石ころころころ&その他いろいろ

予告していた胆石除去報告など・・・(笑)。

病院に行く前日、入院の準備などしていました。
うちの付近、郵便やさんがやってくるのが、いつもだいたいい昼過ぎなので、お昼ご飯を済ませ郵便受けを見に行くと、なんと、胆石を取った方がいいと思う、とアドバイスをしてくださった霊感女性から封書が届いていました。
おおお、なんというタイミングの良さ!!と、驚くやら感心するやらで、部屋に戻って開くと、もっとびっくり、お守りが入っていたのです。
ほんのちょっとお会いしただけで、それ以上の関係など全くない私に、なんという心遣いでしょう。
おおげさでなく、天使か観音様かと思わせられ、感動いたしました。
これでもう百人力、千人力、という感じでしたわ。

ありがたいことだなあ、などと感謝しつつ、手術の日に・・・。

夜中12時より飲まず食わず、徒歩約10分の距離にある病院へ、石畳の道をごろごろと、荷物を転がしながら向かいました。
朝8時に受付で入院手続きをするように、と言われていたので、番号チケットを取り順番を待つも、ほとんど誰もいなかったので即手続き。
そのとき係の人が、「個室をご希望ですね」と聞くんですね。
個室など希望した覚えがなかったので、「そういうことは頼んでいません」というと、B.H.先生(手術をしてくれることになっていた外科医)が個室を予約していると言うのです。
そういえば、手術の日程など決めるときに、「入院保険には入ってますか?」と聞かれたなあ、と思い出しました。

健康保険はまずベースがあって、入院保険や歯科保険はオプションになります。
(歯科の普通の診療はもちろんべースでカバー、インプラントや矯正がオプションになります)
健保はベースがほとんどのケースをカバーしてくれますから、
(18歳未満だとオプションなしで入院費等全額カバーしてくれるし、オプションなしの時の癌の手術でも、私が払わなければいけなかった1週間の入院費は、100ユーロちょっとだったと記憶しています)
癌の手術で入院するまではベーシックのみで何のオプションも入っていなかったのですが、我々だって今後年取ってどうなるかわからないし、子供たちも18歳以上になるしね、というんで、その時点でクマと合意し、オプションの入院保険を付け加えたのです。
新たに加えた際、その効力が発揮されるのは6か月後なので、そのときの入院自体には、入院保険は意味をなさなかったのですが。
私が付け加えた入院保険は、1年間の入院費(何回か入院したらそのトータルという意味)のうち、加盟者の負担は100ユーロを超えない、というもの。
3段階ある入院保険の、一番安いやつです。
一番高いオプションだと個室をカバーするのですが、私は個室である必要は全く感じないので、安いのでかまわないと思った次第。
こういう場合でないと知り合えない人と知り合ったりできるし、私には4人部屋や2人部屋も楽しいので。
つまり、ドクターの「入院保険に入ってますか?」は、個室に入りますか?という意味だったんですね。

ちなみに、今年に入って支払った今年度のベースの負担金は1年で118ユーロ、それに加えてオプションの入院保険が、今年の請求書はまだ来ていませんが、去年のを見ると、1年34ユーロでした。
一人暮らしで、フリーランスで仕事をしている今の負担金、扶養家族の有無や収入によって、負担金はいろいろと変化します。

個室だと、医者の報酬もグッと増えるんです。
その増えた分が、勤務医としての給料の+αになるというわけ。

私が個室に入ると思い込んでいた医者、がっかりするだろうなあ・・・、と、頭をかすめました。

病室に入り、手術用の服に着かえて15分くらいすると、もう看護士が手術室へとお迎えに来ました。
で、手術室へ到着すると、B.H.先生がニッコリ迎えてくれたものの、個室でないと知るやいなや、カッカし始めたのです。
そして、私に「あなた、わかりますか?今日僕がこうやってきたのは、まったく1銭にもならないのですよ。まったくの無駄足だった。」と!!!!!

いやあ、驚きましたよ。本当に驚きました。

私には最初から「個室」なんてアイディアはかけらもなかったんで、思いもよらなかったのだけど、手術すると決まったのは、彼にしてみれば「個室患者」だったからなのね。
そばにいた看護婦に、「どうしようね」と言ったら、「気にしなくていいですよ、マダム」と、同情の表情でありました。
それに、「タダ働きっていうんで、手術で手抜かれたらいやだな」と思ったりもしました。

後は麻酔でぐっすりなので、15時ごろに目覚めるまで、何も知りませんが…。
二人部屋だったんですが、もう一人の患者さんは、白内障の手術で来た高齢の方で、付き添いの孫と思われる男性と、1分の休みもなくしゃべる、しゃべる・・・。
しかも耳が遠いので、ものすごい大声。
「個室の方がよかったかしら…」と思ったくらい(爆)。

夕方、すっかり落ち着きを取り戻したドクターB.H.が病室にやってきました。
そして、全く問題ないし、今夜のうちに自宅に戻ってもいいよ、と。
手術室で聞いた彼の言葉のショックがまだまだ残っていた私、個室じゃないから追い出すのかしら、などとひそかにひがんだりもしました(笑)。

出てきた石、もらって帰りました。
全部で7個、一番大きいので直径1.5cmくらい、一番小さいのが0.5cmくらい。
想像していたよりずっと「本当の」石なんでびっくりしました。
除去できて、めでたいことです。

手術の2日後に、手術後の経過を診てもらうのと、抜糸で、またドクターに会いました。
経過はどうですか?と聞かれたんで、手術自体の経過はよいと思うけど、あなたから言われたことの精神的ショックからはなかなか立ち直れません、と言っておきました。
そして、初めから「入院保険ありますか?」と聞かずに、「個室に入りますか?」と聞いてもらえれば、ちゃんと答えたのに、とも言っておきました。
自分の言ったことは忘れてほしい、と言ってましたが、けっこう物覚えがよかったりするんで、忘れないでしょうね。(笑)

ベルギーは所得税も高いし、医者とはいえお金がいっぱい入ってくるとは限らない、とは知っていたけど・・・。


という、胆石除去手術報告でありました。