興味深いドキュメンタリーを視聴した

今日も天気予報のとおり、ひんやり曇ったお天気なので籠っている私。

 

で、RTBFのサイトで、またまたRetour aux sourcesの番組を見つけ、おもしろそうだったので視聴。

期待以上におもしろかったのでメモ。

番組自体はもう1回視聴し直して、キーパーソンと思える人々についてちゃんと調べてから、もうちょっと詳しくメモしようかな、と思ってるんだけど、とりあえず1回見て、ほおおっと思ったことなどを。

 

Le marché de l'art sous l'occupation

www.rtbf.be

 

番組のテーマは、占領下のアート市場について、です。

いつものようにビデオ視聴後、スタジオに招かれた専門家が解説をしてくれるんですが、今回はドキュメンタリーにも登場するブリュッセル自由大学のファイナンスの先生であり美術史家でもあるキム・オーストルリンクスさんと、リエージュ美術館の学芸員で美術史家のグレゴリィ・ドゥソヴァージュさん。

 

ナチ占領下のパリでユダヤ人から没収した美術品の競売を行ったのは、Drouot(ドゥルオ)という会社ですが、現在のこの会社のトップの人の、当時のことを明らかにしよう、という方針がなかったら、こういうドキュメンタリーの制作はできなかっただろう、と。

第1世代の人たちは、できれば忘れたかった、だからあまり語られなかったのだけど、次の世代、つまり私たちの世代以降ですね、その人たちは事実をちゃんと知りたい、ということです。

そういう沈黙の時代があったから、まだまだわからないことがいっぱいある。

ちゃんとわからないと展示もできない作品が、まだまだいろんな美術館にたくさんあるそうです。

 

1930年代はアート市場については「不景気」だったのが、1940年からものすごく多くの美術品が売買された。

 

当時パリで美術品のギャレリーを経営していた人の多くがユダヤ人、彼らは国外に亡命したり、レジスタント活動を行ったりしましたが、そのうち私もちゃんと名前を知っていた人がポール・ローゼンベルグ

この人はフランスのアンヌ・サンクレールというジャーナリストの母方のおじいさんです。

アンヌ・サンクレールが米国籍を持っているのは、彼女の両親がこの時期ナチを逃れて米国に亡命したファミリーの人だから。

アンヌ・サンクレールって、フランス大統領の有力な候補でもあったドミニク・ストロース=カーン(こちらでは略してDSKと呼ばれる)、IMFのトップも務めたものすごく頭のいい人でしたが、女癖が悪い(というか、すごくもてたらしい)ゆえに、米国のホテルで強姦をはたらいたと訴えられる大騒ぎを起こして失脚しましたが、そのDSKと夫婦です。

アメリカでの訴訟だったんで、この米国籍を持つアンヌ・サンクレールがいっぱいお金も出して、なんとかこのスキャンダルは終了しましたが…。

そういやこのスキャンダルの際、死刑廃止に尽力したロベール・バダンテールが、TV

でDSKを一所懸命擁護していた記憶があります。

フランスの大統領選間近の事件だったから、それも関係していただろうし、米国とフランスの文化的違いも関係していたかもしれませんね。

 

そういうことを考えつつアンヌ・サンクレールのことをちょいとWIKIって、この人のお父さんのモトの苗字はシュヴァルツ、ドゴール将軍のもとで闘った時にサンクレールという名を使い、NYに渡った際にそれを苗字にした、と知りました。

 

それを読んで、うちの長女がメキシコで誕生した際の、出生届の証人のひとりを思い出しちゃった。

彼女は、お母さんがドイツ人、お父さんがドイツのユダヤ人、大戦直前にメキシコに亡命したカップルの間に生まれた人でした。

モトの苗字はヴァ―レンシュタイン、ユダヤ人とすぐわかる名前なのでメキシコでヴァレリィと変えたのよ、と言ってたんです。

メキシコシティではフランス学校とアメリカ学校を出ており、スペイン語の他に、英語・仏語・独語そして日本語を話してました。

たとえばフランス語については、私のモト夫が、完璧、ネイティヴなみ、と言ってましたよ。

おもしろいのは、飼っている犬とはドイツ語で話してたこと。

犬のしつけにはドイツ語が向いているのよ、って彼女は言ってました。笑

 

というわけで、あまりドキュメンタリー自体とは関係ないことばかり書きましたが、また近いうちにちゃんとまとめてみたいと思います。

 

 

話変わってコロナの件。

 

昨日オンラインのニュースで、60歳以上の人でまだワクチン接種の案内を受け取っていない人はぜひ登録してください、と読んだので、記事に載っていたワクチン接種センターに電話しました。

こういう記事が出たことだし、混んでてどうせっながらないだろ、と思いながらもダメモトで電話してみると、意外にもあっさりつながり、予約を入れることができました。

そういうわけで、私の第1回目の接種は、12日月曜日です。

接種センターはブリュッセルに9か所あるんですが、そのうち徒歩圏にある一つを選べました。

私の予想では、アストラゼネカのワクチンじゃないかな。

話題になっていた「副作用で血栓をおこすことがある」という件、その後の研究でワクチンとの関りが確認されました。

といっても全体でいえば10万人にひとりにすぎないんですが、ただそれを年齢別でみると、若い人の方が年寄りよりずっとリスクが高いことが判明。

それで、このワクチンは今後55歳未満の人には打たれないことに決まったのです。

そういうわけなので私に打たれるのはアストラゼネカかな、と思ったわけです。

 

上述の結果を受けて、フランスではすでにアストラゼネカのワクチンを接種した55歳未満の人は、2回目の接種は別のもの(ファイザーのことだと思う)にするそうです。

それでも効果にかわりはない、ということ。

ベルギーはまだこういうケースでどうするか未定。