あいかわらずヒマな日々、映画Captain Fantasticを観てきました。
カンヌ映画祭で、Un Certain Regard(≪あるまなざし≫って日本語で訳されてる?)賞を取った作品。
マット・ロス監督自身の子供時代の経験が、ある程度反映されているらしい。
なんでも、消費社会に対する「もうひとつの在り方」を求めた監督のお母さんと、そういう価値観のコミュニティで子供時代を送ったのだそうです。
映画のシチュエーションはもっと極端で、父子だけで森の中で暮らしているんですが。
なんといっても子供たち6人が、素晴らしいです。
私がメキシコへ渡った時も、ここまで徹底してはいなかったとはいえ、似たような価値観を持っていたし、今でも、こういう生き方へのあこがれがあったりするんですよね。
でも、年取ったらどうする?体に障害があったらどうする?、人間が文明を発達させたのは、そういうときでも、ちゃんと生きていけるように、ということだったんだと思う。
問題は、「便利」「快適」があたりまえ、と思いこんで、必要なものとそうでないものを自分自身でちゃんと見極めないところにあるんだと思う。
ベルギーに暮らし始めてからも、ピレネーの山奥でそういう暮らしをしている友人たちのところに、何回も遊びに行きました。
年取ってタイヘンになってきて街に降りた人もいるし、子供が生まれたことで、街へ降りた人もいる。
子供たちには、多くの選択肢が存在することも教えないといけないし、それに、人の存在というのが関係性の中で成り立つことを思えば、他の人たちとのかかわりを完全に断つわけにもいかないでしょう。
ま、何を言っても、挫折した自分の言い訳っぽくなるんでイヤなんだけど。(笑)
よい映画でした。
深い愛情に涙・涙、でありました。