1週間経ったので メモ (追記あり!)

もう1週間経ったので更新。

あまり間を置くとむちゃくちゃめんどくさくなるので…。

 

今月はもうしばらくしたら仕事であわただしくなるし、きっともっとめんどくさくなるだろうから、ここ数日のことをメモしておかないと。

 

2~3日前、オバマ元米国大統領がアントワープに来てました。

講演のため。

その機会に、そういう講演にどのくらいの講演料が支払われるのか、他の有名人のケースも紹介しつつニュースで話してましたが、ものすごく高額なのでビックリした。

1回で数十万ユーロ。

 

昨日だったか一昨日だったか、オリヴァー・ストーンもベルギーに来てたような気がするなあ。

彼はプロ原発のドキュメンタリー(2022)を作ったんですね。

注意してなかったんで全く知りませんでした。

気候変動を止めるには・・・という発想らしいが・・・。

fr.wikipedia.org

 

一昨日シャルルロワで、麻薬・武器などを密輸しているという人の家に、早朝ポリスの特別部隊が捜査に入るという作戦が決行されたのだけど、そのときその犯人はその計画を既に知っていて、いきなりポリスに発砲するという反撃に出り、ポリス一人死亡(36歳)、一人重体、あと二人負傷、という「早朝から銃撃戦」という、ベルギーでは前代未聞の事態になってしまいました。

きちんと秘密裏に準備されていた捜査、それをもらしたのはポリス内部の3人だそう。

www.rtbf.be

 

 

 

先週木曜日、IRPA(Institut Royal du Patrimoine Artistique) の Porte ouverte (開かれた扉という意味で、いろんな学校や施設が、ときどきこうやって見学の機会を提供してくれる)で、ここのは有料(ひとり5ユーロ)の行事だったんだけど、私は毎月ちょびっと寄付しているゆえに二人分無料のチケットをもらったので、興味を持ってそうな友人を誘い見学してきました。

18時まで自由に見学してよく、各セクションにはその道の専門家がいて、説明してくれるし質問に答えてくれる、というイヴェント。

www.kikirpa.be

この機関は、文化財の研究・修復を行うところで、去年の9月、文化遺産の日にも見学したところです。

shohoji.hatenablog.com

おもしろかったです。

今修復の真っ最中の、本来アントワープの聖ヤコブ教会にあるルーベンスのお墓のうえに飾ってあるルーベンスの作品を観ることができたのが一番嬉しかったかも。

汚れやニスや後に上に描き加えられたを、ほぼ取りのぞいた状態のものを観ることができました。

ここまでの作業が修復で一番時間がかかるところ。

説明をしてくださったのは、ヤン・ヴァン・エイクの神秘の子羊の修復において、第1ファーズ(現在第3ファーズ)の責任者だった方。

修復の第一ファーズでも、表面の汚れとニスと後で上に描き加えられたものを取り除くのに3年かかったそうです。

良い機会なので、「こんどルーヴルに宰相ロランと聖母マリアを観にいくんだけど、最も観るべきところはどこでしょうか?」と訊ねたら、「青緑が美しいから堪能してね」との返事でありました。

 

あと、16世紀の油、ピーテル・アールツェンの作品、修復のことより美術史の観点から、修復中の作品に描かれていることについて、いろいろ解説してもらいました。

おもしろかった。

調べたら、Wikiにこの画家についてニッポン語のがありました。

ja.wikipedia.org

説明してもらった今修復中の作品はこれ。

当時の売春宿を描いたものです。

 

昼過ぎに、ちょっと抜け出して近くのカフェでワインとコロッケを食す。

 

で、お腹いっぱいになったら友人も私も脳みその容量が低下してしまった。

ワーテルローから出てきていた友人は、ここでギヴアップ。

私はもう少し残り、タピストリーのセクションを観に行きました。

むちゃくちゃ若い女の子が一人で担当していて、聞けばアントワープ大学の学生さん。

研修生で、今は第一人者の女性が年金生活に入ってしまわれていて、その方が毎週ちょっと顔を出していろいろ指導してくれるのだと言ってました。

その方はもう目が顕微鏡なのかと思ってしまうくらい、自分には言われないとわからないところがちゃんと見えるんですよ、と言ってました。

脳みその容量低下ゆえに、もっといろいろ教えてもらったけどほとんど覚えていない。泣

あまりにも若く見えるので、いくつ?と聞いたら、答えるのにすごく悩むので一緒に笑っちゃいました。

コロナ禍のせいで自分の歳がわからなくなっちゃった、と。

中等学校の生徒くらいにしか見えないのだけど、23歳でした。

 

 

 

翌日、金曜日には友人とランチに日本食レストランへ。

食後はレストラン近くのカフェでマッキアート。

カフェの壁です。

旧市街だし、たぶん1700年頃の建物だと思う。

昔の電話ボックスがアートになってた。

 

昨日火曜日は王立アカデミーの講演。

今回はいつもと異なり、ワロニア-ブリュッセルの議会が会場。

こういういつもは絶対入ることができない所に入る、というだけでも、ミーちゃんハーちゃんである私には喜びだったりする。笑

入るときはセキュリティー上バッジが必要。

バッジの下にあるのは私の手帳、スイカのステッカーはしばらく前に長女くんにもらったFree Palestine。

議会の中。

例によって早めに到着したので、この時点ではまだ人は少ないけど、後に満席になりました。

講演のタイトルは「デモクラシーの危機 les crises de la démocracie」です。

「危機」が複数になっているところも重要ですよね。

講師はフランス人の女性で、たしかEUコミッションで研究者をされている方だと思う。

専制主義」から「民主主義」への移行のピークはこの200年の間に3回。

そしてここ10年をグラフで見ると、また「専制主義」へと移行しつつある。

デモクラシーというのが、単に「選挙で投票できます(多数決)」じゃ不十分、デモクラシーの質が問われるわけで、言えることは「教育が大切」ってことなんでしょうね。

ベルギー人の ダヴィド・ヴァン・レイブルック

fr.wikipedia.org

私はこの人が大好きなんですが、この方がおっしゃる「市民から無作為に抽出した人たちで委員会を作り、勉強して、何らかの問題を決定していくプロセス」、すでにヨーロッパではブリュッセルが一番最初にこのシステムを導入しています。

5G に関する話し合いをしている。

いわゆる国民投票Brexit の結末を見ればわかるけど、単に多数決ではダメなんですよね。

ただ、こういうシステムって、市民に余裕がないと難しい。

ベルギーではワロニアもこのシステムをスタートしたそうですが、委員会の開催は週に1度ウィークエンドに、報酬も払われる、子供のいる人にはベビーシッターも用意される、などなど、ちゃんとしていて、私もやりたい!と言いたい。

 

講演では行き過ぎた質の悪いデモクラシーは、すなわちオートクラシーである、と…。

だよね、と思った。

また、行き過ぎた「デモクラシー」は「デモクラシー」を殺す、と。

たしかプラトンも遠い昔にそういうことを言ってますよね。

 

そういうわけで、特に目新しい内容ではなかったけど、講演後は飲み物やサンドイッチ、デザートもふるまわれ、イヤシイ私は嬉しかったです。

どれもすごくおいしかったし。

 

 

 

さて、その他フォトなど。

 

来年のコレクションを最後に、引退されるそうです。

 

これ、笑った。

ゴッホはここで生まれてないし、ここで亡くなってもいない、って。

じゃ、ここは何?

 

 

久々にシーレ。

Egon Schiele. Self-portrait with related sketch 1913

 

ローマに行って10日も経たないうちに、チビ太は寝返りを始めたり、いろいろ進歩しているようです。

予想はしてたけど、すごいわあ。

時々送ってくるフォト、バババカにはめちゃ可愛くて、長女には叱られそうなので、内緒でちょっとここに貼りたくなった。1枚だけ貼っちゃう。笑

四六時中一緒にいたいとかは全然思わない冷たいばーちゃんは、そこらへんで元気にしていてくれたら超満足なのである。

 

追記・あああ、IRPAの絵画の修復のところで、ルーベンスのオートポートレートを解説付きで観たことを書き忘れていた!

 

ルーベンスハウスにずっと置いてあった、彼が50歳ころ、もうすぐ再婚、って頃のオートポートレート

ルーベンスハウスの所有になるまで、いろんな人の手にあったわけだけど、彼らが自分の都合・好みでいろいろ変えていたのが、もとに戻ったわけです。

ルーベンスハウス自体、今修復中で閉じてるんですが、そんな中、修復が終わったピッカピカのを観ることができた。

めでたい!と嬉しかったのに、記し忘れてた。

修復前がこれ。