昨日アンデルレヒトというところのベギナージュ(ベギン会)で、無料のガイドツアーに参加、そのときバス停のそばの建物の壁の絵と青空がしっくりいい感じだったのでフォト。
妙に暖かい日々が続いており、昨日も最高気温20℃。
もうずいぶんお日さまが低いので、暖かくとも夏のような感じではありませんが。
スペインや南仏では30℃なんてところもあるそうで、自分のうちにいると暖房費もかかるし、というんで、節エネのために暖かいところにヴァカンスに出かける年金生活者がいっぱいいるとニュースで言ってました。
今朝のラジオのニュースに、ベルギーの若い作家であるグレゴワール・ポレという人がゲストに呼ばれていて、その話しぶりがものすごく感じよかったんでちょいと調べてみました。
この方、小説がいくつも出ていて、賞もいろいろ受賞されていますが、脚本家・翻訳家でもあり、arte によるヴィクトル・ユーゴーに関するドキュメンタリーも作っている。
これは観たいな、と思ってarteのサイトに行ってみたら、有料配信だった。
もしかしたらYoutubeに誰かアップしてないかしら、とセコい発想で検索。
でも存在しなかったわ。
そうだよね、と、少しホッとしたり。笑
この3日間で見聞きしたことを、検索した時見つけたレ・ミゼラブルの朗読 ↓ を聞きながら、メモしておきます。
このビデオの下のコメントに、21歳の子が、(たぶん大学の)先生が「読め」とものすごく薦めていた理由がわかった、と書いていて、ちょっと感動してしまった。
19日水曜日
夕方5時、王立アカデミーでの講演。
これ、しばらく前にここにも記した王立図書館でおこなわれた展覧会の Toots Thiemans に関するコンフェランスで、話をしたのはキュレーターだったウーゴです。
彼のコンフェランス、聴きに来る人が少なかったらかわいそう、アタマカズとしてなんとしても行こうと、以前から参加登録していたものです。
(9月末にも彼による作曲家セザール・フランクの講演があり、それも聴きに行ったのである。これは、講演者ふたりによるそれぞれの話と、フランクの曲のコンサートを組み合わせものだったので、大きな大理石の間が満員でした。二人の話では、ウーゴの話の方が圧倒的におもしろかった。もう一人の話は単なる事実の羅列で、ウーゴの話はフランクが作曲した数少ない歌曲の彼による分析だった。)
トゥーツ展のキュレーターの仕事を振られたときは、クラシックが専門分野でこの手のジャズはほとんど知らない自分は「えっ?」というところからスタート…と始まる講演は、非常によくまとまっていておもしろく、聴きに来ていたトゥーツのファンたちはほとんどコーフン状態でした。
アカデミーを出て今度はまっすぐ子供たちと約束していたカフェへ。
これは「若いデラシネが集まる」というもの。
ママもおいで、と、デラシネおばさんも誘われていたのである。笑
年寄りは私だけだとわかっていたので、本来ならノーサンキュというところなのだけど、実はもう2年近く前から、ニッポンの某月刊誌の「海外だより」というコーナーに、年に4回記事を書いていて、そのネタになるかも…という、またまたセコい思惑があったのであります。
集まっていたのは、ヴェトナムや韓国から養子として赤ちゃんの時ベルギーのファミリーに引き取られここで大きくなった子や、両親が異なる文化圏の子や、うちの子供たちのように混ざった子、などなど。
以前からよく知っている子もいれば、初めて会う子もいました。
オバサンにとってはみんな自分の子供同様に可愛い。
デラシネという言葉は、大昔に読んだ、たしか高校1年の時だと思う、五木寛之の小説「デラシネの旗」で覚えました。
ベルギーに来てすぐの頃、義母と話していたとき「ヒロコはデラシネ」と言われ、初めて「ああ、自分も根っこを抜かれているんだ」と意識したのであります。
私がよく言う「ミュータント」ともかぶってる気がする。
哲学の講義で読まされた文章や視聴させられたヴィデオでとても気に入ったのが、AからBへと翻訳する際の「(新しく何かを構築しない限り埋められない)距離」というものを「自由(リベルテ)」と捉えるという発想。
これこそミュータントの場所じゃん、と思って励まされたり。
20日木曜日
エネルギー危機で経済的困難に直面する人が増えたんで、医療における払い戻しの額が増えたり、電気代が安くなったり、公共の交通機関の交通費が安くなったり、というステイタスのための基準がグッと拡大されましたから、私もその対象になるかも、と、健保組合に相談に行ってきた。
必要な書類(会計士に書き込んだもらわないといけない)を用意して、また行くことに。
たぶん対象になると思う。
あいかわらず仕事はほとんどないのに、援助金はもう半年前から出ない状態の中、かなり助かる。
(追記@11月20日・対象にならないことが先日判明。ブリュッセル首都圏のコロナ対策で受け取った支援金の合計額の関係。来年4月以降なら…ということだった。)
このオフィス、アラブ人の人が多く住む通りにあるんで、アラブ人のパン屋さんで久々にごまパンを買ったのであった。
21日金曜日
月に1回のオタノシミ、友人とのランチ
今回はスターターが、イタリアのチーズであるブラティーナ(モッツアレラに似てるけど、リコッタみたいなクリームのような風味がある)トマト、オリーヴなどをクレープで包んでカリッとさせたもの。
おいしかったあああ。
メインはコートダニョー côte d'agneau 仔羊。
これもおいしかった。
そして昨日、22日土曜日はアンデルレヒトのベギナージュ。
このフォト ↓ の左がサン・ギドン教会で右がベギナージュ。
↑ に写ってる部分は18世紀のもので、↓ が15世紀のもの。
15世紀のまんまの天井
15世紀のフレスコがわずかに残る壁
出入口では私以外の人は屈まないと頭をぶつけるのであった。笑
18世紀の建物の2階。
もうすぐミュージアムになることになっており、準備中なんでこんな感じ。
ベギン会というのは、女性ひとりだけで暮らすのがタイヘンだった時代の女性の共同体なわけだけど、昨日のガイドの説明で、うわっと思ったのは、記録によると一時ここで暮らした8人のベギンたち、隣の教会に所属する男性聖職者たちの身辺の世話も義務だった、という話。
ベギン会についてはけっこういろいろ調べて学んだつもりだったけど、この話 ↑ にはちょっとゲッと思ってしまった。
さて、SNS上で見かけたヴィデオなど貼り付けて、オシマイにする。
オーブリィ・ビアズリィ
緻密な絵を見ると、ああ、いいなあ、真似っこしようかなあ、と思うのだが、緻密なことはすごく苦手、大雑把な性格だからなあ…。
でも仕事なくてヒマだし、大好きな超緻密な誰かの作品を、時間をかけて真似してみようかな、と、このヴィデオを視聴しながら思ったりした。
Dandy sulfureux, Aubrey Beardsley était un illustrateur de génie fuyant la réalité pour des paradis où l'étrange et le bizarre côtoient l'érotisme.