1666年のお約束 2020年に適用できる?

Covid-19の第2波の中、再びHORECA(レストランやカフェ)が今日からひと月閉めることを強制されます。

夜間の外出も禁止。

HORECAに携わる人たちのショックや怒りも大きいのですが、学校や家庭生活の禁止ができない中、それしかない、という状況のようです。

今も私なんかがもらっている政府の補償、HORECAの人たちには、扶養家族がいる場合ひと月3228ユーロ、いない場合2584ユーロ、と、倍額が支払われることになりました。

これは連邦政府の補償。

これ以外に近いうちブリュッセル首都圏政府のイベント関係、観光関係、文化関係への援助が、3000~9000ユーロの範囲で行われることが、9月中旬に決まっています。

 

もうひとつの大きなニュースは、フランスのリセの地理の先生(追記・その後のニュースでは歴史の先生と言ってたんで、おそらく歴史の先生が正しい)が殺された事件。

これについては、私はまだ自分で何か書き留めておくほど消化できないくらいショック…。

 

 

 

そんな中、昨日のニュースで「おもしろーい」と思った話があったので、それを記しておこうと思いました。

 

毎週日曜日の昼のニュースで、フランダースのニュースをいくつか紹介するコーナーがあることは以前ここに記しました。

このコーナーで知った話。

 

イギリスの国王チャールズ2世が1666年に発効した文書、Brexit交渉の中、フランダースの漁船がイギリス海域での漁に関してうまくいかなかった場合、これを持ち出すことになるかも、という話。

なんといっても、漁の半分は英海域で行われているそうなので、交渉がうまくいかなかったら、漁業従事者にはタイヘンなことになりますから。

この古文書によると、チャールズ2世は英海域におけるブルージュの船の漁を恒久的に認めています。

なんでも、2017年に行われた交渉の時にも、この文書が持ち出されたとか。

www.vrt.be

大陸で亡命生活を送ったチャールズ2世、ブルージュにも暮らしたことがあり、フランダースをとても気に入っていたのだそう。

そういえばブルージュのHoogstraatにある建物、今はホテルになっていますが、ここが彼の宮殿だったんじゃなかったかな。

建物に貼り付けてあるプレートにそう記してあったような記憶が…。

 

 

 

もうひとつ、このドキュメンタリーもおもしろかったので貼り付けておこう。

 

フェルメールの絵の分析かと思いきや、そこに描かれた帽子から見た、当時のヨーロッパの経済活動や植民地政策の話でした。

とても興味深かった。

 

www.arte.tv

この絵です。

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当時の世界の経済活動の中心だったオランダ。

プロテスタントの彼らは宗教画も描かせません。

で、裕福な男たちは帽子や衣類にお金をかけるんですが、この絵に描かれているような金持ちの帽子はビーバーの毛のフェルトで作られているんだそうです。

(この男性の服も高価そう、袖口にはレースがたっぷり使ってありますし)

冷たい水の中で暮らすビーバーの毛皮は、保温と耐水性に優れ、ものすごく高価なものだったんだそうです。

(お金のない人の帽子は、ウサギの毛で作ったものだった、と)

 

欧州のビーバーは、それゆえに乱獲され絶滅状態。

それで商人たちは北米でビーバーを確保しようとしました。

今のNYのマンハッタンは当初ニューアムステルダムと呼ばれていましたが、それはオランダ人が先住民から二束三文で買い取った土地でした。

先住民には土地を所有するという概念がなく、単なる通行料という発想しかなかったから。

オランダ人たちは、ビーバーをゲットして欧州に運ぶのが一番の目的だったんだそうです。

そのうち、フランス人たちがカナダのケベックへ進出し、現地での先住民同志での戦争まで引き起こします。

 

80分近いドキュメンタリーで、もっといろいろ語られました。

17世紀のグローバリゼーションの話でした。

 

ちなみに私のウサギの帽子。

このウサギちゃんが、この帽子のために殺されたのでなければいいのだが…。

 

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