ビヨルン・アンドレセンのドキュメンタリーを視聴した

昨日の朝のラジオのニュースで、ビヨルン・アンドレセンのドキュメンタリーを紹介してました。

今の姿はガンダルフみたいだ、とか、「ヴェニスに死す」にタジオ役として出演したことをきっかけに世界中から性的オブジェとみなされ苦しんだこと、とか、ニッポンに連れていかれたときはハサミで待ち構えられ金髪を切られたこと、池田理代子の「ベルサイユのバラ」(マンガもアニメも仏語版があり、少しは知られている)のオスカルの姿は彼がモデルだ、とか、日本語の歌まで歌わされた、とか、そういう話をしていました。

 

モトになったのは90分くらいのドキュメンタリーだけど、それを半分くらいに縮めたものがarteで見られると言ってたので、検索してさっき視聴し終えました。

 

ヴィスコンティや彼の祖母という、彼にとって強大な力を持つオトナたちの欲望を満たすオブジェとして扱われてしまった。

残酷すぎる話です。

萩尾望都の「残酷な神が支配する」に登場する恐ろしい義父は、そういえば姿がヴィスコンティに似てるかも…)

 

ドキュメンタリーの最後の方で、11年ぶりに彼を訪ねてきた娘との会話シーンがあったんですが、彼女は残っているフィルムを見るとき「私は他人が見ようとしない父さんのホントの姿を知っている。ほんとは全然やりたくないことをさせられている父さんをみると、曾祖母に、もうやめて、そんなことさせないで、そっとしておいてあげて、と叫びたくなる」と言ってました。

泣けました。

ほんとにオトナは子どもをこんな目に遭わせては絶対ダメです。絶対に絶対にダメです。

 

音楽が大好きな普通の15歳の少年だったのに…。

 

「ベニスに死す」にはヴェネチアまでついてきた祖母もチョイ役で登場していることを初めて知りました。

同じ年に生まれた父親違いの妹(彼は1月生まれ、彼女は12月生まれ)がいて、母親は彼らが10歳の時に失踪、しばらく後に森で亡骸として発見され、ふたりは祖母のところで育てられます。

兄妹は仲良しです。

 

「ニッポンに行ったときは、異世界のようだった」と言ってました。

明治のチョコ、エクセルのCMに出ていたんですね。

見たことあるはずなのに、すっかり忘れていました。

 

「自分は役者として見られたことなどなく、常にオブジェにすぎなかった」と言ってましたよ。

 

www.arte.tv

 

これ ↓ がモト。

en.wikipedia.org

 

 

昨日とても悲しかったニュース。

www.radiofrance.fr

www.rtbf.be

 

夕方のTVのニュースでも、彼のためにたっぷり時間を取ってました。

うまく言えないけれど、ホントの意味でかっこいい、と私は思っていました。

私はそこまで聞き分けられないのですが、南仏出身で独特の訛りがあったらしいんです。

彼の話になると毎回その話が出てきますから、フランス人とフランス語を話す人にとって、それも含めてすごく魅力的だったようです。

昨日のニュースでは、彼自身がフランス映画だった、とまとめていました。 

 

 

 

昨日は友人と恒例の月に一度のランチの日でした。

 

時間的にまだ25℃くらいだけど、これからもっと暑くなるよ、と感じさせられる陽射し。

 

スターターはタコのカルパッチョ

メインはマグロの半生焼。

いつも2種類あるランチメニューの一つを選ぶのに迷いまくる私が、パッと決めたのであります。

でも、半生とは言えない、焼き過ぎだろ、という感じで、食べ物には全くうるさくない私ですらちょっとガッカリでありました。

下に敷いてあったシイタケはとてもおいしかった。

 

 

 

帰路、泡とワインで心が大らかになっている私、琥珀のピアスを買ってしまった…。

でも、本の誘惑には打ち勝ちましたよ。

 

これ ↓ と

これ ↓ 

 

 

昨日の重要ニュース。

www.rtbf.be

 

 

 

FB上で見つけたフォトなど。

 

Jean-Louis Trintignant dans "Le Conformiste" (il conformista) réalisé par Bernardo Bertolucci, sorti en 1970

 

16歳のBB。

ジャンヌ・モローは老いてもそこにbeautéを感じましたが、この方の今の姿にそれを感じることができない私。

Jolie fille です。

Brigitte Bardot photographiée par Walter Carone, mai 1952

 

Robert Doisneau (Français, 1912-1994), Simone de Beauvoir au café des Deux Magots, Paris, 1944

 

 

第一次大戦の頃のパリの男の子。この表情を見ただけで涙が出てくる。

Lewis Hine
 (Américain, 1874-1940), Gamin de Paris, 1918



ホルヘ・ルイス・ボルヘス

2人の人が私に同じ質問をした。

「詩って何の役に立つの?」

それに答えて私は言った。

「死は何の役に立つの?コーヒーの味を知ることは?宇宙は何の役に?私は?私たちは? こういう質問ほどヘンな質問はないでしょ。」

"Dos personas me han hecho la misma pregunta: ¿para qué sirve la poesía? Y yo les he dicho: bueno, ¿para qué sirve la muerte? ¿para qué sirve el sabor del café? ¿para qué sirve el universo? ¿para qué sirvo yo? ¿para qué servimos? Qué cosa más rara que se pregunte eso, ¿no?", Jorge Luis Borges



今日は最高に暑くなるから気をつけて、と、ニュースで言いまくっているので、それを理由にどうどうと怠惰に過ごすのである。