リベルテを観てきました

ここ数日また寒くなり、今日なんて最高気温が13℃にしかならないそうですよ。
夏至ももう目前、1年のうちで最も日の長い時期ですが、いったいどうなっているんでしょう。
あちらこちらで水害の話も聞くし、やはり地球の温暖化によって氷が解けたせいで、気候がへんてこりんになり始めているんでしょうか。


昨日トニー・ガトリフ監督の「リベルテ」を観てきました。
先日ここで監督へのインタビューを訳したりしたおかげで、細部にわたるまで楽しむことができました。

話の筋はわかりやすく、人々の姿もなかなかリアルで、そして悲しく、よい映画だと思います。
インタビューでは出てこなかった、ロマの家族と行動を共にするクロードという少年がいるんですが、この子がかわいらしく、それだけでも泣けてしまいました。

そして、例によってガトリフ監督の映画には、ずっと音楽が流れますが、とくに最期に流れる歌は、すごい迫力です。

この話には、実在した人々がインスピレーションを与えたわけですが、そのうちロマの家族のモデルになった一家は、最初ベルギーのメヘレンにある収容所に連行され、それからアウシュビッツに送られたとのことです。

自分が生まれる前のことなんて、遠い昔のことみたいに感じられるけど、1957年に生まれた私は戦後12年して誕生、ベルギーに暮らし始めてからでも20年以上経っていることを考えると、この映画に描かれたような事実は、それこそほんの少し前のことなんですよね。