ゲイシャって・・・ 

10月も半分過ぎちゃいましたね。

どんどん日が短くなっていますが、月末に時計の針を1時間戻したら、夕暮れが更に1時間早まり暗い冬に突入です。

天気のいい日の夕暮れの空の美しさだけが心の救い、という日々に…。

 

 

今のところ私の日々の生活は、週3回の大学の講義を基準にリズムが決まっています。

自由大学までは、うちから徒歩+トラムで30分ちょっとかかるんですが、途中トラムにトラブルがあった場合はそこから歩いても間に合うように、いつも余裕をもって出かけます。

(実際、火曜日夕方の美術史概論の講義、これまで4回のうち2回はトラムのトラブルで動けなくなり、ぎりぎりで間に合う事態になった。)

講義の途中で入室したりすると目立ちますから、それは避けたい、という理由です。

(って、それだけが理由? 笑)

 

そういうわけで毎回ちょっと時間があるので、スマホでフォトを撮ったり。

 

昨日金曜日は10時から12時まで仏語史の講義。

前回記したように、この講義は古い校舎Aの教室を使います。

講義が始まるまで少し時間があるし、いつものように、何かおもしろいものないかな、と少しうろついていたんですが、そのとき窓の上に彫られている文字を読みました。

 

ラテン語で、≪科学は闇を打ち負かす≫と書いてありました。

(私はラテン語は読めませんが、これくらいだったらほぼそのまま仏語や西語なのでわかります。)

おお!と思ったのでフォトを。

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そういえば、私が生まれ育った国では、学術会議に政府がちょっかいだしましたよね。

ベルギーに喩えるなら、王立アカデミーのメンバー選考に政府がいちゃもんつけるようなもの、これは絶対にありえない。

そういえば、4年くらい前かな、アカデミーで司法に関わる弁護士や判事たちによるパネルディスカッションが行われたので聴きに行ったんですが、当時の法務相も呼ばれていて、予算のことでガンガン批判されてました。

その時はその大臣が遅れてきたんで開始も少し遅れたんです。

私は心の中で、「こうなることがわかってたんで足が重かったのかな?」なんて思っちゃいましたよ。笑

 

 

さて、今日の記事のタイトル、ゲイシャの件。

昨日の仏語史の講義もとてもおもしろかったんですが、最初に学生から前回の講義に関する質問がありました。

「話し手が男性であるか女性であるかによって、フランス語はランガージュが変化する言語ではない、というが、女の子がそういう言葉を使うなんて、といった非難をされることがあるがそれは性差があるということではないのか?」

という質問でした。

先生の答えは、「単語一つを取ってランガージュとはみなし得ない」でありました。

さらに続けて、例えば日本語は話し手の性によってそのランガージュが変化する言語です、と。

そこまではよかったんだけど、そこから「以前出会った日本人によると、ゲイシャの使うランガージュは男性のものとは異なる」って…。

私はもうビックリしました。

いまどきゲイシャのランガージュ≒日本女性のランガージュって何?と。

さすがに我慢できず、目立たない作戦の私なのに挙手してしまった。

そして「確かに日本語は話し手の性によってランガージュが変化しますが、ゲイシャっていうのはよい例だとは思えません」と発言してしまいました。

私はこれまで60年以上生きてきましたが、ドラマやアニメや映画といったフィクション以外で芸者さんに会ったことないし、その話ことばを実際に聞いたことがありません。

もしゲイシャ言葉があるとしたら、それってジェンダーによる差というよりプロフェッションによる差のカテゴリーに入りません?

「私がその話を聞いたのは、もう30年くらい昔の話で、アクチュアルな例としては適当ではなかったですね」との返答でした。

それでも私には不十分な返答。

それに、先生にそういう例で日本語の説明をした人って誰よ!とも思います。

ちゃんとうまいこと考えをまとめてから(私は頭がよくないし考えるのにそれなりの時間が必要)先生にメールしようかな、と思っています。

それにしても、日本についてフジヤマゲイシャみたいなクリシェがまだ存在しているなんて、これは昨日の最大のショックでありました。

 

あ、彼女、とてもいい先生なんですよ。

過去にアフガニスタンでフランス語の教育に関わったことがある、とおっしゃっていました。

他にも数か国での生活の体験があり、好奇心いっぱいの方だし、自分の学問へのパッションも感じられる。

(だからよけいにゲイシャってのはショックだったのだが…)

 

昨日の講義では、diglossie ディグロシーという言葉を新しく覚えました。

これって日本語ではなんというんだろ、とWikiってみると、ダイグロシアと紹介されていました。

日本語の説明を読むと、昨日教わったことと異なることは書かれていないので貼り付けておきます。

ja.wikipedia.org

↑ で言及されてるHformとLformですが、HはHigh LはLow のことだと思います。

 

ダイグロシアとバイリンガルの関係も社会によってさまざまで、コスモポリタンな社会では、ダイグロシアなしのバイリンガルあるいはマルチリンガル(そこに住む人はバイリンガルである必要がない、公用語のひとつでもわかれば生活ができる)な場所で、ブリュッセルはそのよい例です。

もしかしたら最も進化したらこうなるのかな、いい街だな、とまたまた思っちゃった。

 

昨日は講義の後、月に1回の友人とのランチだったんですが、もうゲイシャ話をしたくて喋りまくったんで、料理のフォトを撮るのをすっかり忘れてました。

昨日もすごくおいしかったのに、きれいさっぱり食べ終えてから、ありゃ、忘れちゃった、と。

 

 

昨日はメルケルさんがブリュッセルに来ていて、ラーケン宮で王様たちとランチ、勲章を受け、午後はエグモン宮で首相たちとセレモニーでした。

www.rtbf.be

 

 

ゲントの聖バーフ大聖堂にある神秘の仔羊、ファンエイク兄弟の兄がスタートしたものの、後は弟のヤンが仕上げたと言われているんですが、兄フーベルトによる筆の跡が確認されたそう、それにさらに第3の画家の存在も…。

いやはや研究結果もどんどん進化しますねえ。

ワクワクドキドキです。

www.rtbf.be

この祭壇画、開いた時の向かって左のパネル、マリア様の横でコーラスする天使たち、8人いる天使のその表情で、4部合唱をしているのがわかる、と教わったことがあります。

それを思い出しながら、あれっと思ったこと一つ。

モノフォニーからポリフォニーへと進化するわけだけど、しばらく前にポリフォニーを生み出したのがローランドゥラススだと知ったかぶりして記しましたが、この方16世紀の方、神秘の仔羊は1432年に完成してますから、天使が4部合唱してる、あるいは、ドゥラススがポリフォニーを生み出した、そのどちらかが間違ってるじゃん、と思ったわけです。

はい、当然ながら私の知ったかぶりが間違いだったみたい。苦笑

ポリフォニーはすでに存在していたようです。

デゥラススが生み出したのは混声合唱だったっけ?

ちょいと調べないと…。

 

 

ベルギー人歌手のストロマエ、精神的に参っていたかで数年活動していなかったんですが、今度新しいアルバムを出すというのが最近の話題のひとつです。

昨日は夕方のニュースで、Youtubeに公式ビデオがアップされたと言ってたんで、早速探しました。

 

それを貼り付けて今日はおしまいにします。

昨夜観たときはビデオがアップされて2時間後で、16万の人がすでに視聴してました。

今見たらもう160万のひとが視聴してる。

やはり、彼はすごい人気ものね。

 

www.youtube.com