今日もよいお天気。
4月に入ってからずっと、この時期の平均気温からみると冷たかったんですが、ここにきてようやくその平均気温とやらに追いついた感じ。
昨日ちょいと用事があって出かけたら、道端でばったり近所のお弁当屋さんにお会いしました。
台湾人ご夫婦のお弁当屋で、ここのトンカツ弁当がすごくおいしいんです。
私がブリュッセルに暮らし始めた頃は既にテイクアウェイのお店でしたが、以前はレストランだったとのこと。
既に作ってあるものが並んでいるお店ではなく、注文を受けてから作ってくれるんで、出来立てでおいしいし、とても清潔、値段もリーズナブル、特にトンカツは出来立てホカホカ・外側パリパリ・お肉は厚くてジューシィ。
それが、このコロナ禍の中、もうずっと閉まっています。
きれいなマダムとインテリ風の容貌のムシュと二人でやっていて、ダンナさんはあまり体が丈夫そうでないので、ずっと閉店なのが心配でした。
もうこのまま開かなかったらあのトンカツが食べられなくなるか(心配ってそれ?)、と。
マダムに会った機会に「ずっと閉まってるね」と訊ねてみると、「お客さんからの感染が心配だったんでずっと閉めてるのよ。昼は学生たちがいっぱい来るしね。ワクチンを二人とも接種し終わったら開けるよ」とのことでありました。
元気そうで安心しました。
イースター休暇も終わったので、今週から大学のコンフェランスや講義もスタートです。
昨日の2週間ぶりのコンフェランスは、レバノンの大学を出た後、米国の大学でドクターを取り、現在ブリュッセル自由大学の教授をやってるレバノン人の方が講師、テーマは
« Relations interculturelles dans un monde globalisé et civilisé »
「グローバル化され文明化された世界における異文化間関係」(← 自分で訳するのが面倒だったのでネット上の翻訳機を使ってみた)
でありました。
どのような状況で異文化社会でのインテグレーションが進むか、と、異文化社会に入った人の側からの条件と、受け入れ側がいかに偏見を持たないで異文化からやってきた人と共生できるか、という受け入れ側の条件の話。
「そりゃそうだよね」と、ある意味当然と思われる内容でしたが、ちゃんとしたデータをもとにお話されました。
社会の成熟と発展は、異文化との触れ合いが多ければ多いほど進むこと、また、異文化社会にやってきながら、その社会の言葉も身につけず、自分のオリジンである社会の文化に固執し、同じ文化出身の者たちだけで集まり固まることの危険についても話されていました。
こういうケースでは、入ってくる情報も一方向のものになってしまいますから。
ずっと前、まだ日本にいた頃によく目にしたことのひとつに、「異人種が混ざり合うほど優れた子供が生まれる」ってのがありました。
ほんとかいな、と、話半分でしたが記憶には残ってます。
これって「人種が混ざり合うから」ってんじゃなくて、「異文化が混ざり合うから」ということなら、それはそうかも、と思っています。
ある文化の中でのタブーは、異文化の人が破ってくれるし、固定観念にも縛られませんしね。
そういうことも思い出しながら聴いたことでした。
毎回コンフェランスは最後の質疑応答がわりとおもしろいんですが、昨日は今問題になってる米国でのアジア人に対する差別の話も出ました。
コロナ禍の中でのトランプの言動が大きな原因だ、と、まあわかってたことですが、そうおっしゃっていました。
このトランプを支持するデモをやっていた人々のいる国がひとつ、アジアにありますね。
今日のコンフェランスのテーマは、絵画の中の食材、です。
絵画が制作された時代の食糧状況とともに、シンボルとしての食材の話。
おもしろそう。
今朝のラジオのニュースで、王立美術館の館長さんがアレシャンスキー展の紹介をされていました。
その中で、COBRAのムーヴメントに関するミュージアムはアムステルダムとコペンハーゲンにはあるのに、同様にムーヴメントの中心地だったブリュッセルにはない、と話しておられました。
マグリットの作品をしっかり集めてマグリット美術館をつくることができたように、将来的にはブリュッセルにもCOBRA美術館が作られるんだろうな、と思わされました。
私が生きている間にできたらいいな…。
アレシャンスキー展と同時に、オーストラリアのアボリジニー・アートの展覧会もやってます。
このふたつに共通するテーマが≪Desapprendre いちど学んだことを忘れる≫だと館長さん曰く。
なんか、いいな、と思いました。
さて、いくつかリンクを貼っておこう。