この一週間、見たことや経験したこと、そして考えたことなどをメモしておく。
火曜日、国際女性デーでした。
スーパーに買い物に行くとき前を通る本屋さんのウィンドー、帰路必ず眺めるんですが、この日は女性デーにちなんだものとなっていました。
CISTEME というのが 読むと音は système だけど綴りが全然違うんで???と思いうちに帰って調べたら、ロシア語だとこうなるらしい、と判明。
きっと今起こっていることへの思いも込めてあるんだろうなあ、と思いました。
表紙に「女」という漢字がある本のタイトルは「女性たちの日本」。
この日は朝のラジオのニュースには、もうすでに何回かここに記すメモに登場した人権問題の専門家、フランソワーズ・トゥルケンスさんがゲストとして登場していました。
今起こっている戦争、中心にもってくるべきは「人権」という視点だと。
この日彼女をゲストに選んだのは、女性デーだから、というのも大きな理由だということでした。
「人権」という発想、ヒトが生み出したコンセプトの中で最上位におくべきものだと私は思います。
水曜日、早起きして7時頃にうちを出たとき、こんな空でした。
きれいだなあ、飛行機雲だあ、日がどんどん長くなるなあ、などと嬉しく思いつつ出かけたのでありますが、なんと、休講でありました。
大学のサイトの自分のページを見ておけばわかること、いつもはチェックするのに、今回に限ってそれを怠っていたんです。
先生がお病気で、前日にはちゃんとメールで知らせてあったのに…。
ガーンときましたが、ま、早起きは三文の徳、ということで、「もっとゆっくり寝ていられたのに」という思いを慰めたことでした。
木曜日は左手親指の腫瘍を切除するカンタンな手術の日。
痛いのはイヤだけど、初めて体験する事柄についてはいつも好奇心の方が勝ってしまうので、少しワクワクしながら出かけました。
この日もよいお天気でした。
バス停でバスを待ちながら見た青空。
EU地区でクリニックまで歩きながら空を見ると、ハーフムーン。
手術は30分ほどで終了。
常備している鎮痛剤では足りないくらい痛いようなら、と、もっと強力な薬を処方してくれましたが、麻酔が切れた後もほとんど痛みナシ、常備している薬すら不要でした。
(今どき、医者の薬の処方箋もIDカードにインプットされます。薬剤師さん以外は絶対読めないよね、と毎回思ってしまう紙上に医者が書いた処方箋は消滅です。)
今回も「鈍感の証明」ができてしまいましたが、医者の腕もよかったんだと思う、きっとその二つの相乗効果でしょうね。
明日また来てね、と言われました。
金曜日、なじみのレストランで最後のランチ。
もう何年も月に一度ここで食事してきましたからねえ、やはり寂しい。
でも来月には、この場所にまた別のレストランがオープンしますから、それを思うと少し楽しみです。
スターターはサーモンのタルタル。
フォトを撮るのを忘れていきなりつついてしまったんで、少し壊れてしまった…。
メインはチキン、アーティチョークのソースがおいしかった。
歩いていたら、歩道にこういうハートをたくさん発見しました。
建物の影が入ってしまったことに後で気づいた、ちょっとがっかり、なフォト。
食後は例によっておおらかな心もち。
帰り道、かなり前から気になっていた植木屋さん(?)に入って、こんなものを買ってしまいました。
年に3回、コップ半分ほどの水をあげること、直射日光を避けること、というふたつの注意事項のみで、怠惰な私には向いているのである。
このお店、アーバン・ガードナーといいます。
こういう感じのお店、最近ちょっと流行ってるのかな。
アーバン・ジャングルっていう店も見かけたことがあります。
一昔前には存在しなかったと思う。
花屋さんと普通のガーデン用の店はあったけど。
私より一回り以上年下か、それよりうんと若い世代の人々のコンセプトだと思います。
私より一回りくらい年下の世代って、68年の世代によって更新された社会の価値観を、私たちの世代やそれより少し年上の世代みたいに気張ることなく、自然体で実践している、という印象を私は持っています。
なかなかいい感じなんです。
見ていてうらやましくなるくらい。
いつだったか、日本からルーヴァンに研究に来ている40歳になるかならないかの知り合いとそういう話をしたときに、彼女が、
「そうなんです! ここにいてそれをとても羨ましいと思っています。日本にはいないんですよ、その世代。たぶん日本のバブル世代とこちらのその世代が同じくらいだと思うんです。」
と言っていて、おお、なるほど…、と思ったことでした。
この日は夕方、クリニックで術後の様子を見てもらいました。
経過良好。
2日に一度消毒してね、ということで、ガーゼや包帯などを処方してもらいました。
帰路はもう暗くなってました。
このフォト ↓ の一番奥左側がEU委員会、暗くてよく見えませんが。
ウクライナの戦争のニュースが、日々の中心です。
ゼレンスキー大統領のことを、米国の傀儡、とか、市民を特攻隊にするな、とかって批判している日本人の方の意見をみかけ、それは違うだろう、と思いました。
前者については、じゃロシアの「傀儡」になれというの?と訊ねたくなる。
政治ってかけひきでしょうし、美しいものではないでしょう、でもその中で自分たちのヴィジョンを持ち、それにより近いと思われるリーダーを選ばないといけないわけで…。
小国で、しかも地政学的に見ても不安な状況に置かれやすい場合、何らかの選択を迫られるわけですよね。
後者については、18歳から60歳までの全ての男性に武器を取ることを要求する、ということが「いいこと」だとは私も思わないけど、それを理由に悪人扱いをすることも私にはできないし、日本の特攻隊とは違う、と考えます。
プーチンだけを悪者にしていいのか、というのも正論でしょう、EUが完ぺきだとも思わない、でも私は今住んでいるEUが好きです。
市民の被害を考えると、早々に降参するべき、という意見も見かけました。
そんなにカンタンなものなの?と思いましたし、なんて傲慢な意見なんだろう、とも感じました。
ベルギーからも義勇兵として出発した人たちもいますが、先日ニュースで紹介されたそういう人のひとり、大戦時代にナチと組んだワロニアの極右団体の信奉者だったことが判明、「ネオナチの撲滅」なんてことを言ってたプーチンを正当化するじゃないか、と、騒ぎになってました。
志願したから、というだけで送り出していいのか、と。
政府が送り出しているわけではないのでね、どこまで干渉できるのかわかりませんが…。
いずれにしろ、戦争で笑いが止まらないのは、武器で金儲けしているひとたちだけでしょうね…。