今日は曇り、雨が降らないだけマシだけど、気温も15℃くらいしかない。
忘れないうちに、一昨日観た甥っ子が作ったドキュメンタリーのことを書いておこうと思う。
その前日の展覧会オープニングには、隣のコミューンなのに徒歩で30分かからなかったけど、映画館は同じコミューンだけどうちからはもっと遠くて、歩くと1時間近くかかりそうだったんで途中トラムに乗りました。
昔の兵舎だったところで、けっこう広い敷地にある建物は、映画館だけではなく、カフェやアーティストたちのアトリエなどとして使われています。
うちの子供たちも仲間たちと来ていて、ものすごく久しぶりに従妹(モト夫の従妹なので、正確にはもう私の従妹ではないのだが)にも会い、なんだか楽しかった。
ひきこもり生活も快適だけど、人と会うのも悪くないです。
特に子供たちとその仲間、みなかわいくて、オバサンは「幸せ」を感じてしまった。
会場はこんな感じのところ。
トイレの表示がかわいかった。
久々の映画館でした。
上映前に監督である甥っ子たちがあいさつ。
ピンボケですが、真ん中が監督のフロリアン。
コロナ禍対策で、座席は間を空けないといけないんだけど、その中でけっこう広い会場は満員御礼状況でした。
この作品は、作る前からその構想は聞いていました。
フロリアンはよくアフリカに出かけていたのですが、日本でも一昔前に流行ったプラスティックのサンダル、スタチューまで立っているところがあり、そういう国におけるサンダルの関りにとても関心を持っていろいろ調べたんです。
そうやってできたドキュメンタリーです。
半分以上はその歴史でした。
金属でできた型にプラスティックを流し込んで作る、その技術の話、そしてBATAという靴の会社が、生産カンタン、手入れカンタン、コストも安い、っていうんで作っていた。
これが考案された当初は、貧しい国々の貧しい人々のためだったのが、先進国の中産階級の人々の間でものすごく流行った。
でもまあ、他の例にもれず、時が経つとこの先進国の人々はもう飽きてしまうんです。
そこからが全然想像もしていなかったんで、おおおっと思ってしまいました。
儲かるとなると類似品を生産するところも出てくるわけですが、イタリアのそういった会社から金属の型が切断されて、当時独立戦争の真っただ中であるエリトリアの独立軍に渡り、そこでまた組み立てられ、兵士たちのためにそのサンダルが地下で生産されることとなったのです。
30年に渡る戦争を経て独立を勝ち取るわけですが、彼らにとってこのサンダルは独立の象徴でもある。
だからスタチューが立ってるんですねえ。
私たちが海水浴なんかに使っていたサンダルが、兵士たちの足を守るために使われていたとは…。なんだかグッときた。
今でもダカールでこのサンダルは生産されています。
生産者がインタビューで、
oui, ça marche bien.
ça ne marche pas très bien mais ça marche.
(うん、うまくいってる、とてもうまくいってるわけじゃないけど、うまくいってる)
と答えてました。
訳すると何も可笑しくないけど、まんま聞くと可笑しくて、みんなが笑っちゃうシーンです。
うちに戻ってからエリトリアについて知らべてみたりしちゃいました。
まだまだ問題だらけっぽいですが、そんな中でもサンダルは彼らの誇りです。
このドキュメンタリーは、9月11日の夜、RTBFで放送されるそうです。
それにしても、「もう落第は許さないぞ」と父親から叱られていた彼が、作品の中ではロラン・バルトまで引用しちゃったりして…、オバサンは嬉しくてたまりません。
鑑賞後子供たちの仲間のフォトなど。
一番右がレオくん、3番目が次女くん、他の4人も同じうちに暮らす仲間です。
真ん中の子がギニアから難民として逃れてきた子。
まだ13歳くらいの頃から、反体制ということで牢獄に入れられたり、タイヘンな目に遭ってきた子です。
左から2番目の子は、数年前に難民の人たちが一挙に欧州に押し寄せていた頃、彼らのうちでエチオピアからの子をあずかった時、英国へ向かう彼らに自分のコートをあげちゃった子。
冬の寒い時期でしたから。
自分だってそれしかもってなかったのに。
一番左はモーリシャスの子です。
彼のガールフレンドの親が大家さんだった、ってのがこの家をシェアするきっかけでした。
若者たちの笑顔を見ると、可愛らしくて可愛らしくて、心から幸福感が湧いてくるメデタイおばさんであります。
8月ももう終わっちゃいますね。
年中バカンスのくせに、9月に入ったらなんとなく気が急いて落ち着かなくなるんだろうなあ…、この夏は全然絵を描いたりする気持ちになれなかったなあ、アニメばかり観てたなあ、模様替えしたいなあ、でももう9月だしなあ…、などなど全く役に立たないことが脳内ぐるぐる状態であります。