クリスマスが過ぎ、日が少しずつ長くなり始めました。
まだ1分ずつですけどね。
もうずっとダラダラと過ごしている私、このままでは観に行こうと思っているデュ―ラー展も観ないままになるかも…と思い、昨日は少しだけいつもより早起きをし、えいっとばかりにアントワープに行ってきました。
これ ↓ です。
王立図書館所有とはいえ、通常見ることができるわけではありませんから。
しかし!であります。
一番観たかったのは、↑ に出てくるデッサンだったんだけど、これは置いてなかった。
もしかして見落としたのかと思い、2回グルグルまわりましたがなかった…。泣
なんで展覧会の説明に、展示されないこのデッサンを使うの?と思ってしまいましたよ。
版画は複数あるし少しは拝む機会がある、でもデッサンって唯一な上にしまい込んであるので通常観ることができないではありませんか。
けっこうショックだった。
今調べたら、NYのメトロポリタン美術館所蔵なのね。
これ ↓ と同時期で、たしかデプレッションに苦しんでいた頃の自画像。
二十歳頃かな。
展覧会のタイトルは≪アントワープのデュ―ラー≫
カルロス5世に「年金払ってください」というお願いをするのがネーデルランドに来た目的だったわけだけど、それだけではなく、当時(その頃の)世界の中心みたいなところだったアントワープで自分の作品を売ること、そして、自分を「画家」として使ってくれる人物に出会うことも目的だったようす。
結局後者についてはかなえられなかったのだけど。
以前にもアップした、デュ―ラーが滞在した家のフォト ↓ 。
マルクト広場からイエズス会のカルロス・ボロメオス教会の方へ歩くと、その途中にあります。
でも版画はいっぱい見ることができました。
とにかく緻密。すごく緻密。
(エッチングを習ったとき、その緻密さを追求する能力ゼロの私は即挫折したのである。)
それで鑑賞に使えるようループが置いてあったので、私も利用させてもらいました。
エラスムスに会ったと書いてあったような…。
ルターに傾倒していたデュ―ラーは、結局エラスムスとの方向性の違いを感じたようですが、私はエラスムスの方に好感を覚える。
読んだり聴いたりした情報のみで描いたという話がおもしろいですよね、それでも事典に長いこと使われたというサイ。
デュ―ラーによるマキシミリアン
これ ↓ はデュ―ラーでなくDaniel Hopfer という人によるもの、カルロス5世。
口が半開きなところがおもしろい。
この気候ですからね、蓄膿症に苦しんだらしい。
これは木版。
黙示録の4人の騎士、今まで一番よく観る機会があったと思う。
秤を持った騎士が飢饉を表すと、若い頃何かで読んで驚いた記憶あり。
私の星座なのでアップで。
もっといっぱいあったけどこの辺でやめておく。
このミュージアム、ステーン城近くの小さな美術館で、グラフィックとか版画を中心に所有しているところ。
今回は、0階にフェリシアン・ロップス、1階にゴヤとムンクが展示されていました。
ここも最近、ミュージアムパスを持っていれば無料になりました。めでたい。
フェリシアン・ロップスのこれ ↓ 私にはマンガ「ベルセルク」の一場面に見えちゃう。
そしてスフィンクス
この闘牛シリーズは評価されず、一つも売れなかったとか。
そして評価の高かった、↑ より前の作品、戦争のシリーズとロス・カプリチョスもけっこう展示されていましたが、これはロス・カプリチョス・シリーズのひとつ ↓ ルーヴルにあるアルバ公爵家の女性の姿をちょっと思い出させられ心惹かれた。
描かれた女性の性質は対極にあるだろうに、ね。
ムンクといえば、だれでも思い出すコレ
アンディ・ウォーホールの「叫び」も展示されていた。
サロメ、この作品に私は「スザンヌ」を思い出させられたのである
タイトルを忘れてしまったけど、うわっと思った
最近台所で料理しているときとか、Youtubeにある山田五郎さんの美術史の話を聞くことが多いのだけど、今朝聞いたのがコロンビアのアーティストであるボテロについて。
かなり充実したボテロ展がモンスで行われた時に観に行ったことを思い出しつつ聴いたのである。
五郎さんの話に、イタリアのピエトラサンタが登場。
初めてイタリアに行ったときに足を運んだ場所なんですよねえ。
一緒にイタリアに行った友人、美大で彫刻を専攻していたんですが、その後輩がピエトラサンタの工房で働いているというので一緒に訪ねたのでした。
五郎さんの話で初めて、鋳造で有名な街だと知った次第。
全然知らずについて行っただけ、工房に入らせてもらって聞いた話で覚えているのは、燃料のガスはロシアからのものだ、ってことだけ…。とほほ…。
いやはや、モノを知らないともったいないことをいっぱいするなあ…、と再確認の出来事また1回プラスしちゃった。
さ、もう来年まであと数日。
ベルギーの連邦政府、まだ合意に至らず組閣ならず。
来年に持ち越されました。
組閣にかかった時間では、まちがいなく3位。笑
でもEU内での負担金とか、連邦政府として決めないといけないこともあり、笑い事じゃないんですよね…。
世界は相変わらず悲しいニュースで満ちていますが、そういうときは美しいものを愛でて過ごしましょう。
FB上で見かけた これ ↓ を貼っておく。
Lee Miller, as Phtographed by Man Ray, 1930.
ついでにこれも貼っておく。
Suzanne Valadon et son fils Maurice Utrillo
2025年が良い年でありますように。
追加・ムンクのマドンナが展示されていた横の窓からステーン城が見えていたのを、ここで貼ろうと思って忘れていた。
追加2・マンテーニャの版画とか初めて見たんでフォト、これも貼り付けようと思ってたのに忘れてた