土曜日と日曜日は文化遺産の日で、予約しておいた場所をいくつかまわってきたので、忘れないようにメモしておきます。
一日目、とても良いお天気でした。
天気よすぎて、光の関係でほとんどフォトは撮れませんでした。
この日は午前中に1か所予約したのみ。
ずっと怠惰な生活を送っていたので、いっぺんに無理しないでおこうと思ったわけです。
でも、出かけてみたら楽しくて、もう1か所くらい予約しておけばよかった、と、ちょっと後悔。
中を案内してもらったのはここ ↓ です。
ロイヤル・ゴーロワ・クラブ。
中に入るのは初めてじゃありませんでした。
このクラブの建物は、もともとはシャルル・ドゥ・ロレーヌが18世紀に建てたもので、ブリュッセル公園の中にあります。
この建物の後ろにある Vaux-Hall ↓ の修復が終わった時、
(18世紀に作られたハイソな人々の社交の場、大戦後放ったらかしになっていた)
王立アカデミー主催で、その修復を担当した建築家による講演がここで行われました。
その講演に招待されたんでホイホイ喜んで行ったんです。
招待状には「普段着でどうぞ」と記してあり、「なんでわざわざ?」とちょっと気になりつつも出かけたら、そこに来ているのは一目で超ハイソな人たちとわかる人々がほとんど、「えっ、これが普段着?!」と、自分はホントの(?)普段着だったので少しばかり居心地が悪かったのであります。
その後、やはり文化遺産の日に一度公開されたので見に行きましたから、今回で3度目。(もう行かないと思う)
このクラブのメンバーではないけどここで雇われている、という人が案内してくれました。
ときどき展覧会もやるそうで、
(って、仲間内だけでやるんだと思う)
入ってすぐのサロンには、ベルギー人画家 ジャン=ジャック・ガヤール Jean Jacques Gaillard の油絵の作品が展示してありました。↓ こういう作品の人。
https://www.invaluable.com/artist/gaillard-jean-jacques-uzcqd0p1hl/
コクトー本人を目の前にしてデッサンしたものなどもありました。
ダンスホールやバーに食堂(メンバーはここで毎日でもランチを取ることができる。3コースで28ユーロ、テラスで取ると40ユーロだそう、案外安いけど会費払ってるしね)、イヴェントに使われるサロン、などなどがあります。
ヴェネチアガラスを使ったシャンデリアがいっぱいありました。
このクラブ、ビジネスを目的としたものでなく、あくまでも文学・芸術を楽しむもので、現在はメンバーが1300人足らず。
半分以上は弁護士だそうですが、アーティストも80数名、あとはベルギー在の大使たちも含まれるそう。
メンバーになるには、メンバー3人の推薦と、その経歴に問題ないか厳しく調査がされます。
そのせいか、政治家はいないらしい。(笑)
女性が一人もいない、全員男性のクラブ。
創設当時から女性が入れないとはどこにも記されていないので(記す必要もないくらい当然のことだったんでしょうね)、わずかながら女性がいたこともあるそうですが、1990年代にメンバーだった女性アーティストが亡くなって以来また男だけ。
メンバーの妻たちを、と考えたこともあったそうですが、その女性たち本人が「入りたくない」って言ったそうです。なんか、可笑しい。
(「女性だけ」と、こちらは謳っているモンゴメリというクラブも存在している)
ものすごく保守的な印象なんで、メンバーの平均年齢って高いのか、と思いきや、53歳だそう。
週末だし、天気はいいし、文化遺産の日だし、というんで、なにげにお祭り気分の街はとても賑わっていました。
うちの長女が友人と街角でアコーディオンを演奏する、というんで午後は旧市街に。
あっちこっちで、若者たちが音楽を奏でたり大道芸を披露したり、まるでまだ夏休みの真っ最中という雰囲気。
すごく楽しかったです。
これ ↓ は、私たちがカフェのテラスでワインを飲んでいたとき、目の前でJazzを演奏していた3人組。
男の子が弾いてるギターがものすごく小さい。
ウクレレの兄ちゃんでギターの弟です、みたいな。
今のブリュッセルのコミューンは市長が社会党、社会党+エコロ党で連立多数派です。
こちらは市長のすぐ下にエシュヴァン(女性だとエシュヴィンヌ)という役職があり、日本語に訳すと助役になるらしいんだけど、各セクションごとにこのエシュヴァンってのがいるんで、助役がいっぱいいることになります。
現在の文化・イヴェントとそのロジスティックを担当するのが、まだ35歳の女性助役。
先日の仕事でお話をする機会がありましたが、とても感じのいい方でした。
この街角の若いアーティストたち、コロナ禍では最も苦しんだのがこの子たちですもんね、市の文化担当の彼女がこの企画では頑張ったんじゃないかな、と思いました。
向かって右からふたりがうちの娘たち(次女と長女)、そしてその友だち。
この子たちの笑顔を見るだけで、オバサンは幸せになる。
2日目は午前中はガイドの案内で街を1時間半の散歩。
劇場、カフェ、映画館などなど、今年の文化遺産の日のテーマである≪ミーテイング・ポイント≫めぐりです。
この日はノーカーディなので、公共の交通機関は全て無料。
自転車やローラースケートやスケートボードなどで人が繰り出すので、歩いているとそれなりに危険だったり。笑
散歩はモネ劇場前集合でした。
ジャズのホールやロックカフェ、などなど。
午後はCINEMATEKとBNP Paribas Fortis銀行の建物内見学。
前者はガイドツアーではなく、その創設者ジャック・ルドゥ Jacques Ledoux の生誕100年記念のエクスポジションを見ました。
ここは、ボザール宮の一部です。
展示物には説明が何もつけてなかったので少しわかりにくかったけど、ジャック・ルドゥが中心になって行っていた実験映画フェスのポスターを、いつもアレシャンスキーが制作していたことくらいはわかった。
きっと仲良しだったのね。www.cinematek.be
最後に見学した銀行はフォト撮影禁止でした。
やはりここも、建物はシャルルドゥロレーヌの頃に作られたものがモト、銀行になったのはナポレオン失脚後統治したオランダのギヨーム1世の頃。
ベルギー独立後今に至りますが、世界の経済状況によっていろいろな変遷はあります。
リーマンショックでFortisがつぶれそうになり、私なんかも含めてベルギー市民は皆怯えましたが、結局BNP Paribasに吸収されることで何とか危機回避…。
私が暮らし始めた頃は、Fortis銀行ではなくジェネラルバンクという名前だったし。
25年か30年くらい前だったか、いろんな銀行が合併して名前が変わった時期がありましたよね。
こういったプライヴェートの銀行は、以前は超金持ちブルジョアや貴族たち以外は縁がなかったわけだけど、そうしているうちにナショナルバンクが誕生、当時はその思想に共鳴したヴィクトル・ユーゴーなどもその大株主のひとりだったわけですが、現代でいうなら、クラウドファンディングとかミクロバンクという発想だったのかも…、なんて考えました。
新しい発想で生まれた事業も、時とともに性格を変えていき、そしてまた新しいものが必要とされていく、ということかなあ、と。
おもしろいですね。
さて、昨日月曜日から大学の講義もスタート。
さっそく行ってきたんですが…。
到着するとセミナー用のちっちゃな教室、ええええっそんなはずは…と思いました。
はい、登録手続きの際、講義のコードの末尾 B100 を間違って D100 と記しちゃってたんです。
一応講義の半分を聴いたところで5分の休憩がとられたので、先生のもとにひゅーんと飛んでいき、コード間違いました!と訴える羽目に…。
救いは、私を含めて年寄りが3人いたこと、しかも私以外にもう一人のムシューが同じ間違いをしていたこと、でありました。(みんなで渡れば怖くない、みたいな?!)
それにしても、3分の2の確率で、ちゃんと(?)老人らしいってのが可笑しい。
さっそくオフィスにメールして、B100に変更してもらいました。
こちら木曜日の午前8時です。
木曜日はかなり早起きしないといけない…、これはこれで苛酷であります。
生活のリズム改善にはいいかもしれないけど、これからどんどん暗くなりますしねえ。
今日は18時から講義、終わって帰宅する頃はもう暗くなってますわ。
仕方ないけど。
ということで、長くなったんでここでオシマイ。