この10日間のメモ

10日も経ったので、最近思ったことや見かけた話題などメモしておこう。

 

ルーヴァンに研究者として来ている若い友人が、来年早々には帰国することが決まったそうで、その前にまた会いましょうと声をかけてくれたので、土曜日にランチでも、ということになり旧市街で久々に会いました。

 

証券取引所のすぐ横にLe Cirioというカフェがあります。

19世紀末の典型的なブリュッセルのカフェ、ノンストップでやってるし、食べ物も飲み物もリーズナブルな値段だし、長話するにはピッタリなので場所はそこにしました。

内部はこんな感じ。

 

12時過ぎに入って、これ ↓ でスタート。

 

久々だったので、彼女の旅や話や研究の話や、お互いの近況だなんだで、二人とも話が止まらず…、なんと8時過ぎまで居座ってしまった。

個人的には新記録。

お店のブラック・リストに載ってしまったかもしれない。

(私たちにとっては)あっという間の8時間のうち、何回も飲み物を注文はしたんですけどね。

この店ではHalve en Halve ( half and half の意味)というブリュッセル独特のカクテルを出してくれます。

注文すると、白ワインと泡を半分ずつ、シャンパングラスになみなみと溢れるほど目の前で注いでくれます。

そういう類のものを何回も飲んだので、翌朝はちょいと頭がボーッとしてましたわ。

 

当然ながら店を出るともう夜です。

グランプラスのライトアップは、国を挙げての節エネゆえでしょう、ちょっと暗め。

 

 

月曜日は美術史の講義。

大学に向かうトラムの中、ずっと眺めていたいイケメンくんがいました。

ルッキズムと非難を浴びようと、私は美しい子やカッコいい子、やっぱり好きだわ。

そういえば前年度、早朝の講義を終え帰宅のトラムに乗ると、ものすごくオシャレな50歳くらいの男性が、ときどき途中で乗り込んできてました。

大げさでなく、それこそ頭のてっぺんからつま先まで、気合の入ったオシャレなおじさん。

そういう業界の人かな、と思います。

あそこまで気合を入れるのは不可能とはいえ、年取っても、というか、年取ったからこそ、やはりオシャレはしたいものです。

 

 

美術史の講義はよりおもしろくなってきました。

今回は、「モダーン・アートとコンテンポラリィ・アート、テーマとジャンルは失われたか」という講義でありました。

同じような素材を扱いながら、パラダイムが異なると、観るものにとってのインパクトが大きく変わってくる、その例を示しながらの講義でありました。

 

挙げられる例はおもしろいものばかりですが、そんな中、ベルリンのハンブルグ現代アート美術館所有だというビデオアート、Soliloquy Trilogy ↓ は特におもしろーーーいと思いました。

この美術館、2回行ったことがあるのに、これを観た記憶が全くありません。

やはりモノを知らないと、目の前のものがちゃんと見えていないものなのですねえ。

この ↓ クリント、シャロン、ジャックという3つのヴィデオ、それぞれの俳優が出演した映画作品で、それぞれのセリフがあるところだけを取り出しつなぎました、というもの。

そしたら全くabsurde なフィルムになるという…おもしろすぎる。

absurde という言葉はニッポン語だと ロジックじゃない という感じ?

オンラインで訳したら、「ばかげた」でした。

あ、このアーティストは Candice Breitz という人。

ヨハネスブルク生れベルリン在だそうです。

kow-berlin.com

en.wikipedia.org

 

 

アートといえば、日本でも話題になったと想像しますが、こんな ↓ 事件がありました。

www.rtbf.be

このようなアクションには全く共感できない私。
お金の流通とか、美術品が投資の対象になることとか、その高騰とか、そういった問題はあると思うけど、作品に罪はないよね。
ひとつしか存在しないアーティスト渾身の作品にダメージを与えてしまうなんて…と思います。
 いろんなアクション、人々の目を覚まさせ、自分たちの思想・思考を理解させることが目的だと思うんだけど、これでは反感を生むだけではないだろうか…。
現にニュースでの扱われ方は、「いかに美術品を守るか」でしかありませんでした。
翌日のラジオのニュースでは、環境問題のアクティヴィストの方が、愚かなアクションリストの第1位を獲得するだろう、とも言ってましたよ。
 
 
 
昨日火曜日、哲学の講義を受けるべく大学に行くと、先生がお病気で休講。
せっかく来たし…と思い、以前から「いつでもいらっしゃい」とおっしゃってた、大学近くに住む仕事の先輩を訪ねることにしました。
突然お邪魔して申し訳なかったけど、同時に、いつも近くまで行きながらご挨拶もせず…とも思っていたので、いい機会でした。
 
哲学の講義はD校舎です。
その入り口には公認グラフィティがあります。
アンジェラ・ディヴィスの
変えられないものを受け入れるはもうムリ、受け入れられないものを私は変える
という言葉です。

このグラフィティは、ブリュッセルのアーティスト Denis Meyers によるもの。
 
 
 
そして帰路、枝ぶりが美しいなあ、と思ってフォト。

 

 

 

一昨日シャルルロワ空港では突然のスト。

今日から飛行機は飛び始めるようですが、突然のことだったので大混乱。

普通ストをやるときは、あらかじめその旨申請し認められないといけないんで、皆それぞれ自分の予定もその情報に合わせて組み立てるんですけどね、たまにあるんです、こういうスト。

もうずいぶん前になりますが、私も同じような目に遭いました。

シャルルロワで通訳の仕事をしたんですが、終わって帰ろうとする頃国鉄が突然予告なしのストに突入。

たまたま仕事で行った先のおひとりが、モンスから車で通っている方で、その人と一緒に帰ることに。

私の仕事が終わっても、その方の仕事が終わってなかったんで待たねばならず、ただ待つのもヒマなのでお手伝いしたんだった。

www.lesoir.be

 

 

 

FB上でこういうフォト ↓ を見かけました。

Boris Pasternak, Vladimir Majakóvskij, Tamisi Naito, Arseny Voznesensky, Olga Tretyakova, Sergej Ėjzenštejn, Lilja Brik.

すごい顔ぶれの中のニッポン人 Tamisi Naito って誰だろ、と思って調べると、Tamiji の間違い(フランス語の発音だとこの綴りで ji という音になるでのではあるが)で、内藤民治。

有名な方なんですね。

またまた全然知らず自分の無知を確認した私。

こういう記事も見つけたのである。

art-museum.city.nagoya.jp

 

 

 

今日は夕方から王立アカデミーの講演を聴き、その足で子供たちとカフェでおしゃべりの予定。

明日も朝から予定あり、なんだか忙しい日々である。

金曜日は恒例の月1回ランチだし、土曜日は、エラスムスの家のすぐそばにあるベギナージュ(ベギン会、ブルージュのが有名だけど、いろんな都市にあった)の修復が終わったことで公開され始めたのだけど、ここの無料ガイドツアーに参加。

そういえば先週水曜日は久々に仕事もしたし…。

ひきこもりオバサンにしてはエライぞ、思う。

 

 

ということで、メモはオシマイ。

 

 

いくつかSNS上で見つけたフォトを貼っておこう。

 

 

これ ↓ (年よりが若者を見た時の感じで)かわいい、と思った。

 

Bob Marley, Mick Jagger and Peter Tosh, 1978.

 

 

うちの近所にこの方 ↓ の生まれた家がある。

 

Julio Cortázar en la tumba de Oscar Wilde. Cementerio del Père-Lachaise, París.

 

しばらく前はやたらエリュアールを見かけていたんだけど、最近はそれがオスカー・ワイルド

この恋人にはずいぶんひどい目に遭わされたんじゃなかったっけ?

Oscar Wilde and Lord Alfred Douglas
"the Love that dare not speak its name"
Alfred Douglas - Two Loves, 1982
 "l'Amore che non osa pronunciare il proprio nome"



今の時代に生まれたら、そこまでひどい目には遭わなかっただろうなあ、という方たちがいっぱいいるけれど、そういう方たちがひどい目に遭いながら世界を少しずつ変えてくれたのかな、とも思う…。

 

 

 

3歳のデ・ニーロとお父さん。

お父さんもお母さんもアーティストですよね。

賢そうでカッコいいお父さん、ヴィトゲンシュタインみたい。

デ・ニーロは見るからにやんちゃそう。

 

A 3 year old Robert De Niro with his father (aged 24) in 1946.

 

 

 

これ ↓ は、私が街で見かけておもしろいと思ったもの。

3つ点があると顔と認識する、ってやつ。

 

 

追記・今昼のニュースで、今日もシャルルロワ空港から飛ぶ飛行機はない、と言ってた。交渉が成立した時間が遅すぎて・・・ということらしい。