2021年も終わりを告げようとしている今、今の季節とは思えない暖かさ。
今日・明日の最高気温は15℃前後になるらしいです。
イベリア半島の方からやってきてるお天気らしい。
でも空は灰色。
冷たくてもいいから青空の方が嬉しいのであるが…。
前回のブログに、劇場や映画館といった文化施設は閉めなさい、という政府の規制に対して大きな反発があり、日曜日にはマニフ(=マニフェスタシオン=デモ)が行われる、と書きました。
その後の様子を記しておこうと思います。
↓ の記事のフォトはブリュッセルの芸術の丘です。
ポリスの発表では5000、主催者の発表では15000人が集まった、と。
このようなマニフはブリュッセルだけではなかったので、ほんとに多くの人が集まりました。
市民による政府への非服従の表明です。
Centre Culturel (文化センター)の建物の表示のCulturelの部分にCommercialと書いた布を貼り付けて Centre commercial(ショッピングセンター)に変え、「これなら開けていいんだよね」という抵抗をしているところもありました。
あっちこっちの市長たちや政治家たちも(ブリュッセルの文化相も)市民の不服従を支持(彼らは市民の票をゲットしてなんぼの政治家ですからね)を表明しました。
昨日の夕方には、ベルギーの司法が、この規制は違法である、と発表。
この時点で劇場は速攻で開くことができるとなり、映画館もそれに沿うことになりました。
今朝のラジオで、この司法の発表に関して法律家であるフランソワーズ・トゥルケンスさんが話をされていました。
この方、去年自由大学のコンフェランスでヘイトスピーチについてお話されたのを聴いた時も、すごく感じがよかったのを覚えています。
ベルギーやEUで司法の仕事をされてきた方で、人権についての専門家、そのコンフェランスは、ちょうど米国でトランプ支持者が議事堂に殴り込みをかけた直後でした。
その時のメモ。↓
これ ↓ が今朝のラジオでのお話。
今回の規制が違法であるという解釈の説明でした。
法というのはある目的に向かって有効であるべきもの、今回の規制はその視点から見るとDisproportionnéeである、と。
人は健康的で文化的な生活を送ることが保障されているのにもかかわらず、今回の規制は身体の健康にのみ注目していて文化的な生活の権利をないがしろにしており、バランスがとれていない。
科学的にも、劇場や映画館により大きな感染リスクがあるなんて証拠はないですし。
力によって従わせるのではなく納得させて従わせるのがデモクラシー、納得できない場合に非服従を表明するのもデモクラシーのあり方で、非服従の原則は非暴力。
といった話をされてました。
追記・規制が違法であるからストップ、というより、この規制がバランスの取れないものである、ということから、ストップさせることができる条項を作った、ということのようです。
だから、この新しい条項が効力を持つまで数日はかかるらしく、その間劇場等開いてOKという流れっぽい。
追記2・今回この規制に待ったをかけたのは Le conseil d'état なのですが、これは法律の視点で行政の判断をチェックする機関だと思います。
ここんところ考えているのは、コロナ禍の私のメンタルへの影響。
不満や不安もなく、けっこう楽しく暮らしているんだけど、このノーテンキぶりは果たしてホンモノなのだろうか、なんてね。
もしかしたらホンモノだし、もしかしたら今の状況に対する防衛本能でそうなってるだけなのかも、とか。
いずれにしろ、それなりに落ち着いて暮らしているのはホントなので、ま、それでいいんですけどね。
それでは皆さま、よいお年をお迎えください。
今日はマヌ・チャオを貼っちゃう。