久しぶりの日記

このブログ、更新しないままほとんど1年が過ぎてしまいました。
久々に更新。
タイトルも変えちゃった。

去年のクリスマスで60歳になりました。
去年はずっと会う人ごとに「還暦だ!」と言いまくり、これが物忘れやドジの、ものすごくいいエクスキューズになることを発見(笑)。
それに、暦を一周して振り出しに戻ったことだし、これからは人生のオマケ部分のスタートと、とにかく残りの人生を楽しむぞと思っています。
明日死んでもかまわないし、それに、いざとなったら死んだふりで乗り切ろう、と(笑)。
というわけでタイトルも変更。

2月も半ば過ぎ、日もだいぶ長くなってきたし、お天気のいい日は、お日さまもずいぶん高くなりました。
春がもうそこまで来ています。
嬉しいものです。

ということで…。

「この世界の片隅に」を観たこと、東日本大震災の6年目を迎えたこと、ヨーロッパのこと


28日しかない2月は、飛ぶように去ってしまい、もう3月も中旬です。

今日は久々に、「しないといけないこと」にプッシュされることのない日曜日。
おまけに暖かい、青空の広がる良いお天気で、3月になると、冷たい凍えるような日があるかと思うと、こういう春の日もあります。日も長くなったし、嬉しいことです。
今月末には、サマータイムに突入。暗い冬もようやく終わりです。


ずっと楽しみにしていたアニメ「この世界の片隅に」を、先月末観てきました。
毎年カーニバルの頃、ブリュッセルのフラジェで行われるアニメフェスティバル「ANIMA」。
「君の名は」も「この世界の片隅で」も、絶対上映されるに違いない、と思っていたら、そのとおりでした。
上映の2週間ほど前にチケットをゲットしようとしたら、先に上映される「君の名は」はもうソールドアウト。
この世界の片隅に」の方は、ぎりぎりでゲットできました。よかった。

欧州では初公開ということで、プロデユーサーの方がいらっしゃっていて、上映前に少し話をされました。
上映後にはディベートもやります、とのことでしたが、なにせ上映開始が22時、とてもディベートまで残る気力がなく、残念ながらこれはパス。
後で参加した人の話を聞くと、ディベート後は、残った人たちみんなでビールを飲みに行ったそうな。
かえすがえすも残念なことだけど、夜中12時をまわっちゃうと、おばさんにはつらい。(笑)

原作のマンガも読んでいたので、お話の内容は知っていましたが、証言をもとにできうる限り忠実に描いたという映像も、期待していた通り、とても美しかった。

観客の反応も良かったと思います。笑い、涙を流し、終わった時には拍手が起こっていました。


昨日、3月11日は、東日本大震災からちょうど6年目でしたね。
私は仕事が入っていたので、何にも参加しませんでしたが、友人が鎌仲ひとみさんの映画の上映会を開いたし、いつもものすごく頑張っているデユッセルドルフの「さよなら原発デユッセルドルフ」の人たちは、デモをやりました。
また、今日から、彼らが主催する樋口健二さんの写真展も、デユッセルドルフでスタートです。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/list/201703/CK2017031102000204.html

先月19日には、アーヘンで、おしどりマコさんの講演もやりました。
アーヘンは近いので、友人たちと聞きに行きました。
その時のことを、一緒に行った友人がその時の動画つきの記事にしていているので、貼り付けます。
皆さんにもぜひご覧いただきたいと思います。

http://www.speakupoverseas.net/learning-from-fukushima/


動画と言えば、フクシマ出身、モントリオール在住で、一昨年パートナー氏がサバティック・イヤーということで、家族4人で1年間ルーヴァンにいた知り合いが教えてくれたこの動画。

"Fukushima, A nuclear story" by Matteo Gagliardi (2016) is now on VIMEO for free screening till March 16, 2017.
https://vimeo.com/207604996

以下鑑賞サイトよりそのまま引用:

映画『福島原発の悲劇』(英語版原題 "Fukushima: A Nuclear Story")

この映画は、昨年3月11日にイタリアのSKYTG24テレビ放送で初公開され、その後、アメリカ、カナダ、ブラジルも含めて、世界16ヶ国で放映されました。が、日本では未だ正式公開されてはいません。全テレビ局おことわりしました。

しかしながら、これは、特に日本人の為に作られた映画なのです。日本の人々がこの映画を観れるように、その権利を守るために、今から1週間にかけて、無料配信致します。

是非御覧ください。

そして、宜しければ、是非コメントをお寄せください。

宜しくお願い致します。



ということで、私も今から観賞します。



さてさて、ローマ条約から今年で60年。いろんなところで反EUの動きがあり、危機を迎えているEUです。

もうあと数日で、オランダの選挙ですね。どういう結果になるでしょうか。

以前にもちょいと記したことのある、申し込みさえすれば、だれでも無料で聴講できるベルギー王立アカデミーの公開講義でも、「欧州は歴史上の転換期にあるのか」というテーマで、3回連続の講義が先週スタートしました。
第1回目は、「現在の危機と過去の危機」(歴史学的視点)というテーマで、歴史家のロナルド・サッスーン氏によるものでした。イギリス人ですが、カイロ生まれでフランスやイタリヤでも学んだという、多文化の方、フランス語も訛なし(笑)でした。
ヨーロッパのどこの国も、自国の歴史は学んでも、欧州全体の歴史を学ばず、隣国のことすらよく知らない、と話されていたのが印象的でした。

ブリュッセルに住んでいると、「EU」はとても身近だけど、よその国の人たちには全然身近じゃないんでしょうね。
EUももっと広報に力を入れないといけないのかな?
EU市民ひとりひとりが負担するおカネなんか、本当にわずかなんだけど、そういうことも誰も知らないんだもんねえ。
それに、最初にEUを作った人たちは皆年を取り、今のEUの人たち、エリートっぽすぎるのかもしれない。


今週のテーマが、「グローバリゼーションにおけるヨーロッパの位置」(経済学的視点)、来週が「地政学的変化と、そのEUへの影響」(地政学的視点)です。

うちの子供たちが学校で学ぶことを見てきた経験からいうと、ベルギーという国自体が若い国だからか、EU本部があるからか、あまり「自国のこと」ばかり教え込まれてきた印象はありません。
だいたい中央集権国家じゃないし、ナショナリズムもない国だから(10年くらい前に、当時の首相も国歌が歌えないことが判明。大笑いになったことがあるくらい。)。
少なくとも私には、小国のベルギーにとって、EUの中で、いろんな自由が保障されているのは、恩恵ではあっても、全然「損」な感じがしません。

これもいつも話題にする独・仏合同で作っているTV局arte、ここでちょうど、ローマ条約60周年ということで、10回シリーズで2500年に渡る欧州の歴史の番組をやってます。

http://www.arte.tv/sites/temps-forts/60-ans-traite-de-rome/


もうひとつ、昨日のニュースの、現在のアフリカの干ばつによる深刻な飢饉に関する話が印象的でした。
80年代の飢饉の際には大きな話題になり、ものすごく多くの人が助けようと寄付もしたのに、今はほとんど誰も心配しようとしない、これはいったいどうしてだろう、と。
インタビューに答えて、一人の人が、「難民問題などで、だれもよその心配をするどころじゃないのだろう」と言ってましたが、多くの人に心の余裕がなくなってきている、ということでしょうか。


と、今日はこの辺で。
今から上述のビデオを鑑賞します。

ユートピア


ルーヴァンのミュージアムMでやっているユートピアをテーマにした展覧会を観に行ってきました。
行こう行こうと思いつつ、モタモタしているうちにもうオシマイになる日も間近、これはもう今行くしかあるまい、と昨夜オンラインでチケットを購入。

トマス・モアの「ユートピア」がルーヴァンで出版されて去年で500年、というんで、去年の9月に始まった展覧会。

私の苗字、しょうほうじ、は、正法地、と書きます。
末法の反対である正法の地、というんで、仏教のお浄土の意味らしいのだけど、考えてみれば、これってどこにもない場所、ユートピアのことだ、と、今日はじめて気づいてしまった。

http://www.mleuven.be/fr/%C3%A0-la-recherche-dutopia

うちの本棚から文庫本の「ユートピア」を探し出してちょっと読んでみると、モアとその友人たちの書簡は、アントワープ、メッへレン、ルーヴァンなどで書かれています。

ブルージュに行くたび、トマス・モアが外交特使としてブルージュを訪れた際に滞在したという建物のそばも通ります。

彼らユマニストたちが生きた時代も、人々は今と同じような問題意識を持っていたのだ、と、彼らが生きたその地で思いを馳せることにちょっと感動してしまった。

デユーラーが2年に渡ってネーデルランドを旅したのもその頃だもんね。

500年かあ・・・。

2017年、今年最初に観た映画


みなさま、明けましておめでとうございます。

ベルギーでは寒い日々が続いています。
って、もっと寒いこともあったのに、ここ3年ほど、氷点下になることのほとんどない冬だったので、当たり前の寒さに驚いているところ。
なんでも、冬の到来が遅い時は、とても寒い冬になるとか。
(トラムでお隣に座った高齢の方がそう教えてくれました。)
そういえば、今年は9月に入っても、夏みたいなお天気が続いていたなあ…。

自由業の私は、お勤めの人が忙しくしているときにも、ヒマでダラダラしていますが、年末年始は少し忙しく、今日ようやくのんびりした時間がもてました。

というわけで、久々に映画館へ。

今年最初に観た映画は、チリ・アルジェンチン・仏・米作の『ネルーダ』。
パブロ・ネルーダを扱った映画では、『イル・ポスティーノ』が心に残っていますが、全然趣が異なっています。

まるでBDを読んでいるみたいだった。

来年がよい年であることを願いつつ、今年最後の更新です


今年初めに、心から平和なよい年であることを願いましたが、残念ながら、悲しいことや怒りを感じることばかり続いた2016年でした。

人類なんて、何千年かけてもちっとも進歩しないのだろうか、たとえ「3歩進んで2歩さがる」というリズムでも、全体を見たら少しずつ進歩していると信じたいなあ、と。
そういう話を、先日ブリュッセル自由大学で行われた哲学学会に参加された日本の哲学者の方に言ったら、そういうことを研究するのも、ほんとうは哲学者の仕事なんだけど、との返事をもらい、そうか、と、ずっとそんなことを考えています。
そういう研究をしている人は誰だろう、と。

そしたら先日、ベルリンでのテロ事件の直後に、arteでいつも放送されている、ゲストを招いて時事問題について語り合う28minutesという番組に、フランスの哲学者・科学史家であるミシェル・セールがゲストに招かれていました。
ああ、そうだった、この人は人類の進歩について語る哲学者だった、と思い出しました。

人類が経験したことのないカタストロフに直面した時、いつも新しい人々が現れて、それを解決する方法を見つけ出す、という、非常にオプティミスティックな考えをする人です。

人類の歴史は暴力だけではない、と言っていました。
そして、今でも、フランスとドイツの国境を自由に超えるとき、自分は感動に涙する、と。

それで、前述の哲学者さんに「新しい人々」の話をしたら、新しい人々とは一種の希望のことかもしれない、「受胎告知」もそのような希望かもしれないですね、と言われました。
おお、受胎告知か!
なるほど、と、さすがの連想に感心してしまいました。
でも「どこかで歴史は退歩に向かっていくのではないかという思索も必要」と…。

さらに、いつもTBSクラウドで聴く荻上チキさんのラジオ番組で、≪新刊『地球の歴史」が話題の鎌田浩毅さんプレゼンツ!一歩間違えば今の地球はなかった!?地球46億年の5大事件」≫を聴き、やはりなんだか気持ちが大きくなって、少し元気が出ました。

地球の何十億年という歴史や、宇宙の壮大な歴史の研究をしている方たちは、概してオプティミストなのかな?

宇宙から見たら、私がいつもむかつく人々や、私が尊敬してやまない人々や、私自身や、みな埃ですらないのかもしれないですもんね。

その埃にも満たない私も、日々生きています。
大切な人々には、健康で充実した人生を送ってほしい。

というわけで、今年最後の記事を〆にします。

明日は私の誕生日なので、子供たちがそれぞれボーイフレンドと一緒にお祝いにやってきます。
ありがたいことです。

最近のこと、いろいろ


12月になりました。
毎年、師だけでなくオバサンも走り回る月なのですが、まだまだ3月のテロ事件の余波でヒマな毎日なので、映画を観に行ったり、王立アカデミーの講義を聞きに行ったり、ネットで公開されているドキュメンタリーを視聴したり、呑気な日々を送っています。

日はどんどん短くなり、夜が明けるのは遅く、夕方5時にはもう暗くなります。
それで街はイルミネーションが美しく、毎年恒例の音と光のショーも始まりました。
今年はクラシック音楽ではなく、ポップソングで明るいイメージ、光も色とりどりです。

こちらで「青い鳥」(ちなみに「青い鳥」を書いたメーテルリンクはゲントの人です)という日本語のオンライン情報誌があるんですが、そこに今年の様子がすでにアップされていますので、リンク貼り付けます。

http://www.aoitori.be/event/402-christmas.html

最近観た映画は2本。
ケン・ローチのI,Daniel Blakeと、いつも映画の情報満載のSPYBOYさんのブログで紹介してあったSing Street。

前者は、もう辛くて…。
ベルギーでもありそうな話です。
ケン・ローチの作る映画は、いつもものすごいリアリティですよね。
先日arteで、彼の映画の作り方に関するドキュメンタリーを見たのですが、彼は俳優陣に、ストーリーの細かいことは直前まで知らせないのだそうです。
ランド・アンド・フリーダムを例に話していましたが、仲間が死ぬことを知らない、死ぬことになる俳優も、それを直前まで知らない、という具合です。

後者については、SPYBOYさんのブログを読んでいただいた方が絶対いいので、リンクしちゃいます。

http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20160711/1468235720

きっとみんなアイルランド訛りで話していると思うので、そのあたりを聞き分けることができたら、さらにじわっと来るのかもしれない。



日本でとても話題になっているアニメ「この世界の片隅に」ですが、こちらの友人に話したら、とても興味をいだき、さっそくアマゾンでこうの史代さんの原作3巻を購入。
何回も読んじゃったそうですが、それをプレゼントしてくれたので、今読んでます。
2巻まで読み終えたところです。
素晴らしいですね。

主人公すずは、亡くなった母と同じ年だわ。
寅年生まれだったから。

こうの史代さんの好きな言葉がカバーに記されています。
ジッドの「私はいつも真の栄誉をかくし持つ人間を書きたいと思っている」です。
思えば、映画やマンガやロックミュージックといったサブカルチャーの持つ一番大きな力がこれかもしれないなあ、と。

サブカルチャーといえば、ここんとこずっとarteで、ギリシャ神話の神々に関する話が、毎週2本ずつ放映されています。
おもしろいんで欠かさず見ているんですが、ギリシャの神々ってはちゃめちゃですね。
怒りっぽかったり、傲慢だったり、惚れっぽかったり、嫉妬深かったり…。
ギリシャ・ローマ的なものこそ自分たちのルーツだと信じ、それが昔の知識人たちの教養だったわけだけど、これって今でいうところのサブカルチャーだったんだな、なんて思います。


それと、いろんな人が亡くなりました。
秋にはいろんな人が逝っちゃう、という印象があるけど、気のせい?

中でもフィデル・カストロの死は、ものすごく大きな話題でした。
亡くなった当日だけではなく、今でも、ニュースで扱われるだけでなく、ドキュメンタリー等、過去の分も再度放送されています。

時代を作った大きな人物ですよね。
寂しいことです。

ずっと前に観たことのあるドキュメンタリーをまた見ました。

http://www.rtbf.be/auvio/detail_fidel-castro-l-enfance-d-un-chef?id=2163275

父親の苗字であるカストロを名乗るのに、父親が正妻と離婚し、フィデルの母親と結婚するのを待たなければいけなかったこと、イエズス会の学校では、手に負えない困ったクンでもあったらしい。
そういう子ども時代から始まるドキュメンタリー。
とてもおもしろいです。

ガブリエル・ガルシア=マルケスが、キューバ共産主義は独特だ、と評価していたことや、メキシコにいた頃、グアテマラとの国境で会ったドイツ人の若者が、「キューバはいいよ、またこれからキューバに行くんだ」と言ってたことを思い出します。


あれもこれも、忘れないように書き記しておこうと思ってたけど、なんだかもうめんどくさくなってきてしまった…。

年のせいか?
このクリスマスで59歳だもんね。
来年は還暦ですよ。ウソみたい。
ま、精神年齢はノーテンキだった若い頃のまんまですが、体力の方は、やはりだんだん年とともに衰えてきてるかも。
これは自然の定めだから仕方ありません。(笑)

ま、できる限り、元気に楽しくやっていくのみ、であります。

みなさん、よい年末年始を!

ディカプリオの映画『地球が壊れる前に』(Before the Flood)

今ならディカプリオの「地球が壊れる前に」が無料で見られます。(11月8日まで)
友達に教えてもらって、今観終えたところ。
とてもよかったので、より多くの人に観てもらおうと、リンク貼り付けます。

とくに、NASAのDr.Sellersの話と、最後のディカプリオのディスクール、希望を感じた。


http://style.nikkei.com/article/DGXMZO08898510Y6A021C1000000?channel=DF260120166525