毎年12月、年に1回のガン専門医とのアポで、金曜日は早起きしてモンスに行ってきました。
私にとっては1年の終わりを告げるイヴェントです。
この日はけっこう冷たい日で、風と雨のイヤなお天気でしたが、医者の用事が終わった後はミュージアムをふたつ回り、その後は友人とカフェでおしゃべり、楽しい1日でありました。
まず訪ねたのがモンスの美術館BAⅯです。
フェルナンド・ボテロ展をやっていたので。
アートって形を変えること、真にリアリストの作品なんて存在しない、と。
充実したよいエクスポジションだったと思います。
ラテン・アメリカの人らしい色使いも好きだったです。
キャンバスに鉛筆と水彩のこの作品 ↓ 真似してみようと思っちゃった。
この美術館はグランプラスのすぐ傍にあります。
歴史的な地区なんで、この建物の大きな窓からこういう風に見えるように作ってある。
天気が悪かったのもよくわかりますね。
BAMの後はMundaneumへ。
このミュージアムは、もともとアンリ・ラ=フォンテーヌという弁護士とポール・オトレという公証人の、「紙上に書かれた世界中のもの」コレクションを保管するところでした。
常設のアーカイヴの他に、現在「プロパガンダに抵抗する」というテーマの特設展をやっていて、月に1回一緒にランチをする友人のおススメだったのです。
建物の内部はこんな感じ。
戦争になると敵国のトップを悪役として描く大衆向けのものが出回る、というところで、日本の大政翼賛会が発行したマンガの表紙が展示してありました。
私はこういう刊行物があったことすら知りませんでした。
私がモンスに住んでいた頃は、Mundaneumは入場無料でしたが、今は有料。
もう亡くなったフランスの哲学者ミシェル・セールの講演会もここで行われ、講演後の著作の販売は私の大好きなアンドレ・レト書店のレトさんがやったんだった。
そのときはミシェル・セールともちょいとお話できたりで、モンスにいた頃のよい思い出の一つです。
私はミュージアム・パスを持ってるんで、訪ねたミュージアムはふたつともフリーでありました。
このパスはほんとにありがたい。
Mundaneumの受付には、雑誌のモデルさんのようなオシャレな若いイケメンくんがふたりいて、なんで?客寄せ?なんて思っちゃった。笑
8月にブリュッセルに来たついでにうちに立ち寄ってくれた友人に「今モンスにいるよ」と連絡したら、仕事を早めに終えて飛んできてくれたんで、グランプラスにあるカフェでおしゃべり。
楽しかった。
朝から何も食べてなかったんで、私は軽く食事もしたんですが、安い!
やはりブリュッセルと比べると何でも安いんで、毎回ちょっとビックリです。
ベルギーに暮らし始めて何回も引越ししましたが、いつもモンス近辺だったんで、なんだか故郷に戻ってきました、みたいな懐かしい気持ちになりました。
ブリュッセルに戻ると、雨は霙になっていました。
トラムを待つルイーズの電停、16時30分ころ。
霙のたびに、脳内では宮沢賢治の「永訣の朝」が甦るのである。
アメユジュトテチテケンジャ
あ、そういえば最近ちょっと見始めすぐに見止めた日本のアニメで、高校の国語の授業のシーンがあり、先生がこの詩の「アメユジュ」を「雨と雪」と説明していて、「え?私はアメユジュ=アメユキ=霙だと教わったよ」と思っちゃった。
教科書の注釈の位置まで記憶にあるのだが…。
記憶違い?
国語の教科書ってけっこう好きだったなあ…。
真面目な生徒ではありませんでしたが、今でも心に残っている記述がいっぱいあります。
小学生の時の「めもあーる美術館」、中学生のときの大岡信の「純粋について」、高1のときの谷川俊太郎の詩「鳥は空を名づけない、鳥は空を飛ぶだけだ…」などなど。
昨日土曜日は、次女も出店してるというんで、クリスマス・マーケットに行ってきました。
普通のクリスマス・マーケットには特に興味ないんですが、これはスクワットしている建物で行われるものということでおもしろそうだったんで。
LAMB(=La maison de Bruxelles)という、昔託児所だった建物を5年以上も前からスクワットしているアーティストのグループがいて、その主催でした。
スクワットのあり方も様々、建物の持ち主にとっても、完全な空家で放置するよりは都合がよかったりするんです。
占拠されているとなると、固定資産税が免除されたりもするらしい。
Illegalというビールを飲みました。
不法滞在者を応援するビールです。
壁紙の模様やペンキの剥げかけた天井もスクワットらしい。笑
ミュージックのヴィデオを貼り付けてオシマイにしよう。
しばらく前に、メスケレム・メースというシンガーのヴィデオを貼り付けました。
先週の日曜日に長女がコンサートを聴きに行きましたが、「とてもよかった」そうです。
このシンガー、うちの子供たちの友人の友人だと記しましたが、その友人というのがこの3人のユニット、ラス・ジョローナスです。