昨日の続き

今日から少しずつ天気は良くなるそうですが、すさまじい被害です。

 

亡くなった方が今朝の時点で14人。

 

ベルギーってあまり天変地異のないところだったと思います。

ニッポンのように地震や台風もないし、たまに暴風雨ってのがあるくらいで、この前たて続けに竜巻が被害をもたらしましたが、竜巻もないことはないが珍しい、って感じだったんです。

 

昨日か一昨日かのニュースに、地球温暖化に関する研究者がスタジオに招かれていましたが、この方が開口一番「もうずいぶん前から我々は訴えてきたが、今回のような災害が起きた時だけこうやってちょっと意見を求められるだけ、そしてすぐにまた忘れられる」とおっしゃってました。

 

www.rtbf.be

 

 

 

昨日次女くんが被害の甚大なところにいる、と記しましたが、今朝の長女クンのTELで、3女クンも、同じ場所ではないけど同様に被害の甚大なところあたりに出かけていることを知りました。

 

ったく…。

 

次女くんは、修道院で修道女さんたちのお手伝いをしていたのだと判明。

どこの修道院も修道士さんたちの高齢化と減少が悩みのタネですが、ここもそうで、事業として行っているキノコの栽培や、建物と庭の維持などがタイヘンだそうで、その手伝いをしていたのだそうです。

修道院って誰でも泊めてくれるものなんですが、ここの修道院もそうだったのに高齢化・減少でもってできなくなっていた、なんとか復活したい、ってのが目標みたい。

 

私たちは信心深いわけでは全くないのですが、来る者は拒まず、の修道院にはよく泊まってました。

一番喜んだのが私。

実家が遠すぎて、ちょっと子供を預けて…、みたいなことが不可能だったし、バカンスったって子連れのサバイバルツアーみたいな感じだったし、修道院にお泊りの時だけがホントの休息でした。

食事の心配もいらないし(3食オヤツつき)、1人の部屋をもらって静かに読みたい本も読めました。

神学生たちが泊っている時に開かれる、修道士さんの講義にも混ぜてもらえるんです。

どこの修道院にも必ずミュージシャンである修道士さんがいて、音楽をやる子供たちの相手もしてくれました。

 

子どもたちが大きくなってからは修道院お泊りもしなくなりましたが、私にとってはとてもよい思い出です。

うちのお嬢さんたちにもよい思い出なのね、きっと。

 

 

3女クンは森が大好きなので、自然いっぱいのところに泊りがけで出かけていた模様。

 

 

長女が言うには、すでに仲間たちが次女のいる被災地に手伝いに向かったそうです。

長女は、今日は仕事でブリュッセルを動けないんで明日にでも、と言ってましたが、鉄道も復旧してない、水もまだ退いていない、そんな状況で行くとかえって迷惑かも、少し様子を見てから行くのが賢明なのでは、と私の意見を言っておきました。

 

 

気温も低く、ニュースの映像では水の中を避難する人たちが震えていました。

7月だというのにね…。

 

 

 

 

あっちもこっちも水害です

雨が降るたびにどこかで水の害、ってのがしばらく前から続いていましたが、今回はものすごく広範囲。

ワロニアの方はそれこそ、どこもかしこも、です。

 

今日も一日中雨で、明日まで続くそうだし、もっとひどいことになるかもしれない。

 

ベルギーに暮らして32年目になりますが、こんなの見たことないです。

 

www.rtbf.be

 

ブリュッセル悪天候ですが、少なくとも私が住んでいるあたりは「イヤな天気だな」くらいで済んでいますが…。

 

次女くんが今リエージュの近くに遊びに出かけているのを、彼女からのメッセンジャーを使ったメッセージで初めて知った母であります。

国鉄も水害で動かないんで、ブリュッセルに戻れないらしい。

戻れないくらい大した問題じゃないんで、むやみに動かないで欲しい。

 

 

 

 

いっぽうコロナ禍ですが、感染者は間違いなく増えており、今朝のニュースではRtが1です。

でも重症化はしてないんでしょうね、ICUの患者数は今も減少中で、現在82です。

 

 

 

一昨日のニュース。

昨日このアンケートに関するニュースは日本語でも読みました。

その記事には「反対している人の割合」について記されていましたが、これは、ベルギーの人でTokyoオリンピックに関心なしと答えた人は72%だった、という記事。

調査は、5月22日~6月4日、28か国、19510人を対象になされたものですが、関心のない人の割合では、ベルギーはチャンピオンっぽい。
でも対象人数が少ない気はするなあ。
って、関心があまりない、ってのは皮膚感覚として間違いないと思います。

www.rtbf.be

今朝はこんな記事も読みました。

ブラジルの柔道チームが泊るホテルで、チームの到着前に行われたテストの結果、ホテルのスタッフにコロナ陽性の人がいた、という話。

www.rtbf.be

 
オリパラを東京で、っての、私は初めから賛成じゃなかったですが、もうニッポン人じゃないし、ガタガタ言う立場じゃないし…。
でもフクシマの状況を考えても、他に優先するべきことがあるだろうに…と思ってました。
こういう大会の開催地では、特に発展途上国と呼ばれるところでは、弱者がいつもひどい目に遭ってきたことが、もうずっと前からわかっていましたしね。
 
コロナ禍という誰も想像していなかった事態になり、今は日本で反対している人が大多数ですが、もしかしてこれって単にコロナに対するキョーフによる反応にすぎないのかな、とも感じています。
ま、さすがにここまでひどいとは思っていなかったけど、政府が無知・無恥・傲慢ってことは、コロナ禍がなくともわかってたじゃないですか。
そういう連中を選んできたことの自身への反省は、一部の人たちを除いてないのではないか、と疑っている私です。
オリンピックが終わっちゃったら、また忘れるのかな…。

 

 

 

これ ↓ よい記事だと思いました。

news.yahoo.co.jp

 

 

 

先週発行されたハンガリーの差別的な法に対し、EUが司法に訴える準備に入ったというニュース。

www.liberation.fr

 

 

 

天気のせいで、なんだか落ち着かないので、ブログでも更新するか…、と思ったのでありました。

 

 追記・うちのお嬢さんは、リエージュでも最も被害の大きいところからそれほど遠くないところにある修道院 ここ ↓ にいるそう。

Abbaye de Brialmont

そこで何してたの?と質問したところ。おそらくここで行われているイヴェントに参加したんでしょう。

その修道院、小高いところにあるんで、身動きできないこと以外の問題はなさそうですが。

 

追記2・この災害ゆえに、明日開かれるはずだったコロナ対策会議は延期になりました。

 

 

新しくメガネを注文したこと、その他いろいろ

金曜日、月に1回一緒に、って友人とのランチが1年ぶりに復活。

去年の春のロックダウンで中断された後、夏はちょっとの間可能になったんで7・8月はランチできたのよね。

彼女もテレワークだし、9月は私の膝のケガで中断、秋以降はまたコロナ禍の規制ゆえ不可、ってことで、今月ようやく復活。

おいしかった。

テイクアウェイという手もあるんだけど、こういうお食事はゆっくりおしゃべりしながら、ワイン飲みながら、きれいに盛ってあるお料理を、ということに対してお金を払ってるわけで、うちで一人で速食いするためなら、近所のトンカツ弁当で十分ですしねえ。

 

応援しないと申し訳ないかなあ…とは思っていたんだけど、このレストランのある地区は、裕福な年金生活者なども多いので、私が心配しなくとも繁盛していたそうです。

 

友人が到着するのを待つ間、ベルギー産の泡。

ロゼは好まないんだけど、これはマダムのおススメ、おいしゅうございました。

ベルギーの泡ワインではRuffusというのがすごくおいしいと思うんだけど、先日のニュースでは、この春のヘンテコリンなお天気で、このワイン用のブドウの半分がダメになったようなことを言ってました。

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スターターはニシン。

今年はこれが初めてでした。

6月の中旬に、アムステルダムに暮らす知り合いから、「新ニシンが店頭に並び始めたよ」と連絡が入り、こちらでもスーパーで見かけてはいたのだけど。

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メインはポーク。

いつもの倍以上のボリュームでしたが完食。

まさしく卓袱料理の豚の角煮、でしたよ。

フィレとバラの塊りと両方使ってあったけど。

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満足状態の帰路、うちまで歩く途中にあるこの店に立ち寄りました。

www.seed-lunettesdurables.be

こういう満足・満腹状態でお店に入っちゃうと、お店の人が感じいい場合、つい必要なくとも買い物しちゃうことになるんで(おおらかな気分なので)キケンかな…とは思いつつも、しばらく前に次女くんから教えてもらってから気になっていたお店です。

このサイト ↑ のフォトに写ってるお兄さんのコンセプトで、フレームの素材は全てリサイクルされたものか木です。

海のゴミとなってしまったプラスティック、食後ゴミとして出てくる貝殻、リサイクルの鉄、など。

レンズも、エコロジック倫理に従ってます、というもの。

お店は開店してからまだ半年。

(コロナ禍の中、国内の若者の起業率はものすごくアップしています)

自分の持つコンセプトに合う職人さんを求めて欧州のあっちこっちを旅し、お店を開くだけの商品をようやくそろえることができたのでオープンしたのだと言ってました。

 

ま、わかっていたことだけど(笑)、すでにいくつか持っているので不自由しているわけじゃないのだけど、遠近両用のを作ってもらうことに。

私が選んだフレームはリンゴの木です。ものすごく軽い。

リンゴの樹の内側の、固くてちょっとオレンジがかった部分を使ったもの。

ここ ↓ で見ると上から2番目の商品。

当然ながら、私がかけても、このモデルさんみたいなわけにはいきませんけどね。

www.seed-lunettesdurables.be

 

 

 

 

メキシコに住むmixi以来のネット友だちから、スペイン語字幕で日本のアニメのほとんどが視聴できるサイトを教えてもらいました。

そこで今まで気になっていても、NetflixにもYoutubeにもなくて観ることができなかったアニメを視聴しました。

 

進撃の巨人、これはすごいお話ですね。

反出生主義に及んでいますよね。

まだファイナルのパート2が日本でも放送されていないので、続きを観るのはこの冬以降になると思うけど、登場人物たちが今後どのような選択をしていくのか、ちょっと想像もつかない。

たしか原作のマンガはもう完結したんですよね?

 

そして去年の秋、日本のニュースで話題になってた 鬼滅の刃 も視聴。

たしかにおもしろいと思いましたが、あれほどの話題になった理由は???でした。

原作を知らないので間違った印象かもしれないけど。

私が感性鈍くて理解できないのかなあ、と思い、去年の秋、ビデオニュースドットコムの5金(第5金曜日の収録は無料で視聴できる)で宮台さんと神保さんが話題にしてたよね、と思い、これを再視聴して確認したくらい。

www.videonews.com

登場人物ひとりひとりの描写についても、NarutoOnepieceの方がもっと丁寧な印象があるし、↑ で宮台さんや神保さんが言っているような、ベタだけど本質をついたとても重要な言葉は、鬼滅の刃でなくともあるし、動員数で抜かれたという千と千尋の神隠しの方が、映像の美しさその他芸術的面でも優れている気がするんだけど…。

 

ウーン、不思議だ、なぜ社会現象にまでなったのだろう…。

 

 

 

先日メモしておこうと思いつつ忘れていたのが、TVのニュースで初めて知ったコレ。

第1次大戦で焼かれ書物を失ったルーヴァン大学の図書館を、1921年に訪れた昭和天皇(当時は皇太子)が、その後プレゼントしたという書物の数々。
100年前ヒロヒトが…とニュースで言ってました。

日本の外にあるコレクションとしては世界で最も充実したコレクションのひとつだそうです。

www.rtbf.be

plus.lesoir.be

uclouvain.be

 

 

昨日・今日と、読んでグッときたブログの記事。

kazetabi.hatenablog.com

kazetabi.hatenablog.com

 

 

あと、これと

www.arte.tv

これ。

www.rtbf.be

 

 追記・日本のアニメでは、たとえばNRUTOやOnepieceでも時々ちょっと気になるけど、とくに鬼滅の刃では、セリフで「オトコは…であるべきだ」ってのがやたら多かった気もしたのだった。

忘れないようにメモ

前回メモし忘れたことや、その後、へええっと思ったことなど、ダラダラとメモしておこうと思う。

 

コロナ禍の数値、今日見たら、ICUの患者数はちゃんと減り続け100を切りましたが、RT は1を超えてる…。イヤだなあ…。

www.rtbf.be

 

バカンスで他国に入る場合、ワクチンを接種しているか、免疫があるか、検査で陰性と出たか、いずれかの証明が必要、それでまだワクチンを接種していない若い人たちが検査(無料)を受けていることで検査数がものすごく増え、陽性者の数もそれに伴ってものすごく増えたんです。

だから、これまで同様気をつけないといけないが、おびえる必要はない、ってことだったんですが、Rt が1を超えると、いくらなんでもまずいのではないかなあ…。

しかも陽性者の半分はデルタ株らしいし。ああ、やだ、やだ。

 

 

前回記し忘れたことは、7月1日からEU理事会の議長国がスロヴェニアになったこと。

オルバン化してる国が議長国になったわけです。

議長国になったからって、好き放題できるわけじゃないですが…。

www.rtbf.be

 

昨日のニュースでは、今日木曜日に発行される例のハンガリーの法律が見直されないなら、EU法違反ということで法的手段に訴える、とEUコミッションのウルスラさんが言っています。

www.lesoir.be

前にこの件に記したように、EUサミットの際に話題になりましたが、ハンガリーポーランドスロヴェニア以外の国全てがハンガリーを批判しました。

オランダのルッテ首相なんか、「そんなにEUの価値観が気に入らないなら出ていけば?」とすら発言。

 

あ、オランダと言えば、一昨日の夜、オランダでとても評価の高いジャーナリストがピストルで撃たれ重態という事件があり、昨日はその話題が何回もTVやラジオで取り上げられていました。

 

 

ユーロ杯、個人的には赤い悪魔がイタリアに敗れた時点でもう観戦していません。笑

イタリアの方が強かったわあ。

エデンが出場できなかったことも大きかったかもしれないけど、あの黄金時代の選手たちも年を取っちゃったのかなあ…。

新たな19歳の選手、ジェレミーのプレイは光ってましたが、あと二人くらい、エデンやケヴィンやルカクみたいな若い子が生まれてくるといいですけどねえ。

このマッチ、ベルギーでは360万人が観戦したらしい。

ベルギーの人口は1100万人くらいのはず。

日頃サッカーには興味のない私みたいな人まで観たわけだから、そうかもね。

 

サッカーに敗れた後は、ニュースのスポーツコーナーはツールドフランスばかり。

昨日のコースはプロヴァンスのヴァントゥあたりで、ベルギーの選手が大きく他を離してトップでした。

大会中、最もたいへんなコースの日だったんじゃないかな。

www.rtbf.be

ツールドフランスを皆が喜んで観るのは、ただ自転車が好き、っていうんじゃなく、景色が美しいから、です。

プロヴァンスは私のモト夫が好きだったんで、何回も行きました。

このヴァントゥのヴァンは Vent 風 のことだと彼に教えてもらいましたが、その名のとおり、ここの風はすごい、体ごと吹き飛ばされそうなくらいすごかったです。

 

私が初めて訪ねた頃は、まだその姿が素朴で、小さな町の昔ながらのレストランに行くと、そこに住みついている有名な画家さんが食事していたり、ミーハーの私が「うわーい」と喜ぶ感じでした。

それが、行くたびに少しずつどこも小ぎれいに観光化されちゃって、ちょっとがっかりでしたが、ま、そんなこと観光客の私が嘆いていいことじゃありませんしね…。

 

プロヴァンスのどこかで暮らそうか、と、売り家を探しまくったりもしました。

これいいんじゃない?となると、モト夫はなんだかんだと問題を探しまくるんで毎回ボツに。

今にして思えば、口先で言ってるだけで、ホントはその気はなかったんだろうと思います。

ホントのところは、私が「何言ってるのよ!」と止めることを期待していたんでしょうが、いかんせん、ミーハーで思慮浅く常におもしろそうな方になびく私は、止めるどころか、彼が後に引けない状況へと向かうので、けっこうしんどかったでしょうね。

かわいそうに。笑

 

 

日本のニュースで話題として取り上げられたかは知りませんが、しばらく前からこちらのニュースで、カナダの先住民の子供たちが、親から引き離され、本来の言葉と習慣を否定され、さらには虐待を受け、多くが死んじゃったりもした、その事実に国が詫びた、という話が話題となっています。

Netflixで最初に視聴したシリーズの一つが Anne with an E (赤毛のアン)でした。

小さい頃読んだ「赤毛のアン」にはなかったと思うエピソードが、この先住民の悲劇だったと思う。

正直な話、私はこの件、このドラマで初めて知りました。

 

赤毛のアン」は、私も他の女の子たちの例にもれず、読んで感動したひとりですが、アンのシリーズを全部読むほどのファンではなかったです。

小学生の頃は、その手のお話より、インカ帝国の謎、とか、プルターク英雄伝とか、そういう類の本の方が好きだったし、マンガばかり読んでたので。

 

 

何回かここで記している、難民申請している人たちのハンガーストライキ、ついに教会の門を閉ざし、援助すら拒否する状態になってます。

水を3日間摂らないと死に至るらしいし、早急に会議が開かれるそうです。

ストに入っている人たちも、みんなまとめて、っていうのは諦めるようなことを言っていたと思います。

 

 

 

さて、あとは、トンカツがおいしい台湾人夫婦がやってるお弁当屋さんが復活!

嬉しい。

開店していることに気づいたので、さっそくトンカツ弁当ゲット。笑

ふたりともワクチン接種終了したから、6月中旬には開いていたんだそう。

他にお客さんがいなかったのでちょいとお話しました。

私なんかがニュースを見るかぎり、台湾はダントツで優等生っぽいですが、彼らが言うには「今は最初の頃ほど良い状況ではないし、国としてはそれほどお金ないから、コロナ禍後の経済回復はタイヘンだと思う」と。

ワクチンをゲットすることも難しいんだ、と言ってました。

それに「ここに暮らしていると、まず自分自身の人としての権利を主張することは、恥ずかしくない当然のことだけど、あっちに住んでる身内は、お上の言うことに従順だから」と言ってました。

「アジア人の特徴かしら?」という話になりましたが、どうなんでしょうねえ。

 

 

ということでオシマイ…。

 

7月に入ったので メモ

7月に入りましたね。

前回更新した後、また竜巻と大雨の被害がありましたよ。

 

さて、メモしておこうと思ったことがいくつもあったのに、世の中のバカンスモードを横目にこのところ珍しく忙しくて、ちゃんと記せないまま時間が過ぎていく。

気持ちが焦るので、ま、自分用に記すだけ記しておこうか、と。

 

7月1日からいろんなことが変化するんだけど(1日にブリュッセルのメトロ・トラム・バスの10回券も1ユーロ値上げになってた!)、例えば、これまで22ユーロまで免除になっていたEU外からのオンライン買い物品の全てに付加税がかかることになりました。

私はそういう買い物はほとんどしないのであまり関係ないんだけど、本以外には21%だそうだし、けっこう大きいですよね。

www.rtbf.be

 

 

恒例の夏のバーゲンもスタート。

ロックダウンのせいで在庫がいっぱいなんで、今年はものすごくお買い得らしい。

 

 

ここんとこよく耳にし目にするのがジム・モリソン。

明日3日が命日だから、です。

亡くなった時まだ27歳、若すぎる死ですよね。

別れた夫が大ファンだったので、ベルギーに暮らし始めた頃、ペール・ラシェーズ墓地にお墓参りに連れていかれましたよ。

声が美しいなあ、と思います。

www.rtbf.be

 

 

昨日の夜、Youtubeでニッポンのアニメを観てました。

Netflixでもそうですが、オリジナル音声にフランス語かスペイン語か英語の字幕あり、で視聴します。

へえ、こういう訳するんだ、とか、この訳ヘン、とか、ここはニッポン語を聞き間違えてるぞ、とか思いながら見るのがおもしろい。

昨日視聴していたのはスペイン語字幕だったんだけど、「ねえ」とか「おい」とか「ちょっと」とか呼びかけるときの訳が che チェ でした。

ほおお、これ字幕付けてアップした人ってアルジェンチンの人なのかなあ、と、これもおもしろく思っちゃった。

 

 

しばらく前にちょっと記した難民の人たちのハンガーストライキ、もう長いこと続いていて、かなり危ない状況の人もいるらしいです。

彼らが要望しているのが、「みんないっぺんに申請受領してもらうこと」なんですが、政府の方、それはできない、と。

去年申請受領したのが4300人と言ってたような気がする。

受領を急ぐ気持ちもわかるし、そんな簡単にはいかないという政府の立場もわからないじゃない。

申請と受領の間の中間的な仕組み、せめてハンガーストライキなどしなくてもいいようにならないかな…。

以前は、申請した人が住む施設があって、出入りも自由、お小遣いも出る、ある一定期間が過ぎたらそこから仕事にも通える、って感じだったんですけどね…。

 

 

ユーロ杯ですが、今日は21時からミュンヘンでベルギーvsイタリア戦です。

ベルギーがいたBグループには、これはやばいぞ、みたいな相手がいなかったんで、楽勝だろうと観戦しなかったんですが、前回の1/8ファイナル、対ポルトガル戦から見ています。

何年か前に仕事でベルギーチームについてまわったことがあって、親しみを感じています。

キーパーのチボーにはインタビューもさせてもらったんですが、礼儀正しいしかわいらしいしで、いい子だな、と思いました。

だから「赤い悪魔」の試合は、まるで母親の気分でハラハラ心配しながら観てしまいます。

ポルトガル戦、エデンの弟トルガンがきれいなゴールを決め先取、一方ポルトガルは何回もあったチャンスに決めきれず、かわいそうでしたが、やはり我が子に勝って欲しい(笑)ので、ドキドキでした。

特に最後の5分の長いこと長いこと…。

 

エデンとケヴィンが負傷していて、今日はどうなるか、やはり心配ですが観戦するつもり。

 

でもユーロ杯のせいでコロナ感染の状況が悪化する心配もあり、お祭り気分はわかるけど、充分気をつけて欲しいものです。

 

 

試合が始まる前に終えておくべきことがいっぱいある。

落ち着かないのでこのへんでオシマイ。

 

 

 

今日のメモ、いろいろ

考古学デーに参加した時まで暑かったのに(25℃くらい)、その後はずっと降ったり曇ったりでひんやりしています。

窓を開けていると勝手に暖房が入っちゃうくらいひんやり。

今週末くらいから20℃くらいにはなるようですが。

 

コロナ禍の方の数値、ICUの患者数が183人、Rtが0.80です。

今月末にはベルギーはグリーンゾーンになるそうです。

ピークの頃のICU患者数900越え、っての、こうやって振り返ると、やはりタイヘンな数字です。

変異株が怖いので、ワクチンは2回目もしっかり受けてください、と専門家が強調していました。

今ベルギーでは、18歳以上の7割近くが少なくとも1回目の接種を済ませたそうです。

 

 

さて、ここ数日の一番のニュースはハンガリーのこと。

今朝も朝のラジオで繰り返し繰り返しこの話題が取り上げられました。

外務相(コロナ禍の臨時政府で首相だったソフィー・ウィルメス)や学者さんたちもスタジオに招かれて、です。

6月15日にハンガリーの国会で承認された法律は、性的マイノリティを差別するもので、EU内で抗議の声があがっているのです。

オルバンの政党による「18歳以下の者に同性愛やトランスジェンダーに関する情報を提供したりその方向へ向けるようなことをしたら罰せられる」って法律らしい。

映画なんかもその対象です。

同性愛カップルが仲良く一緒に出歩くこともできない。

 

昨日はその法律について、EU委員会のトップ、ウルスラ・フォン・デル・ライエンさんが「恥」だと、とても強い言葉で批判しました。

EUの核となる価値観に反している、と。

今日の午後はEUサミット、テーマの中心は気候問題などですが、ハンガリーは強い圧力を受けることになるでしょう。

なんといってもEU加盟国のひとつとして、さまざまな経済的利益を得ていますから。

(しかもそれを自分の懐に入れているような人たちです。)

でも、各国が法治国家としてリスペクトされなければならないという決まりがあるので、罰則を与えることはできない。

 

昨日はミュンヘンでユーロ杯Fグループのドイツvsハンガリー戦が行なわれたんですが、それに際してスタジアムを虹色にライトアップするはずだったんだけど、UEFAが政治的行為はNGだと禁止してきて、一昨日それに怒ったミュンヘン市長が抗議のスピーチを行っていました。

結局スタジアム以外の建物を虹色にライトアップ、観戦者には虹色のフラッグを渡す、という方針に変わったそうですが。

(ユーロ杯、試合はあっちこっちのスタジアムで行われているんですが、コロナ禍を考慮して観戦者数等制限がなされているのに、ハンガリーはそういう制限を設けてない唯一の国です)

昨日はブリュッセルのグランプラスも虹色にライトアップ。

FBにブリュッセル市がフォトをアップしていました。

実際には見てないんだけど、美しいいなあ、と思いました。

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www.rtbf.be

政治学者の人が言ってましたが、ハンガリーって人口がどんどん減っていて、移民が入ってくるより、移民として出ていく人が多いってのが深刻な問題らしい。

もし私がハンガリー市民のひとりだったとしたら、こんなトップのいるところには暮らしたくないし、そりゃ出ていくわ、と思うんだけど、そうやって人口が減ることもこういうトップが生まれる理由の一つ、ってことなんですね…。

 

 

 

あと、ベルギーのコロナ禍後の経済再生計画にEUがGOサインを出したという話題も大きく取り上げられています。

全体で7500億ユーロのうち、59億ユーロの助成金が出されます。

( ↑ 数字が1000を超えると脳内に混乱が起こされ、毎回数字を書きながら、これでいいのか?と自信ナシ…。750x10億ユーロと5.9x10億ユーロです。)

この助成金は、気候問題・教育・デジタル化の分野のプロジェクトに利用されることになります。

www.rtbf.be

 

 

 

さて、考古学デーの後のイヴェントについて。

 

22日、フェミニズムの視点からのマロール地区めぐり、ですが、集合地点その他がすごく曖昧で、申し込んだもののどうやって参加すればいいの?って感じだったので、これを教えてくれた長女クンにSOS発信。

で、これはガイドとともに歩く、ってんじゃなくて、長女の友人であるその主催者がアップしてくれた地図と音声ガイドのアプリでもってそれぞれが勝手に歩く、というやつだと判明。

「ちょっとわかりづらいインフォだったね」と長女クンは老いた母をフォローはしてくれましたが…。

そういうわけで、これからしばらくの間、自分の好きな時に出かければいいわけです。

それはそれで都合がいい、です。

実は22日は、突然やらないといけなくなった事務処理に追われ、とてもイヴェント参加の気分ではなかったんでホッとしました。

近いうちに行くつもり。

 

こういう方法で、モーレンベーク地区を散策したことがあります。

モーレンベーク地区って、テロ事件が世界中で話題になった頃、まるでテロの巣窟の怖いところ、って感じで有名になっちゃった地区。

確かにテロリストたちはこの地区に集まっていたんですけどね、知らない人たちが偏見でもってイメージしているようなところではない。

文化センターに行って無料のオーディオガイドと地図を借りてめぐるんです。

自分のペースで回れるし、いろんなことを知ることができ、いいアイディアだと思いました。

 

 

昨日23日は王立アカデミーとOECD共催のWebinarでした。

 タイトルが « La vague délibérative en Belgique » です。

 

発言者がけっこう多いのに、時間は12時30分から14時までのわずか1時間半というプログラムを見て、短すぎるんじゃないのか、と思ってはいたんですが、はい、短すぎました。

発言者たちも「これだけは絶対言いたい」ってのがあるので、機関銃のように早口でしたよ。笑

そういうわけで、とてもゆっくりメモなんかしていられなかったのですが、ふむ、と思ったことでちっちゃい脳みそにわずかに残った記憶を、消え失せないうちにここにメモ。

 

進行役はルーヴァン大学の社会学者さん。

1975年生まれの社会学者。

自分と比べて年下の人はみんな「若い」って思っちゃうんですが、今は彼女の世代が政治的にも学問の分野でも中心にいて、世界を引っ張っていこうとしている印象。

がんばって!と思っちゃうなあ。

王立アカデミーの人文セクションのトップも務めているのね。かっこいいなあ。

en.wikipedia.org

発言者は以下のとおり。

コピペだけしておきますが、連邦政府の大臣、ブリュッセル首都圏の議員、ドイツ語圏の議会長、学者、OECDの市民参加プロジェクト関りの人。

 David Clarinval, Ministre fédéral des Classes moyennes, des Indépendants, des PME, de l'Agriculture, des Réformes institutionnelles et du Renouveau démocratique
- Karl-Heinz Lambertz, Président du Parlement de la Communauté germanophone
- Magali Plovie, Présidente du Parlement francophone bruxellois
- Isabelle Ferreras, Présidente de l’Académie royale de Belgique, Professeure UCLouvain/FNRS
- Justine Lacroix, Membre de l’Académie royale de Belgique, Professeure ULB
- Min Reuchamps, Professeur UCLouvain
- Alessandro Bellantoni, Chef de la Division pour un gouvernement ouvert et innovant à l'OCDE
- David Van Reybrouck, Écrivain et auteur de Contre les élections
- Claudia Chwalisz, Responsable du programme de travail sur la participation citoyenne innovante à l’OCDE

 

ブリュッセル議会の5G導入に関する委員会に、市民から無作為に選ばれた人たちが参加した話は前に記しましたが、↑ のリストのマガリ・プロヴィさんがそれを実現させる中心にいた人のようです。

無作為に選んだ16歳以上の10000人に連絡、その12%がこの件にポジティヴな反応をしてくれたのだそうです。

その人たちの中からさらに無作為に16歳以上の45名を選んで議会に参加してもらった。

うち諸事情により抜けた人がいて、最終的には43人が参加した、という経過だったのだそうです。

彼女が、この方法を定着させるためには以下の配慮が必要だと言ってました。

・仕事を休めるように仕組みを整えること

・文化が多様なブリュッセル、仏語・蘭語をうまく解せない人のためにそれを助けるアシスタントをつけること

・小さな子供を抱えている、など、家庭の事情によりリクエストに応えられない人のための仕組みを整えること

 

 

↑ のように、議会に市民が参加した、ってのは世界初でしたが、市民の中から無作為に選んで委員会をつくり、あるテーマに関して学び話し合ってもらう、っていう試みはすでに1986年より世界のあちこちで行われていて、2019年10月まで289例あるそうです。

OECD加盟国では18か国。

グラフを見ると、最も事例が多かったのはドイツでありました。

 

ベルギーでもドイツ語圏がすでにいろいろ試みているようで、↑ のリストの発言者、ドイツ語圏議会長のカルル=へインツ・ランベルツさん(昨日の参加者で一番年長、67歳)は、かなりこの件に関わってこられており、こういう方法を取りさえすればいいってもんじゃない、と強調されました。

実は私もそこんとこが一番気になっていて、すでにもう結果が決まっているところに「市民も参加した」っていう形だけを残した、みたいになったらイヤだなあ、と。

5Gに関するニュースを聞いた時に最初に頭をよぎったのがそれ。

 

David Van Reybrouckさんは、このテーマにOECDが関わってくれているのを喜んでいました。

 

機関銃Webinarについては、メモしておこうと思い出せたことがこれくらい。

 

脳みその容量がねえ…、ほとんど残ってないから。

少しでもメモしておかないと、次のインフォが入った際に自動消去されちゃう。

 

 

今後のアジェンダというんで前に記したことに、やっぱり漏れがありました。

申し込んでいたのに忘れていたイヴェントが一つ、今日の夕方です。

メヘレンやルーヴァンの歴史の中で避けて通れないブスライデン家は、ブリュッセルともかかわりが深いのにあまり知られてない、ということで、その「関り」の話。

ブリュッセル市博物館主催。

us02web.zoom.us

 

 

夏至をすぎ、これからは日が短くなっていきますが、それでも10月くらいまではまだなんとかエネルギーが保てますからね、社会にあるいろんなツールを利用させてもらって、楽しくいこう、と思うちびころなのである。

 

 

ブリュッセル考古学デー

一昨日と昨日、予定通りブリュッセル考古学デーのガイディング・ツアーに参加しました。

お天気は晴れたり・曇ったり、雷雨が突然…なんてこともありうるなあと、それが一番心配でしたが、雨が降るのは連日夜のみ、よかったあ。

降ってくれないと爽やかになりませんから、降るのはいいんです。

でも。歩くときはいやだ。

 

一昨日の夜は竜巻が発生しタイヘンな被害が出たところがありました。

怖いですねえ。

ニュースで被害を受けたボーランとロシュフォールの様子を見ました。

このボーランというところは、ベルギーで2か所ある聖母マリア出現地のひとつです。

www.rtbf.be

 

昨日の大きなニュースは、ひと月ほど前にここでも記した、コロナ禍対策の中でアドヴァイスをしていたウィルス学者を殺すと脅迫した過激極右思想の兵士、武装したまま逃走したんでずっと捜索されていたんだけど、遺体でみつかった、という話。

今朝のニュースによると、自殺であることも確認されたそうです。

SNS上でもリアルでも、この人を支持するひと(その多くは陰謀論を信じる)もけっこういるらしい。

こういうの、ワタシには理解不能だけど…。

昨夜のニュースでは、犯罪学の専門家がコメントを求められ、この人物のあり方がいわゆる組織されたテロリストたちとは全く異なり、逃走中に先祖の墓を飾ったり、恋人に自殺を匂わせるメッセージを送ったり、非常に自己中心的である、と。

そして、この人をヒーロー化する者たちが出てくる可能性についても言及。

なにより、この事件、あまりにもカンタンに軍の武器を盗み出すことができたのが問題だったので、そのあたりの改善が図られるでしょう。

www.rtbf.be

 

 

コロナ禍については、ICUの患者数が200を切る勢いで、今朝のニュースでは204,Rtは0.77です。

 

 

 

さて、考古学デー。

 

土曜日はRouge-Cloître に行ってきました。

1300年代に、聖アウグスチヌスの教えに従い隠遁生活を始めた二人の人物が起源です。

当時のブラバン公爵が、この土地を彼らに授けました。

その後、統治者たちの庇護を受けどんどん発展します。

でも16世紀の宗教戦争で破壊されたり、その後建て直したものの18世紀にはオーストリア大公ヨーゼフ2世の頃は保護されることもなくなるし、さらにフランス革命軍の時代になると切り売りされるし、で、どんどん様相が変わっていきます。

このままでは貴重な歴史的な場所が損なわれるということで、1900年頃国が買い取り、現在はブリュッセル首都圏の所有です。

教会は全く、この場所を守るために囲んでいた塀はほとんど、現存しません。

 

無料でダウンロードできるヴィジターズガイドブック ↓

http://v3.globalcube.net/clients/rougecloitrev2/content/medias/publications/guide_fr.pdf

 

見学現場にたどり着くためには、市民の散歩、ジョギング、憩いの場となっている公園を通ります。

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働かず遊んでばかりのミツバチちゃん 笑 ↑

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ガイドを務めてくれたのは、考古学者の女性二人と修復工事責任者の建築家。

考古学者のうちひとりは建築に使用されている梁など、木材の年輪を調べることで、その建物がいつ建てられたものか特定していく方法を、実例を示しながら説明してくれました。

 

たとえば、これ。

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1階部分、アーチが4つ認められますが、実は12のアーチを持つギャレリーになるはずだった。

梁を調べた結果と残された資料で、この建物の建築が本来の計画を実現することなく、1683年にストップしちゃったのがわかるのだそうです。

 

ちなみにフォトの右に写ってるその後付け足された部分は、今アートセンターになっていて、今アドリアン・ヴァンドゥプット展をやってました。

fr.wikipedia.org

 

 

maison de prieur (辞書を見て直訳すると、修道院長の家 になるけど、ここは修道士たちが生活した建物)の修復工事現場は、もうひとりの考古学者さんと建築家さんが案内してくれました。

もう20年前からずっと閉じられています。(閉じられる前レストランだった)

ものすごく長い時間がかかっているこの建物も、近い将来カフェ・レストランおよび催物会場としてオープンするらしい。

 

一番美しいのが、17世紀のこのギャレリー。

工事現場なので見学者もヘルメットをかぶることが義務。

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ここはゴチック部分。

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最後にこの壁画が修復されることになります。

保護するために紙が貼り付けてあるのでわかりにくいですが、広々としたスペースに続くかに見えるようなトロンプルイユとなってます。

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一見同じ窓が並んでいるかのように見えますが、ひとつひとつのサイズが微妙に異なるので、ひとつずつ修復されました。

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窓の下部分の装飾も同様、ひとつひとつ修復。

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この空間に設置するには、あまりにも醜くてガッカリなのがラジエーター ↓ 。

ホントは床暖房にしたかったのだけど、床も昔の工法で石灰を使うもので、その工法だと工事を担当する事業者が負担が大きすぎてやりたがらない、でこうなった。

でも、最近視察に来た担当大臣も「醜い…」と嘆いたらしくて、最終的には床暖房になると思うよ、と建築家さん曰く。

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見学終了して歩いていると、昔の農場あたりにメンヒールかと思われるこんな石が!

何なんだろうと思ったけど、もう解散した後で考古学者さんたちもいなくなり、質問できない…。

でも翌日この疑問は解けました。

後で記します。

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今回の見学では専門分野が異なるので全く触れられませんでしたが、ここで初期フランドル派第2世代の画家Hugo van der Goesが晩年を過ごし亡くなっています。

この画家さん、今まで作品をを見ることはあってもあまり関心なく、ゲントの画家だ、くらいの認識しかなかったのですが、今回この考古学デーの話をした友人に、この場所と関りが深いことを教えてもらったのです。

それをきっかけにちょいと調べることで、彼が私の中で生きた存在となりました。

興味がわいたので、今後詳しく見ていこう、と思っています。

ja.wikipedia.org

 

 

 

そして昨日は、昔のブリュッセル港の跡地めぐり、昔の種子市場の発掘現場の見学。

 

まず港跡地巡り。

集合場所は聖カトリーヌ教会のすぐ後ろにある、まだ小さかったブリュッセルを囲んでいた13世紀の城壁の塔の前。

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案内をしてくれたのは歴史学者さんです。

 

ブリュッセルの街とアントワープのスヘルト川をつないでいたセンヌ川では、商業の規模と船自体の規模が発展することで間に合わなくなり、1600年代に運河が作られ、それに伴ってより大きな港が作られました。

1900年頃まで使われていて、船もいっぱい入ってきていたんだけど、それは今の姿からは想像もできません。

そこを「以前はここが・・・」と案内してもらいながら歩いたわけです。

ある程度は知ってましたが、当然知らなかったこともいっぱいでおもしろかったです。

 

今でも少しだけ水が残してあるところもあります。

 

最初のフォトは、今「魚市場」と呼ばれている大きな広場。

このフォトの右側に入ると、ベギン会跡地です。

ここのベギン会は1250年に作られました。

17世紀、ここが重要な港になった時、ベギン会が土地をいろいろと譲ったとのこと。

今でもバロック建築の教会があります。

 

余談になりますが、その教会はいつも難民の人たちの避難場所になっていて、ここしばらくはベルギーにおけるステイタスを求め、彼らがハンガーストライキをしています。

難民として認めてもらえれば、職業訓練を受けたり、公的な援助を受けたり、正しいやり方で仕事することもできますから。

うちの子供たちが暮らすシェアハウスにも、最近難民として認めてもらい職業訓練を受けているギニア人の男の子が暮らし始めました。

その子がどんなタイヘンな思いをしてきたかは、またの機会に記しますね。

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このあたりが一番大きな船着き場だったところ。

鉄道が敷かれることで役割を失いますが、他の街からブリュッセルにやってくる交通手段でもあった船が、当時は50隻くらい止まっていたそうです。

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この ↑ 一番大きな船着き場から垂直に伸びた道も船着き場で、昔の商人たちのプライヴェートの倉庫が左右に並び、一番奥の大きな倉庫が国所有の倉庫でした。

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1900年頃、この港がつながっていた運河自体が200メートルほど移動され、シャルルロワ運河(シャルルロワは当時の重工業の中心地のひとつ)とつなげられました。

 

 

 

港巡りの後は、昔の種子市場があったところの建物の一つの発掘見学。

その建物はプライヴェートなもので、近い将来ユースホステルになるそうです。

 

案内はふたりの考古学者さん。

 

壁の一番古い部分。

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レンガの部分と、少しアーチを描いた13世紀の城壁の一部だった石の部分があります。

 

この壁 ↓ は、上の部分より後に作られたもの。

まだ剥がしたばかりで詳しい調査は終わっていない部分だそうです。

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この建物、お隣はカフェですが、そこと共有している壁です。

お隣にもこの窓跡が確認されているそう。

 

石を削る際に使われた道具がなんであったか、レンガやそれを積む際につかわれたつなぎの成分や特徴で、いつ作られたか、どこから持ってきた材料か、全部わかるのよ、とのこと。

例えばレンガは、13世紀には一つで3キロだったのが、その後技術の進歩で軽くなり2キロになった、とか。

考古学者の研究は、そういうものを一つ一つ解明していくことで、当時の社会のあり方を明らかにしていくこと。

レンガの重さひとつからでも、当時労働に従事した人々の生活がわかる、と話してくださいました。

おもしろいなあ…。

 

古いものの上に後の時代に重ねられたものも、それが層ごとに語ってくれるものがある、というんで、剥ぎまくっているわけでもないんです。

所有者は、ユースホステルになるときはそういう姿をしっかり持ち味にしたいそうです。

 

 

おもしろい話がいっぱいでしたが、例によって記すエネルギーが尽きてきちゃった。

 

最後の見学の時の二人の考古学者さのうちひとりが、前日の修道院の方でした。

それで前日の疑問の解決ができたのでした。

 

「あ、あの石ね。あの家には若い彫刻家が住んでいてね、彼の作品なのよ」

 

というわけで、メンヒールなどではなく、現代アートでありました。

 

修道院時代に水車があったらしいんで、それに使われたメカニズムの一部か?なんて思ったんだけど、大違いでありましたわ。笑

 

 

考古学デーはしばらく前から毎年行われていますが、去年はコロナ禍でなし。

私自身はそれより以前は仕事で忙しくて、こうやって参加したのは初めてでした。

今年はまだ例年の規模では実施できなかったけど、来年はラボの見学もできるはずよ、とのこと。

来年もどうせヒマだし、また参加したい。

 

主催はここ。

urban.brussels