってたので、今さら変更するエネルギーが湧いてこない。
持っていたノートブックは、PCが壊れて困っていた次女くんにあげちゃったし、スマホじゃ小さすぎるし、新たにノートブックかタブレットを買って、大学の図書館かカフェにでも陣取って聴講するか…。
というわけで、ああでもないこうでもないと考えています。
オンラインの比較芸術史の講義、昨日始まったのに、CEPへの私の申し込みがけっこう遅かったために、まだ大学のNetIDがもらえておらず、聴けませんでした。
ものすごくがっかり。
さてさて、今日土曜日が、お楽しみの文化遺産の日の1日目。
久々にいっぱい動いて、けっこう疲れました。
でも、やっぱり楽しい。
天気もものすごくよかったし。
一応フォトをアップしておきます。
近くで見上げたアノン邸です。
この出っ張ったところが「冬の庭 jardin d'hiver」。
エントランスホールの床モザイク。
サロンへつながる数段の大理石のステップを指しています。
来客を案内するサロン。
サロンにつながったスモーキングスペース。
スモーキングスペースのフレスコは春・夏・秋。
ローマ時代からのモチーフですよね。
人の人生の時代も示している。
うち、夏の部分。
外からでっぱって見えていた冬の庭。
写っているのはガイドしてくれたマダムです。
この階段を上って、家族のスペースである2階へ。
まず一人娘さんの部屋だったところ。
まだ修復が終わってないことがわかります。
このアノン邸、角に建っているので窓がいっぱい取れて、すごく明るい。
そのあたりがオルタの家とは全然違います。
アノン夫妻の寝室横にあるバスルームの床のモザイクと壁のタイル。
夫妻の寝室。
寝室の壁、オリジナルどおりに修復するための手掛かり。
夫妻のスペースと子供部屋の間にある衣裳部屋。
階段の壁のフレスコ。
しみじみ象徴主義の時代ですね。
3階へ上る階段。
使用人の部屋とアノン氏の仕事部屋があったそうです。
文化遺産の日ということで特別に公開されましたが、まだまだ修復の真っ最中で普通は入ることはできず、今日も地下(台所など)と3階へは行けませんでした。
将来はアールヌーヴォーミュージアムになる予定だそうです。
はたして何時になることでしょう、誰も知りません。
アールヌーヴォーの時代って、第1次大戦前のわずか15年か20年。
その後はこのスタイルはあまり好まれず、この家もアノン氏の娘さんが顧みようとしなかったので荒れ放題だったのです。
午後はEU地区にあるBibliothèque Solvayソルヴェ図書館を見に行きました。
ここはアールヌーヴォーではなく折衷様式。
うちの近くから60番のバスに乗り、ジュルダン広場で下車。
この広場には、おいしいと評判のフライドポテト屋メゾン・アントワンヌがあります。
広場に面したホテルに入ってる1040というレストランは、ベルギー名物料理の一つである北海の灰色小エビのクリームコロッケ味比べで2等賞になりました。
このレストラン、ステーキもすごくおいしい。
小心者の私は、例によって予約を入れている時間よりずっと早く到着しそうになり、レオポルド公園でちょっとゆっくり。
時間をそうやってつぶして到着すると、なんと、建物の入り口にはテラスが作られ、ワインやビールが飲めるではありませんか!
こんなことならもっと早く来ればよかった、と後悔。
エルネスト・ソルヴェが作った社会学研究所だった建物です。
ソルヴェさんについてはこのブログでも既に触れました。
当時世界で一番金持ちだったひとりです。
メセナとしても大活躍。教養高い人だったのです。
建物の内部です。
マスクしたソルヴェさん。
1910年代のラルース。
古いエレベーター。
鉄を使っているところが、まさしくこの時代。
本棚の横に扉がありますが、いくつもある閲覧室のひとつです。
見物後に泡を1杯いただいちゃいました。笑
今年はコロナのせいで、公開される場所も少なく、全部予約制だし、参加する人も例年よりずっと少なかったと思います。
明日も2カ所訪ねる予定です。
オマケ 笑
過去の記事から文化遺産の日について触れたものを探してきました。
10年前のもの。
このときは意図せずして同行したモト夫をBD博物館に置き去りにしたんだった。
可笑しすぎる。
さらに遡って15年前。
まあよくこんなに歩けたものだわ。
今はとてもムリ。
これってMIXIにしか書いてなかったみたいなんで、まだベルギーについての知識も今よりもっと乏しいし、もうリンクもつながらないし、たいしたもんじゃないがそのままコピペしちゃおう。
個人的には電車でのエピソードが笑える。
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長女が12時に音楽アカデミーでの授業を終えたので、そのまま最寄の国鉄駅からブリュッセルへ。
電車の中で車掌が乗車券のコントロールにやってきたので、ふたり分の切符を見せると、それまで他の客とは普通にフランス語で話していたくせに、私には突然スペイン語で話しかけるのね。
「へっ?????」と、長女とは日本語で話していたつもりだったけど、なんかの拍子にスペイン語を話していて、それが彼に聞こえていたのかな???とか、頭の中を?マークがクルクルまわったのだけど、彼曰く、
「僕はスペイン人だからスペイン語もわかるのよ。お客さんがラテン・アメリカの出身だとすぐピーンとわかるから、スペイン語で話すのさ。」
とのこと。
おいおい、たまたま私がスペイン語のわかる日本人だったからよかったけど、そうじゃなかったらどうすんの?
「メキシコにいたからスペイン語わかるけど、日本人よ」と言ったけど、まったく信用していないのよね、おまけに。
なんだかケッサクな車掌だったわ。長女と大笑い。
とアホな話はさておき・・・。
北駅で降りて、中央駅方面に歩きながら、
フリーメーソンの寺、王立美術アカデミー、ノートル・ダム・ド・シャペル教会、プチ・サブロン公園、エグモン宮、王立美術館、アルベルティン公園、と回り、証券取引所近くの古本屋で古本発掘をしたあと、中国人商店街でちょっと買い物をして、帰宅夜8時。
よく歩いたわ。
フリーメーソンの寺、こういう機会でもないとなかなか入れないから、けっこうの人出でした。
建物の中は、大・中・小とみっつの寺に分かれていて、あと博物館がひとつ。
たいへん豪華。装飾はエジプト風。
シャンポリオンがロゼッタ石を解読したりいろいろで、エジプトの影響が大きかったときがあったらしい。
それとシンボルがたくさん。
おなじみのコンパスと定規、三角形の中の目、Gの文字、などなど。
美術アカデミーではベルギー2代目の王様、レオポルド2世の頃の装飾に関するエクスポジションをやっていました。
この頃のベルギーは植民地としていわゆるベルギー領コンゴを所有、たいへん豊かだったのです。
そのため、いろんな芸術家が集まったし、アール・ヌーヴォーといった芸術運動の中心地だったのでした。
ノートル・ダム・ド・シャペル教会には、ブリューゲルが妻とともに眠っています。
この反骨精神とグロテスクなまでにユーモア精神に満ちた画家、とても好きだわ。
ブリューゲルの息子が父親に捧げるために描かせた絵も飾られています。
プチ・サブロン公園はとても美しく整えられた、宝石みたいな小さな公園で、都市の豊かさのモトになった職人たちの銅像に囲まれています。
その奥にあるのがエグモン宮。
エグモン伯爵はベートーヴェンの作曲したエグモンドやゲーテの書いたエグモンドのモデル。
スペインのフィリップ2世の時代に、このあたりを統治していた残虐なアルバ公爵に対する反逆のかどで、オルヌ伯爵とともに死刑になったジェントルマン。
これがきっかけでスペイン統治からオーストリア大公国統治へと移っていくんだけど、そういう英雄です。
で、エグモン宮は政府の持ち物で、普通は要人の接待等に使われ、公開されないので是非この機会に中を見ようと張り切っていたのだけど、同じ考えの人間は山ほどいるのね、すごい列だったのでうんざり、ガラス越しにちょびっと覗いただけで退散。
王立美術館はいろんな機会によく訪ねるので、今回は売店によったのみ。
そろそろ疲れてきていろんなことがめんどくさくなってきてしまった・・・。
それから、王立図書館のあるアルベルティン、芸術の丘を降りてグラン・プラスの方へ向かったのだけど、芸術の丘ではその広いスペースが、装飾された実物大の馬の像でいっぱい。
horse paradeというエクスポジション。
これがすごくよかった。馬ってみんな好きなのね、
オトナもコドモも大喜び。
http://
このアドレスだけだと、展示されていたその風景がつかみにくいと思うので、この日記を書いてアップしたあと、どこかわかりやすいページがないか、調べてみます。
この展示は知らなかったので、わたしたちもにもサープライズ、トクした気持ちになりました。
証券取引所にはロダンの彫刻とかあるんだけど、案内は日曜のみだったので断念して、そのおあたりの古本屋、中国人商店で買い物して中央駅へ・・・。
という半日でした。
最後まで読んでくださった皆さん、ありがとう&ご苦労様。
今ちょこっと調べたら、馬の像は全部で175体、馬の姿はシタのアドレスをクリック
http://
この展示、最初はブリュッセルの独立50周年記念公園でやっていたらしくて、下のアドレスをクリックすると、製作中のアーティストのひとりへのインタビューと、バックアップしていた政党MR(改革運動党)の党首へのインタビューが見れます。
背景は独立50周年記念公園の一部。
ヴィデオのインタビューの背景に見えるのが、レオポルド2世の時代の宝物収納倉庫の一部。(この王様、宝物収納倉庫をブリュッセル市内に5つ持っていたのだけど、そのうち2つがこの公園にあったのです。)
http://
この展示、広々しすぎていて、その風景を楽しめるサイトはないみたい。残念。
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