先週と今週は珍しく忙しかった(って、何もない日々の中では、ってくらいの意味で)のであります。
まず先週の木・金曜日、ほんとに久しぶりに仕事でした。
もう仕事のない日々にあまりにも慣れすぎて、脳みそが「仕事」となると拒絶反応を示すほどになっていて、依頼されたときはいったん「どうぞ他の人に…」と断ったくらい。
でも「ぜひ」と強く頼まれ、それに時間も早朝じゃなかったし、ブリュッセルでの仕事で遠くに行かなくてもいいし、で、「それなら」と結局引き受けたのでした。
資料もできるだけたくさん揃え、できうる範囲での準備はちゃんとやったものの、ずうずうしい私でも前日はちゃんと眠れないくらい緊張しちゃいましたよ。
久々にたくさんの人と知り合い話もして、けっこう楽しく終了できましたが。
いやあ、こんなことを言うとバチがあたりそうですが、もう仕事はあまりしたくないなあ…。
終了後はドッと疲れを感じてしまいました。
仕事となるとほとんど廃人と化してしまった気がする。
フリーランスの私は、社長・秘書・会計・掃除係り、全部兼ねてますから、仕事が入ると事務処理の仕事もついてくるし…。
で、今週は月曜日は必需品の買い出し。
火曜日はモンスの友人が、ブリュッセルに来る用事があるから、とついでに訪ねてきて、そして水曜日は、友人といつものレストランで月1回のランチでした。
約束の時間にはまだ少し早かったので、いつも通り過ぎるだけだったレストラン近くの公園の中をちょいと散歩。
ブナと、
池があります。
池には、「シアノバクテリアが存在するので、絶対に水に触れないこと、犬に飲ませたりしないこと」という看板がありました。
今ここに記そうと思って調べて初めて知りました。
散歩してもまだ時間があったんで、例によって泡を頼み、マンガを読みながら友人を待ちました。
マンガは日本人の友人にもらった吉田秋生の「詩歌川百景」。
吉田秋生のマンガも「バナナフィッシュ」の頃とは全く異なりますが、でも、この作家さんの中心にある核のようなもの、大切に思うもの、そういうのを価値観って言うのかな、それは変わらないよねえ、ブレないよねえ、などと思うのであった。
ランチのスターターとメイン。
リエット・ド・ヴォライユと、やっぱりトリをソーセージみたいにまとめたやつに温野菜とサルデーニャのパスタ、フレーグラが添えてあった。
今月も先月に続きランチタイムがちゃんと持つことができて、めでたいねえ、と語り合ったことでした。
再び満ち足りた気持ちで帰宅。
途中で、アッそうだ、と思いつき、うちの近所のレストランの場所を確認。
このレストラン、上述した仕事の1日目終了後、やはりそこで仕事をした男の子と一緒にビールを飲んだ時、彼に教えてもらったところ。
スペインのバルのタパスと同じシステムで、でもそのタパスは今どきのオーガニック食材を使った、味付けも盛り付けもいわゆるヌーヴェル・キュイジンヌってものらしく、とてもいいよ、ってことでした。
ウィークエンドはブランチをやってますが、平日は夜のみ。
近いうちに誰かを誘って行きたいな、と思っているのである。
帰路の空はもう秋の気配でした。
夏らしい夏も来ないまま秋に突入かな?
そして昨日、木曜日は友人宅に自転車をもらいに行ってきました。
もう絶対に乗ることはないから、有効活用してくれる人に譲りたい、とのことだったのです。
これがもらった自転車。
私は人生の中で自分の自転車を所有したことがありません。
小さい時はただ単に貧乏だったので買ってもらえなかったし。
小学生のとき、クラスの男の子たちが、彼らが持ってるセミドロップの自転車で訓練してくれたので乗れるようにはなりました。
自転車を所有したことはないくせに、けっこう自転車で出かけた記憶があるのは何故なんだろう。
いつも誰かのを貸してもらってたんでしょうね。
あ、でもメキシコにいた頃は乗った記憶がいっさいない。
一番キョーレツな自転車にまつわる思い出は、金沢で暮らした大学生のころ。
同じ下宿には、私以外に美大の彫刻科の子が一人(今でも仲良しでコロナ禍以前は毎年こちらに遊びに来てくれていた)と、日本画科の子が一人住んでいて、私はいつも前者の子の自転車を借りては大学に通ったりしていたのですが、夏休みだったか、故郷の従妹が遊びに来て、街を案内するのに自転車が2台必要になったんです。
で、乗りやすい前者の子の自転車を従妹のために借り、後者の子の自転車を私が借りたのであります。
兼六園横をひゅーんと広坂の方に降りる際、前方に人だかりを確認してそれを避けようとした私は、やはり前方にあった電信柱を支えるためにうんと自分の近くまで伸びたワイヤーに気づかず、そこにひっかかっちゃった。
ウォーンとゆっくり(決してゆっくりではなかったと思うが、ここから脳内ではスローモーション)側溝の方に自分だけ(自転車はワイヤーに引っかかってるので安定)落っこちそうになった。
側溝には水はなく、底は石。私の背の高さ(150cm)より深かったと思う。
頭を打ったら危ないと、側溝の向こう側の塀にエイッと摑まったのはいいんだけど、なんとそのとき、ジーパンの裾が自転車の荷台にひっかかり、側溝のこっちの塀とあっちの塀をつなぐ橋状態に…。
(側溝の幅が、私の身長+腕を伸ばした長さとほぼ同じだったと思われる。)
あの頃はブカブカの大きいサイズのジーパンをベルトで締め、裾を曲げてはいてたんです。
それがかっこいいと思ってた。苦笑
その曲げた裾が引っ掛かったんです。カッコ悪すぎ。
ああ、今これを書きながら思い出したけど、あのときは映画「アニー・ホール」のダイアン・キートンがかっこよかったんで真似してた頃で、白いTシャツの上にサーモン・ピンクのチョッキを着てたんだった。笑笑笑
通りがかりのガイジンさんが、「ダイジョーブデスカ、ケガアリマセンカ」とズボンのすそを荷台から外してくれたので、側溝にスタっと降り立てた私、そのガイジンさんが貸してくれた手をとり、無傷で生還したのである。
従妹はその全ての間、キョーフで真っ青になってたそうです。
トータルして2分か3分くらいの出来事だったと思うけど、もっと長ーい印象(なんといっても脳内はスローモーション・モードですから)でした。
彼女は後で、「ひろこねえちゃんといいると、毎回マンガの中でしかありえないようなことが起こるね」と笑いこけていましたが。
ま、そういうわけで私はドンクサイので、自転車は次女くんにあげることにします。
その方が有効活用、自転車も喜ぶし、譲ってくれた友人も喜ぶ。
オシマイ。