スポットライト脳天直撃事件その他いろいろ


日曜日の午前に、時計の針を1時間進め、サマータイムとなりました。
これで日本との時差は7時間。
日暮れは遅くなりましたが、まだまだ真冬の寒さが続きます。
今日も最低気温は氷点下。
でもここ数日晴天で青空が広がっているので、寒くとも爽快です、


さてさて、先週水曜日の夜、3女の通う大学のキャンパスで、学生たちが主催したコンサートが行われ、3女くんもそこへ出かけたのですが、なんと、ちょうど3女がいたところの天井の照明スポットが落っこちて、彼女の脳天を直撃する、というアクシデントが起こったのです。
私がそれを知ったのが翌日木曜日の夕方。
医者のところにいって、特に大事に至っていないと言われた彼女が、私に電話で知らせたのでした。
かなり大きなスポットだったらしく、ひとつ間違えば死んでもおかしくないほどの事故です。
スキャンなどの検査はちゃんとやってもらったのか、と聞くと、ノーとの返事。
責任者は誰か、と聞くと、学生が自主的に行っているアナーキーなコンサートだから、そういう人はいない、と言うではありませんか。

あまりのことにカッカときた私、まず病院に行って、再度きちんと診察してもらうように、と言いました。
彼女の通う大学は、ブリュッセルから車で30分ほどのところに、新しく大学町として人工的に作られた新ルーヴァンにあり、大学の近くの家に下宿しているのですが、そこの大家のおばさんがとても親切な方で、車で病院に連れて行ってくださり、急患のセクションで待つこと3時間ほど、つきあってくれたとのこと。

このときの医者は、最初の医者よりきちんとしており、もっと念入りに診てくれた上に、頚部コルセットも処方してくれ、注意事項についても、事故によってどのようなトラウマが生じたかも、ちゃんと説明してくれたようです。

とにかく安静にして、脳が受けた衝撃が鎮まるのを待ち、それから頚部に異常がないか、オステオパットのところで診てもらうように、とのことでした。
金曜日にさっそく食料を持ってルーヴァンに行き見舞い、大家のカトリーヌにお礼を述べ、さらに翌日も新ルーヴァンへ、その日はモンスからクマもやってきて、彼の車で3女はブリュッセルの私のうちに到着、今我が家で安静にしているところ。

それにしても、よくもまあこれぐらいで済んだことだと、神様・仏様に再び感謝したことです。

大分落ち着いてきた彼女と、昨夜いろいろ話したのですが、事故のショックに加え、その事故が起きた後も、その場にいた誰も注意を払わなかったことに、かなりショックを感じた、と言ってました。
事故が起こった瞬間、ほんの1分ほどみな静止したものの、また「楽しい」コンサートが続けられた、というのですね。

これはいったいどういうことか、と。

もし自分じゃないほかの誰かがその事故にあったなら、自分は放っておかないと思う、それなのに・・・、と言うのです。

私も同様のことを思いました。
誰が責任がある、とか、誰が悪い、とか、そういうことの前に、まずひどい目に会った人の世話をしよう、と思う人が誰もいないって、いったいどういうことなのでしょうか。

しばらく前に、同じ大学の学生たちが、友人同士で飲み会をし、とても楽しんだ帰り道、そのうちのひとりがいなくなる、ということが起こりました。
翌日になっても、翌々日になっても、その子は現れない、それで、ようやくいったいどうしたのか、と、ようやく皆動き出したのですが、その子は大学の近くの池で死んで見つかったのです。
とても寒い日が続いていた頃で、池に氷が張っており、酔っ払って上機嫌だったその子、氷の上を歩いていて、氷が割れ、池に落ちたのでした。
ドイツから留学してきている19歳の男の子でした。


この学生たちの気楽さ、というか、命に対する軽さ、というか、なんだかあまりのことに、悲しい気持ちになります。

新ルーヴァンは人工的に作られた街で、ブリュッセル自由大学のように街中にあるわけではないため、実際の社会から隔てられ、特別な雰囲気があるのでしょうか。


いろいろと考えさせられました。



いつも興味を持って読ませていただいている竹下節子さんのブログで、

http://spinou.exblog.jp/

『Le Métis de Dieu』というarteで放送された映画が紹介されていて、観ようかな、と思いつつ観ないままだったのを思い出し、さっそく昨日視聴しました。
知らなかったことをいっぱい知ったのに加え、驚いたのは、この中に登場する聖職者の人たちが、タバコをプカプカさかんに吸っていることや、ジャン=マリー大司教がけっこう気が短く、かんたんにカッカしたり、汚い言葉を吐いたりするところ。

物静かな神父さまたち、というのは、勝手に抱いてるイメージだったのね。

今レ・ミゼラブルの原作を読んでいるところ。
ようやく1巻目を読み終え、これから2巻目に突入するところですが、このミリエル氏の穏やかさと、ジャン=マリー大司教の熱さと、ずいぶん見た目が違いますね。
おもしろいことです。

レ・ミゼラブル、ワーテルローの戦いに関する細かい描写の中に、ベルギーの聞きなれた地名がいっぱい出てくるので、これもおもしろい。

昨日、日本から来た友達が、前回日本で入手し損ねた「パンとペン」も持ってきてくれました。
しばらく活字に満たされた日々が続きそうで、嬉しいことです。


さ、4月に入り、私の仕事が一番忙しい季節、当分の間ブログ更新はできないと思いますが、いつも楽しみに拝見させていただいている皆さんのブログにはお邪魔いたします。

ではでは・・・。