一昨日の夜は「授賞式に出席した」ことしか知らず、はたしてどんなスピーチだったか、と、昨日の朝いろんなニュースを見てまわり、「壁」と「卵」の喩えでイスラエルを批判したことを知り、受賞拒否よりずっと勇気のいることだろうと、感動しました。
私も、常に卵の側にたちたい。
まだニッポンに暮らしていた若い頃、春樹ファンだったんです。
「風の歌を聴け」を最初に手に取ったのは、本のカヴァーのイラストに、「メリー・クリスマス&ハッピー・バースデイ」と小さく記されているのが目に入ったから。
12月25日生まれなので、「あら、私のための本じゃん」なんて思ったんですよ。
そして、読んでみたらすごく新鮮でとても気に入り、そのあと、「1973年のピンボール」と「羊をめぐる冒険」は、それぞれ発売と同時に購入して読みました。
ジョン・アーヴィングといった米国の作家の本も、彼の翻訳と紹介ゆえに手に取ったのです。
そしてちょうどその頃、集英社からラテン・アメリカ文学全集が発刊され、もしかしたら記憶違いかもしれないけれど、宣伝・解説のパンフレットか何かに、やはり村上春樹のエッセイが載っていて、ラテン・アメリカの文学に興味を持ち始めたのでした。
特に新潮社のガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」はあまりにもおもしろいしショックだしで、もうこれはラテン・アメリカに行くしかないぞ、とニッポンを出たわけ、となると、村上春樹の本を手に取らなかったら、今私はここにいないのです。
(メキシコからグアテマラへ入る国境で、ベルギー人のクマに出会い、そして予想だにしなかったベルギー暮らしとなったのである・・・)
一方、あまり知らなかったパレスチナ問題ですが、ヨーロッパでは話題になることが多く、なんとなく気になっていた程度で、たいした意識の仕方じゃなかったものの、この年末・年始のイスラエルの行動には、そんな私もそれまで以上に「なぜ?」という疑問や怒りを呼び起こされ、たぶんもう今後はこの思いからは逃れられないでしょう。
できるだけのことをしたい、と思っています。
そういうこと全部がミックスされた「エルサレム賞」でしたから、マイミクさんが「春樹×時期×イスラエルという組み合わせによる化学反応」という表現をされていましたが、そういう「化学反応」が、私の中でも起きたわけです。
「エルサレム賞」の授賞式が終わった今、これから何ができるか。
id:mojimojiさんのブログの更新記事が素晴らしい。
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20090217/p1
そして、id:hokusyuさんの記事を読み、
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20090216/p1
無痛文明論を連想しました。
追記・
春樹ファンから訂正をいただきました。
「メリー・クリスマス&ハッピー・バースデイ」
というのは、私の記憶違いで、正しくは
「HAPPY BIRTHDAY AND WHITE CHRISTMAS」
のようです。
実はもうどういう内容だったかも、全然覚えていないんですよ。
その部分の脳みそのシワが消えちゃったのね、きっと・・・。
追記2・
村上氏のスピーチ、全文がここで読めます。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1064909.html