勝利の日

今日はベルギーの第2次大戦勝利の日。

 

だいたいフリーランスで仕事していると、平日もウィークエンドも祭日も関係なく、特に今は籠っているしでますますわからない、それで、今日は祭日だったっけ?と調べてみた。

 

1945年5月8日23時01分に、連合軍が公式に勝利を宣言。

でも、それぞれの国が異なる日に戦争を終えていて、ベルギーについて言えば、1944年の9月・10月に解放されたけど、12月にまたアルデンヌにドイツ軍がアントワープ攻略を目的に米軍を攻撃してきた、いわゆるバルジの戦いが終わる1945年1月に終戦

 

長いことこの日は学校と役所のお休みの日だったけど、1983年に祭日を1日減らすことになり、影響少ないし、というんでこの日がお休みでなくなったのだそう。

 

なるほど、何でも調べてみるものだな、と思いました。

 

ちなみに、第1次大戦終結の日である11月11日は祭日です。

(1918年11月11日11時に公式に終戦宣言がなされた。)

 

parismatch.be

 

5月ってけっこうお休みが多い月なんですが、今日は祭日でないと判明、メーデーの後はイエスさま昇天の日とペンテコステの月曜日(今年はそれぞれ13日、24日)がお休みです。

 

 

 

今日FBで拾った画像、おもしろいな、と思いました。

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ロベールの辞書に新しく入れられた言葉のうち、その年を象徴するような言葉をそれぞれふたつずつ選んである。

私が生まれた年のふたつは、スプートニクとスクープ。

小学校の時、各教室にTVが置かれるようになり、そのTVでアポロの月面着陸を見たことなんか思い出したり...。

 

 

 

週に少なくとも2回くらいはいっぱい歩こうと決め、木曜日は午後から雨になるというんで、朝のうちにグランプラスあたりまで徒歩で往復してきました。

ついでにフォトを撮ったりもしたのでアップします。

 

8日からカフェ・レストランはテラスでの営業ができるので、この日はもうあちこちで準備をしてました。

 

 

 

5月に入ってレインボー月間、あちこちに虹の旗も飾られていました。

今年のプライドはオンラインで22日に行われます。

 

www.brussels.be

 

 

グランプラスは平日の午前中ということで、ほとんど人はいませんでしたが、今日土曜日の午後から天気が良くなりはじめ、日曜日は夏のような陽気になるらしいから、テラスも開くことだし、賑わうことでしょう。

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今日も少しブリュッセルの歴史的エピソードを紹介しちゃおう。

 

グランプラスから小便小僧のいるところに入ったところに、昔 à la ville de Courtrait ア・ラ・ヴィル・ドゥ・クルトレというホテルがあって、1873年7月、そこにヴェルレーヌが彼の母親と泊っていた。

そこにイギリスでけんか別れして放ってきたランボーがやってきた。

またケンカになり、ヴェルレーヌがピストルで2発発砲。

最初の1発がランボーの手に当たっちゃった(確か左手だったと思う)。

この日の朝、ヴェルレーヌはピストルをゲットしてます。

買った場所は、何回か私がここにフォトをのっけた美しいアーケード街ギャレリー・ロワイヤル・サンチュベールの、今は Le pain quotidien というパン屋さんの場所にあった武器屋さん。

LPQ Belgium - All day bakery and restaurant

その後やはりギャレリーにあるカフェでアブサンを飲んでホテルの部屋に戻ったそうです。

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この事件、ブリュッセルで裁判が行われたので、当時の資料はブリュッセルの王立図書館にあります。

懲役2年の実刑判決で、ヴェルレーヌはモンスの刑務所で2年服役してます。

おもしろいと思ったのが、彼の出所後、裁判に関わった人々が彼を講師に招き文学講演会を催した、という話。

 

ベルギーは近代BD(こちらのマンガ)発祥の地、それでBDの主人公たちの壁画がいっぱいあります。

小便小僧のそばにもいくつかあり、唯一コピーライトにうるさいHergéエルジェのタンタンは避け、

(万が一、こういうブログに載せて見つかったらタイヘンですもんね。エルジェ自身はもうずっと前に亡くなっていて、ご本人さまはコピーライトにうるさくないかもしれないんだけど。)

ダニィさんのを貼り付けておこう。

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www.danybd.com

 

アルデンヌにあるダニィさんちには、何年か前に仕事でお邪魔しました。

パートナーさんが、彼のBDに登場するヒロインにそっくりでビックリ。

それを言うと、彼女にはそれが一番の誉め言葉だよ、とおっしゃいました。

 

一番記憶に残っているのが、エジプトだったか、旅行に行ったら彼の作品をちょっとだけ地元用にアレンジした海賊版が出回っていたというエピソード。

コピーライトという点からどう思う?と訊ねたら、「そういうのが出回っているってのがすごく楽しい」と。

オシャレでかっこよくニコニコと優しくて、仕事の思い出の中のベスト10に間違いなく入るわ。

そこでごちそうになったシャンパン、これまで味わった中で一番おいしかったし。

 

 

フォトはこれで最後。

13世紀の城壁の一部です。

14世紀には街がもっと広がり、城壁が新たに作られることになるんですが、

(現在は旧ブリュッセルを囲む自動車道になっている)

まだこうやって残ってます。

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大学の講義、今週文学が終了、美術史も来週で終了。

これから学生たちは籠って試験に備えます。(って、これまでもコロナ禍のせいで籠っていましたが。)

こちらの学生たちは、皆ホントによく勉強します。

自分の学生時代を思うと、よほどオバサンになった今の方が勉強している気さえする。

当時私は、試験になると勉強し、勉強するとおもしろくなるんでやる気が出るものの、試験が終わるとそんな「やる気」なんかまたパッと忘れたような日々が…。

 

9月からどうしようかな、と考え中。

コロナ禍は収まり始めそうな気配とはいえ、私自身は今年はもう仕事はないと覚悟しており、来年もすぐには元通りにはならないだろうし、時間的には問題ないんだけど、オンラインに慣れすぎて、教室に通うってのに抵抗が…。

情けないことです。

講義は、1回こっきりのコンフェランスや王立アカデミーの講義と違って、確かに中身が濃く深いのだけれどねえ…。

 

王立アカデミーといえば、一番最近聴講した講義は「ベルギー憲法の未来」でありました。

新しい国ですから、憲法は当時世界で一番リベラルなものでした。

だからこそいろんな人が亡命もしてきた。

でもこれまで改正はあまり行われておらず、きちんと時代にそくした議論をしなければいけない、という話。

(これまでの改正は、連邦制になったときのものがほとんど。基本的な権利についても具体性に乏しいそう。)

 

講師の憲法学者が「最近はポピュリズム政党の台頭が世界的に激しく、こういう政党の共通した特徴が憲法を変えようとする動きだ」おっしゃっていましたよ。

 

講義はアーレントの言葉で締めくくられました。

 

Un gouvernement constitutionnel est "un gouvernement essentiellement limité, dans son autorité et dans l'usage de sa force, un gouvernement sous contrôle des gouvernés".

Et de préciser qu'"il s'agit de limiter, autant qu'il est possible et autant qu'il est necéssaire, l'espace étatique du gouvernement pour permettre une liberté extérieure à la sienne".

 

ネットの翻訳機で訳したら

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憲法上の政府は、「その権限とその力の使用において、本質的に制限された政府であり、被治者の管理下にある政府」です。 そして、「それは、政府の国家空間を、それ自体の外部の自由を可能にするために、可能な限り、そして必要な限り制限することの問題である」と明記する。

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ヘンな日本語だなあ…。