アンドレ・グリュックスマンの訃報、映画のこと、その他いろいろ


前回の記事から、早くも2か月経過。
毎回同じ言葉で始めちゃうけど、ほんとに時の経つのは速い。
9月と10月は仕事に追われ、ブログに記事を書く余裕が全くありませんでした。
備忘として残しておきたいことは、ないことはなかったんだけど・・・。

10月の中旬過ぎた頃、ものすごく寒い日があり、アルデンヌでは雪が積もるなど、「この時期にしては異例」というくらいだったのが、それが過ぎて、今度は「気象台観測史上初めて」というほどの暖かい日々。
暖かいと暖房費の節約にはなるんだけど、いったいどうしちゃったの?という感じです。



10月末にサマータイムも終わり、時計の針を1時間遅らせると、とたんに日暮れも早くなり、クリスマスまで日はまだまだ短くなります。
暗いので、目を閉じてさえいればいくらでも眠れちゃう。(笑)
今日は仕事がオフなので、目覚ましをセットしないでいたらば、なんと8時過ぎまですやすや眠ってました。
早起きオバサンを誇っていたというのにね。
早起きは3文の得とはよく言ったもので、寝坊すると何もしないまま1日が過ぎてしまうし、ほんとはもうちょっと早く起きた方が精神的によいのだけど。

で、起きてまずPCを立ち上げネットにつないだら、最初に目に入ったニュースが、アンドレ・グリュックスマンの訃報でした。
78歳だったそうです。

まだ20代だった頃、そして、日本を出ようとしていた頃、この思想家の言葉に影響を受けたりしたので、このニュースにはちょっと動揺しました。

10歳を過ぎる頃にはすでに共産党員だった彼は、ハンガリー動乱やフランスのアルジェリア植民地政策に対する党の方針への批判から、「何の組織も介さず、自分自身の手段を用いてものを考えなければならない」と思い脱党。
1979年6月11日のヌーヴェル・オブゼルヴァトゥールに記した記事に、こういうことを書いています。

「人権尊重の立場は、人がこれまで戦争(闘)万能主義に反対するために見出した最良の立場である。問題になるのはもはや、ある特定のヨーロッパ的な人間像を世界のいたるところに押し付けることではなく、その逆に、あれこれの天国の門を開くなどと主張せずに、地獄の門に蓋を設けることなのである。何が極楽であるかということについては人によってそれぞれ違うが、何が悪であるかということは誰でも等しく認めあうからだ。<・・・>善の普遍性というものはない。あるのはただ、普遍的で、いたるところに広がっている悪である。悪といえば何か、戦争、破壊、強制収容所的地獄、憎悪、権威主義、それからあからさまな、もしくは隠された奴隷制…などのことだ。」
(手元にある彼の著書、『思想の首領たち』の、訳者による後書きより抜粋)

ユダヤ人だったかれは、レジスタント活動をする親と離れ、児童施設に匿われてアウシュビッツ行を逃れますが、このエピソードは、ルイ・マル監督の映画『さようなら子供たち』と、私の中で重なります。

合掌。


話は変わり、映画の話など。

ちょっと時間に余裕が出てきたので、久々に映画館に足を運ぼうかしら、何を観ようかしら、と思っていたところ、いつも映画の感想をアップしてくださるSPYBOYさんのブログで紹介してあった「マイ・インターン」を読み、これだ!と。
いい人たちがいっぱいの、後味のいい映画が観たかったので。
思った通りのいい映画でした。
ロバート・デ・ニーロとともに主役を演じるアン・ハサウェイの、きれいだけど庶民的な雰囲気がいいです。
映画については、私がガタガタいうよりは、SPYBOYさんの記事を読まれた方がいいので、ここでリンク。
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20151102/1446464725


昨日も映画館へ。
これは、FBで友人と、ベルギー人監督Jaco Van Dormaelの話に及び、最新作 Le Tout nouveau Testament を観てくる使命を仰せつかった次第。(笑)
この監督の Mr Nobody は、大好きな作品のひとつだし、ぜひ観てこようと。
メジャーなシネコンとマイナーなシネコンと、両方で上映されていたので、4ユーロほど節約してマイナーな方へ。(またまた笑)
おもしろかったですよ。笑ったり、しみじみ涙したり。

これ。

http://www.allocine.fr/video/player_gen_cmedia=19555274&cfilm=222641.html

悲惨なことばかり人間世界にプログラミングしていく神(ブリュッセルに住んでる・笑)に反発した娘のEa(エア=イヴとアダムの頭文字?)は、人間たちに人生の終わりまでの残り時間をSMSで知らせた後、人間界に下りてきて、12人の使徒を18人にすべく、あと6人の使徒に会っていきます。
ファンタスティックなお話。
エアに付き添う野宿者のヴィクトールは、私の大好きなカラヴァッジョの聖マタイみたいだった。



先月は金曜日が5回あったので、有料サービスを利用して毎週視聴しているビデオニュース・ドット・コムの5金スペシャルがアップされています。
これは無料で視聴できます。
10月の5金スペシャルは、シールズの奥田クンと福田サンがゲストでした。
ほんとに頼もしい若者たちです。かわいいし。

http://www.videonews.com/marugeki-talk/760/

福田サンが最後に、こういう時代に若者やる自分たちに、かわいそうに、とか、ごめんなさい、と言うオトナの人たちがいるけど、これからの社会を選択していける時代に生まれて、楽しいと思っている、と。
うちの子供たちと同じことを言うので、嬉しいやら、親しみをかんじるやらで、オバサンとしては、ますます彼らを応援したくなったことでした。



ということで、今日はこれで終わりとしよう。

またね、読んでくれる皆さん。