金羊毛騎士団展

先週の金曜日、Toison d'Or (金羊毛騎士団)展を観に、ものすごく久々にメヘレンに行ってきました。

期待以上におもしろかった。

改修工事でしばらく閉まっていたヴァン・ブスライデン・ミュージアムが、工事を終えて再開、その最初の特別展です。

建物は15世紀~16世紀の典型的なブルジョワの私邸。

最も有名な持ち主がヒエロニムス・ヴァン・ブスライデンで、大金持ちで当時の為政者の政治顧問、ユマニストだった人。

 

私にとってベルギーが暮らしやすい場所であるのは、多様性と寛容という社会で共有される〈価値観〉があるからだけど、そういう価値観って一朝一夕に築かれたものではなく、何世紀にもわたって築かれたものだと、歴史上の人々のことを知るたびに再確認するんですよね。

極右化が激しいドイツのドレスデンで反極右のデモが行われた時、主催者が「歴史を振り返ってくれ。排他主義がそこに繁栄をもたらした例はない。」と叫んでましたが、まさしくその通りだと思う。

決めつけたら申し訳ないけど、極右の人って教養の乏しい人が大半、そんな中でそういう思想を持つほんの一部のヘンに頭のいい人が、その無知につけこんで煽ってると思うんです。

 

話は逸れたが、特別展、ハプスブルクのマキシミリアンとブルゴーニュ公マリーさんの間の二人の子供のうち、お兄ちゃんだった美公フィリップの時代、当時まだ12歳だったフィリップが騎士団の集会をメヘレンで開いたという史実を中心にしてありました(と私は理解した)。

www.hofvanbusleyden.be

Toison d'Or の創設者は、ブルージュに拠点を置いたブルゴーニュ公爵善良公フィリップです。

絵画や史実で見かける騎士たちの紋章を、おお、これが!みたいにおもしろく眺めたことだけど、30人いるはずの騎士全員が、この第15回目の集会にそろったわけでもない。

マキシミリアンは(もうブルージュを追い出されていた頃だからか?)参加してなかったそうだし、数年、長いときは十数年も間が空く集会では、もう亡くなったひともいるし、謀反とみなされ騎士団を追われたものもいるわけで、この時もメンバーは14人不足してたとオーディオガイドが語っていた(と思う←ボケゆえに曖昧)。

ja.wikipedia.org

久々のメヘレンだったんで、街の様子も含めてたくさんフォトを・・・と思ったのであるが、うちにスマホを忘れてしまい撮れず…。

(美公フィリップが若くして亡くなり、その妃である狂女フアナがスペインで幽閉されていた頃、フィリップの妹であるマルグリット・ドートリッシュが統治した期間があり、その拠点であったメヘレンも一時は〈世界〉の中心だったので、いろんな歴史的建造物もあるし可愛い景色もあるのです。)

この展覧会を観に行こうと誘ってくれた友人に頼んで、一番感動した今回訪ねた建物の1室は撮ってもらった。

改修工事で修復されたんでしょう。

(今どきの修復というのは、オリジナルの上に重ねられた後世の装飾を取り除きモトにたどり着くことだそうなので。)

ヒエロニムスの頃のフレスコが鑑賞できるようになってました。

この小さなスペース、招待した友人たちと親密な会話を楽しむところだったらしい。

その友人たちというのは、たとえばエラスムストーマス・モアだったりするわけです。

ミーハーな私は、こういうのを見ると「きゃーーー」とコーフンしてしまいます。

 

メヘレンの市長さんは、その政策から「世界一の市長」に選ばれた人です。

分裂している市民たちをまとめ上げた人。

たしかまだ同じ方が市長さんだと思う。

この方に取材したというニッポンのジャーナリストから、後を継いでくれる新しい市長を見つけたいと言ってたと聞いたことがあります。

この方。

政党は今の首相と同じ、経済リベラルVLD(仏語圏のMRと同じ)ですが、ニッポン的に言えば、この政党も、経済リベラルとはいえ社会民主主義を掲げる政党に含まれると思います。

fr.wikipedia.org

≪He is currently the mayor of Mechelen. In 2017, Bart Somers was awarded 2016 World Mayor Prize as recognition for his outstanding achievements in welcoming refugees during recent years and for the long-term integration of immigrants from different cultures, religions and social backgrounds. He obtained a law degree from the Katholieke Universiteit Leuven.≫

もともとベルギーに住む人たちの多くは穏やかだし、街の規模は小さいしで、どこに行ってもピリピリした感じはありませんが、メヘレンでは特にゆったりした感じがしました。

上述の事実ゆえの「気のせい」かもしれませんが。笑

 

 

 

昨日パスポートをコミューンに取りに行ってきました。

ページを開くと、BDの主人公たちをちりばめていて可愛いパスポート。

で、帰宅後ニッポンへの往復航空券をゲット。

パスポートがないと航空券も買えないと(欧州内で航空券を購入するときは身分証明書のデータを入力しないといけないものだから)思い込んでましたが、大間違いで必要なかった。

1000ユーロ以上の買い物をするのは久々だったんで、クリックするときドキドキしてしまいました。小心者なので。うふふ。

 

パスポートはこれから7年間有効。

もしかしたら次の更新が最後になるかもしれないなあ…、あるいは今回が最後かもしれない。

EU内ならばIDカードでOKですから、ちょっとした遠出にパスポートはほとんど必要ないですから。

ニッポンに行くのも、もしかしたらこれが最後かもしれないし、会いたい人たちにちゃんと会っておこう、姉孝行もしておこうと思ってます。

まだ半年以上先のことなので、詳細は決めていませんけどね。

 

 

 

タヴィアーニ兄弟のパオロ・タヴィアーニが亡くなりました。

パードレ・パドローネ と カオス は特に好きな作品だった。

www.rtbf.be

 

 

微笑まないではいられない可愛いフォトを貼って、今日のメモをオシマイにする。

 

 

 

 

 

火曜日なのに混んでいた でも、とてもおもしろかった

昨日BOZARに、つい最近スタートしたベルギーのシュールレアリズム展 "Histoire de ne pas rire." を観に行ってきました。

www.rtbf.be

ウィークエンドはものすごく混むだろうと平日を選んだのに、かなり混んでいてビックリしてしまった…。

チケット売り場に人が並んでいたんです。

ミュージアムパスを持っている人でも、チケットをもらう必要あり。小さなミュージアムなら、入り口でパスを見せるだけで済むんだけど。)

エーッ、ウッソーと思い最後尾の人に「これってチケットのために並んでいるんですよね」と確認すると、「そうですよ」とのこと。

「混まないだろうと火曜日を選んだのに・・・」と言ったら、「僕たちもそうなのよ」とおっしゃってました。

たぶん、シュールレアリズム自体が人気あるんだと思います。

この様子だと、土・日・祭日は絶対避けた方がいいと確信。

仏語圏はカーニヴァルのヴァカンスに入りましたし、それも関係あるのかな。

蘭語圏のお休みは先週終了)

 

人が多かったので、ササッと見て出直そう、と思ったにもかかわらず、ものすごく面白くて、けっこうゆっくりしてしまいました。

考えてみたら、ヴィジュアルアートと文学の融合であるわけで、おもしろくないわけがないんですよね。

 

タイトルの Histoire de ne pas rire. (笑い事じゃない話、くらいの意味かな)というのは、マグリットたちとともにベルギーのシュールレアリズムのムーヴメントの中心人物のひとりであったポール・ヌジェ(生化学者、詩人)が発行した、このムーヴメントに関する本のタイトルです。

fr.wikipedia.org

去年の春、ベルギー研究会のブリュッセル大会の際に王立図書館で見せてもらった彼らの手稿なども展示してありました。

 

 

最初のセクションはインタナショナル。

マックス・エルンストは好き。

 

 

ダリ

 

エルンスト

 

アラゴンブルトン

 

 

ピンボケだけど、ま、このくらい混んでたということ。

 

そのあと、ベルギーのみのセクション。

近年のエクスポジション、フェミニズムの視点による考察なしではありえないですね。

ベルギーのムーヴメントでは、女性はこの二人のみ。

ラシェル・バースの作品は、私の好みではなかった…。

ジャヌ・グラヴロルは、マルセル・マリエンとの出会いでこのムーヴメントに入っていくことになったそうだけど、そのマリエン氏、私は全然知らなかったけど、その作品はかなりおもしろい。

私がベルギーで暮らし始めたころはまだご存命だったことを知り、自分の無知を恥じたことである。

fr.wikipedia.org

 

エノー州(モンスが州都)のラルヴィエールにもムーヴメントがあったってのも初めて知った。

おもしろい作品もいっぱいありましたよ。

ブリュッセルのアーティストたちとの交流の機会はあまりなかったらしい。

今の時代なら楽勝で交流できたでしょうにね。

中心になった人の一人がマルセル・ルフランという方で、その方によるフォト。

モンスのパルク、うちの子供たちが通った中等学校のそばなんです。

懐かしいこと。

 

レオン・ドゥグレルという大戦時の極右の人がいて、その人を描いてある。

彼が中心となったREX。ヒットラーには息子のようにかわいがられたそうな。

ベルギーがナチから解放された際、彼はスペイン(フランコの時代ですから)に亡命、天寿を全うしてます。

ja.wikipedia.org

 

これ ↓ l'introuvable (見つけられないもの)って作品(後ろの小さいのはピエタ)なんだけど、これを見てるとき後ろに小さい子をふたり連れた若いお父さんがいて、その会話がかわいくてかっこよかったです。

パパ「誰の眼鏡だ?」

子「・・・」

パパ「キュクロープスだよ、忘れちゃった? また今夜ギリシャ神話のお話しをしようね」

私の心の声(かわいい、かっこいい、いいなあ)笑

欧州のいろんなミュージアムを訪ねましたが、こういう様子をよくみかけます。

小さな子が親に連れられて来てるんですよねえ。

そして、子供たちはすごく可愛いしおりこうさん。

こうやってアートを身近なものとして成長していくんでしょうねえ。

 

 

6月までやってるし、また行こうっと。

王立図書館+BOZARでもアンソール展、王立美術館ではIMAGINEというシュールレアリズム展、この3つ、タイアップしてる。

今年でブルトンマニフェストからちょうど100年だから。

 

前回も書いたけど、フランスのムーヴメントとは距離を置いているベルギーのアーティストたちです。

これってきっと根本的「態度」の差だと私は思います。

フランスのアーティストたち(特にブルトン 笑)は、フランス人であるという誇りが高く(ときどき高すぎ 笑)、よく言えば使命感にあふれていて、悪く言えば傲慢。

ベルギーってそういう傲慢さのない国であり、ベルギー人って特にそういう使命感に燃える人たちじゃないと私は思ってます。

価値観・美意識の似た仲間うちで完結してるのかもしれない。

そういう意味では「排他的」なのかもしれないけど、へんなナショナリズムのヘンな排他性とは全然違う。

例えば、ジム・ジャームッシュの映画作品などに私が感じるものに似ている気がする。

(もちろんその時代に関わらないではいられないから、上に貼り付けたREX批判のポスターみたいな作品もある)

そして、私にはそういうところが好ましく思えるんですよねえ。

 

などと考えたのでした。

 

さて、例によってSNS上で見かけたものなど。

 

 

トリュフォーゴダール

めちゃ若い。

ベルギーで暮らし始めた最初の頃、TVでこの頃のトリュフォーたちを描いた映画を観たんです。

もうキュンキュンしてしまう作品だった。

何というタイトルだったのか全く覚えていないのです。残念。

また観たいんだけど。

 

げえええっと思ったニュース。

ジョン・レノンが受けた弾丸がオークションにかけられるそうな…。

www.rtbf.be

 

大好きなパコ・デ・ルシア

亡くなって10年も経つんだ・・・と驚いた。

亡くなるほんの少し前に、BOZARにコンサートを聴きにいったのよねえ…。

www.radiofrance.fr

 

GALLICAでブルトンマニフェストの手稿が見れるそうです。

gallica.bnf.fr

 

セイジ・オザワ

www.facebook.com

 

ということで、今日のメモおしまい。

 

9日ぶり・・・

前回から10日近く経ってしまった。

これ以上放っておくと、めんどくささに拍車がかかり、もうずっと更新しない…なんてことになりそう…。

 

というわけで、自分の脳みそのために更新。

 

一昨日、ルイと名付けられた嵐がベルギーにもやってきました。

その日はブリュッセル首都圏政府から、「17時に森が閉鎖されます」という要注意警報がSMSで送られてきました。

それで17時頃、外はどんな感じかしらとみてみると、2重に虹がかかってました。

おおおおっと思いフォト ↓ 。

 

FBにRTBFがやってる Ciel partagé (空をシェア)というグループ(メンバーおよそ12万人)があり、そのグループの多くの人たちが虹のフォトをアップしてました。

私が撮ったのはもう薄くなり始めたときみたいで、きれいなのがいっぱいあったので、そのうち少しだけ紹介したい。

それにしてもものすごい広範囲で、同じような二重の虹が見られたのね、と驚いたのである。

 

ブリュッセルを南に出た仏語圏ブラバンに住む Patricia Jourez さんという方がアップしてた。

ジャンヴァルのブドウ畑。

 

さらに南西に行って、もうフランスとの国境がすぐそこの場所で。

Julie Legrain という方が撮影したもの。

 

これはブリュッセルの北の端で撮影されたもの by Annette Degroote さん。

 

虹を見るとなんで嬉しくなるんだろ。不思議だ。

 

そしてこの時から1時間ほど過ぎたら嵐がやってきた。

短時間で去っていきましたが、フランダースの方では大きな被害が出たところもあったようです。

 

 

最近のニュース。

 

ウクライナ、ロシアが侵攻してまる2年。

ウクライナの人たちの疲弊もピークという感じです。

前線の兵士が不足しているらしいけど、進んで死ぬかもしれない前線に行くひとはいませんしね…。

リクルートされたくない方たちにインタビューしているのをニュースで見ました。

 

今朝EUコミッションのウルスラさんとベルギー首相がキエフ入り。

www.rtbf.be

 

ロシアといえば、アレクセイ・ナワリヌイ氏が亡くなりました。

この方のお母さんが話しているのをニュースで見ましたが、息子さんの遺体にも会わせてもらえないそうです。

セレモニーも勝手に済まされそうな勢い、許すわけにはいかないとおっしゃっていました。

彼のパートナーさんはEUにやってきて話をしていましたが、それに関してベルギー在のニッポン人の方が、「不倫中の彼女が・・・」と彼女を批判する言葉をFB上でアップしていて、「げええええっ、どこかの国のTVのワイドショーレベルの気持ち悪い発言ね」と思ってしまった…。

トランプが「自分もナワリヌイと同様だ」などと発言している記事も見かけました。

何言ってるの?と思ってしまった。

何でも速攻で利用するのね…。

少し前にNATOに関して過激な発言をしていましたが、彼自身はそうやって目立つことが目的なんでしょうが、大統領になったらそのまわりには本当にそういう考えを持つ頭のいい者たちが集まるわけで、いろいろと怖いことです。

 

報道されるガザの様子も悲惨すぎて、なんでこういう事態が許されるのかと思わないではいられません。

ネタニヤフはこの事態が治まれば、それこそ裁かれる立場になるので後に引けないってこと?

 

 

以前に何回かここに記した、6月の選挙までの特集「もし私が首相だったら…」ですが、今週のテーマは「雇用」でした。

特に人手不足が顕著な建設業界の方たちを取材してました。

 

 

気が滅入るようなニュースがいっぱいです。

子供たちがいつでもこんな風に笑っていられる世界だったらいい。心和むフォト。

でも、撮影されたのは1941年、けっして平和な時代ではないんですよね。

子供の時ユダヤ人であるゆえに大変な思いをしたAharon Appelfeldの、「子供だったんですね、森で遊んだ記憶があるんです」という言葉を思い出した。

Friends in Paper Bags
Helsinki
(1941)

 

 

レオくんのパパであるイヴァンさんはプロの作曲家で、映画音楽の作曲もやるんだけど、彼が音楽で参加した作品が、マラガの映画祭で上映されます。

ものすごく嬉しいみたい。

そのうちニッポンでも上映されるのかな?

これです。

スペインでは3月22日に公開される。

私は体力的にもうこういう作品は見たくないので、ベルギーで公開されても行かないと思う。すみません、イヴァンさん。

Tráiler oficial de la película 'La abadesa', dirigida por Antonio Chavarrías.

www.youtube.com

 

王立図書館とBOZARで、それぞれ観たいエクスポジションが始まってる。

アンドレ・ブルトンマニフェストから100年経ったのね。

私は個人的にブルトンは好きじゃないけど、ベルギーのシュールレアリズムの人たちは、そこから距離を置いてました。

 

www.kbr.be

www.bozar.be

 

これ、おもしろかった。

www.arte.tv

 

 

ときどき長女くんからSOSが届くので、そのときはチビ太のところに行きます。

彼女が動かないといけない用事があるときは身軽な方がいいので、私がチビ太とお留守番なのです。

ジョヴァンニは2か月の育休のうち半分を消化したところで仕事に復帰、残りの1か月は来月上旬からひと月イタリアに親子3人で出かけることで消化するそうな。

そういうわけで、イタリアに出かけるまで私も駆り出されるわけです。

生まれて2か月ちょっと経ちました。見るたびに成長してます。

イタリアから戻ってくる頃はもっと成長してるんでしょうね。

1分1秒の価値がバーチャンとは大違い。

すごいな、と思う。

長女から「ママはひとりで3人も育てたのよね。どうやってたの?」と聞かれました。

はい、どうやったかなんて、なーんにも覚えてません。笑

たぶんタイヘンだったんでしょうけど、そんなこと全く覚えていない。

笑ったことはいっぱい覚えてるけど。

父親は仕事がらほとんどベルギーにいませんでしたしねえ。

目の前にある「やるべきこと」を、優先順位に従って一つずつクリアしただけ、なんですよね。

覚えてないけど、よくやったぜ!笑

 

 

10月に2~3週間くらいニッポンにいくつもりです。

9月が第3四半期の〆の月で、会計上いろいろめんどくさいのが10月初め、9月下旬の友人のエクスポジションに合わせようとすると調整が困難、東京で彼女と合流すると楽しいと思ったんだけど、それにこだわるとニッポンでゆっくりできないことになる。

前倒しにすると9月、ニッポンは暑そうだし(寒いのは平気だけど暑いのはもう耐えられそうにない)、苦手なクモにも遭遇しそうだし(これも耐えられそうにない)、もうそのエクスポジションをパスすることにしました。

 

今持ってるパスポートが5月で切れるので、新しく作ろうとコミューンに行ってきました。

パスポートないと航空券も買えませんから。

それでパスポート用のフォトを撮ったのだけど、7年前のと比べると、当然ながらしっかり老けてる!

本人は変わったつもりなかったのだが、1分1秒の価値、赤ん坊ほどではないとはいえ、それなりでありますね。ははは。

 

PS この日の午後のニュースで、アレクセイ氏の遺体が、ようやく彼のお母さんのもとに・・・と言ってた。

 

PSその2 フランスのシュールレアリズムと距離を置いたベルギーのシュールレアリズム、これってブルトンの態度にマグリットが怒った話などを覚えていたので、そういう感じの話かと思ってたけど、もっと根本的な態度の話なんだと思い至った。

ナショナリズム」とか、そういうものともかかわってる話だわ、きっと。

 

ここ数日間のこと メモ

天気は良かったり悪かったり、でも日が確実に長くなってる。

 

私の記憶では、いつもこのカーニヴァルの時期ってむちゃくちゃ寒かったんだけど、ここ数年はそういうこともなく、今日も朝から10℃超え。

 

カーニヴァルってニッポンの節分みたいだなあ、と思う。

冬はそと、春はうち。

 

一昨日は寒くないし青空だしで、嬉しくなってついフラフラと街に繰り出しました。

チョコ屋さん、ビスケット屋さん、スーパーのお菓子売り場、などなど、すでにイースターの商品が並んでました。

 

こんな天気だった。

せっかく街に繰り出したし、チビ太用に何か買ってあげたいな、と思ったのだけど、赤ちゃん向けの衣類や玩具は、それを買う大人が喜ぶようにできていて、ほんとに赤ちゃんが喜ぶかどうかは不明。

まだ視力も発達してないときには、淡い優しい色どりのものなんて見えないんだそうです。

黒・白のコントラストがはっきりしているのがいいらしい。

 

うちにあるヴィクトル・ヴァザルリの作品みたいなのがいいんだよね。

こういうの ↓ 

そういうのは全く見つからなかった。

なんだかんだ言ってもちゃんと皆育つので、あんまり気にしなくとも…と思うのだけど、ただもしそういうのが見つかったら、「白・黒の玩具ってけっこうかっこいいじゃん」と欲しくもあり、少しだけ残念でありました。

 

 

前回書いた王立アカデミーの Le libre examen ですが、先週の2回目はキリスト教における話で、エラスムス、ルター、アビラのテレサの話でありました。

ふたりいた講師のおひとり、リエージュの司教様が話されたことがおもしろかった。

でも、どんな風におもしろかったか、1週間経った今、自分の書いたメモを見返さないと何も思い出せない…。

 

昨日の3回目、イスラム教における話。

コーラン史の分野では著名な学者さんの話と、それに続いて、同じくコーラン史のもう少し若い学者さんとの対話、という形式の講演。

もともと知識が乏しいので、事実関係の把握が私には難しく、ちゃんとしたメモができるほどわかりませんでしたが、ところどころ「おおおおっ」と感じる言葉もありました。

(例えば、他の宗教も同様だが、イスラム教は、戦争や飢餓、疫病と言ったヴァイオレンスの時代に生まれたもの、従ってヴァイオレンスを内包する、とか、コーランの中の言葉には、他の言語体系から引用されアラブ語として定着したものがある、とか、スーフィズムにも多様な流れがある、だから理想化するべきではない、とか、いろいろ)

昨日自分が書き留めたことを読み返し、今日に備えて復習しておかなければ…。

今日は4回目、デモクラシーの中のLe libre examen ということで4人の学者さんたちの会話になります。

 

 

動画やフォトを貼っておく。

 

うわお、と思った。

Rembrandt

 

 

これも、うわお、と思った。

ジョークじゃないところが怖い。

以前視聴したドキュメンタリーで知ったのだけど、アギーレの撮影の時、インディオの人がヘルツォークに「よかったら(キンスキーを)殺してやろうか?」と持ち掛けるくらいすごかったらしい。笑

でも女性には優しくて、そのドキュメンタリーの中で共演したことのあるクラウディア・カルディナーレは「とても優しかった」と言ってました。

Werner Herzog and Klaus Kinski on the set of Cobra Verde, 1987.

 

 

笑った。

インタビュアー泣かせのダリ。

De nombreux journalistes se sont prêtés à l’exercice d'interviewer Salvador Dalí… parfois avec difficulté !

www.facebook.com

 

セイジ・オザワが亡くなった後、あっちでもこっちでもオマージュを見かける。

一つだけ貼っておこう。

Disparu la semaine dernière, Seiji Ozawa était l'un des plus grands chefs d'ochestre japonais du XXeme siècle. Hommage par Lionel Esparza.

www.facebook.com

 

 

ちょうど最近この方がおっしゃっていたことを思い出す機会がいっぱいあったので。

www.facebook.com

 

 

美しいフォト。

 

Edouard Boubat (Français, 1923-1999), Remi écoutant la mer, Paris, août 1995

 

 

来年から5年間、改修工事でポンピドゥーセンターが閉館。

ホントは去年から閉館の予定だったけど、オリンピックでやってくる人々の入館を見込んで時期が延期になったらしい。

閉館中、そのコレクションの一部はグランパレにお引越し。

この記事読むと、グランパレも今工事中なのね。

www.rtbf.be

 

 

やはり悲しい

前回のメモからまだ2日しか経ってないけど、いっちょまえにショックを受けたので、メモ。

 

お二人の訃報です。

人が死ぬのは生まれたときから当たり前なんだけど、やっぱり悲しい。

 

ロベール・バダンテール

大戦後の最も偉大な法律家・ユマニストのひとりが亡くなった、というニュース。

一番有名なのは、フランスでの死刑廃止における貢献でしょうね。

この方なしで実現しなかったと思う。

この方のディスクールは、ほんとにこの方の言葉であって、まっすぐ聴いている者に届く、って感じがします。

この方が、自身の理想を持ち、はっきりしたヴィジョンを持って闘っているのが伝わってくる。

DSK(ドミニク・ストロース・カーン)が米国でのレイプ事件というスキャンダルを起こした時、TVのニュースでかばっているのを聞きましたが、それもこの人が言うと、友として信頼してるんだな、と、ちっとも不快じゃなかった。

(それにしても、DSKはバカだな、と思いました。大統領になるのに最も近いくらいのポジションだったのに、オンナ好きもここまでいくとねえ…。米国籍も持っている妻のアン・サンクレールに救われ、その後はもう姿を見かけなくなりました。)

www.rtbf.be

 

小澤征爾

まだニッポンに住んでいた大昔、「僕の音楽武者修行」でしたっけ、エッセイを読んで大好きになりました。

生で演奏を聴いたことはありません。

(長崎の原爆の日のセレモニーで、この方指揮の演奏を生で聴いた友人は、神がかりだと思った、と後で言ってました。)

でも、生でこの方にお会いしたことはあります。

当時住んでいたド田舎の自宅からそれほど遠くないところにあるお城で、既にプロとして活躍している若いミュージシャン向けのスタージュ(ニッポン語でなんといっていいのかわかりません。集中講義みたいなレッスン。)のためにいらっしゃったとき。

どういう経緯でこの授業を知ったのか忘れたけど、うちの3人娘(まだ小学生)も音楽やってるし、偉大なる指揮者に会わせてあげたい、こんな機会は滅多にないだろう、と思ったミーハーなバカ親はそのお城に出かけたわけです。

父親が持つジャーナリスト・カードで入れてもらった。

(親子5人全員そろってる状態でジャーナリストって・・・笑 今思えば、よく入れてもらえたよね。)

ご本人にお会いして挨拶しました。

うちの子たちと、おしくらまんじゅうで遊んでいただきました。

だから何?って感じの、超ミーハーな、でもありがたい思い出です。

www.radiofrance.fr

 

 

さて、昨日からの大きなニュース。

フランスのミネラル・ウォーターVittelやPerrierですが、水源の汚染ゆえに、3年前から浄化したものを売ってた、というスキャンダル。

フィルターを通し浄化した時点でミネラルウォーターではないわけです。

それを瓶詰めして売ってたわけで、違法行為。

水道水をミネラルウォーターと偽って高く売った、って感じ。

VittelやPerrierは、大嫌いなネスレなので私はずっと前から避けてましたが、買ってた人は騙されていたので怒ってるでしょう。

法的にどういう罰が課せられるのかな?

www.rtbf.be

 

 

 

きれいなフォトを1枚貼って、今日のメモおしまい。

 

"Psyché ranimée par le baiser de l’Amour", marbre d'Antonio Canova, 1777.

 

やはり悲しい

前回のメモからまだ2日しか経ってないけど、いっちょ前にショックを感じたので、メモ。

 

お二人の訃報です。

人が死ぬのは生まれたときから当たり前なんだけど、やっぱり悲しい。

 

ロベール・バダンテール

大戦後の最も偉大な法律家・ユマニストのひとりが亡くなった、というニュース。

一番有名なのは、フランスでの死刑廃止における貢献でしょうね。

この方なしで実現しなかったと思う。

この方のディスクールは、ほんとにこの方の言葉であって、まっすぐ聴いている者に届く、って感じがします。

この方の理想とするヴィジョンがはっきりとあり、そのために闘っていることが伝わってくる。

DSK(ドミニク・ストロース・カーン)が米国でのレイプ事件というスキャンダルを起こした時、TVのニュースでかばっているのを聞きましたが、それもこの人が言うと、友として信頼してるんだな、と、ちっとも不快じゃなかった。

(それにしても、DSKはバカだな、と思いました。大統領に最も近いくらいのポジションだったのに、オンナ好きもここまでいくとねえ…。米国籍も持っている妻のアン・サンクレールに救われ、その後はもう姿を見かけなくなりました。)

www.rtbf.be

 

小澤征爾

まだニッポンに住んでいた大昔、「僕の音楽武者修行」でしたっけ、エッセイを読んで大好きになりました。

生で演奏を聴いたことはありません。

(長崎の原爆の日のセレモニーで、この方指揮の演奏を生で聴いた友人は、神がかりだと思った、と後で言ってました。)

でも、生でこの方にお会いしたことはあります。

当時住んでいたド田舎の自宅からそれほど遠くないところにあるお城で、既にプロとして活躍している若いミュージシャン向けのスタージュ(ニッポン語でなんといっていいのかわかりません。集中講義みたいなレッスン。)のためにいらっしゃったとき。

どういう経緯でこの授業を知ったのか忘れたけど、うちの3人娘(まだ小学生)も音楽やってるし、偉大なる指揮者に会わせてあげたい、こんな機会は滅多にないだろう、と思ったミーハーなバカ親はそのお城に出かけたわけです。

父親が持つジャーナリスト・カードで入れてもらった。

(親子5人全員そろってる状態でジャーナリストって・・・笑 今思えば、よく入れてもらえたよね。)

ご本人にお会いして挨拶しました。

うちの子たちと、おしくらまんじゅうで遊んでいただきました。

だから何?って感じの、超ミーハーな、でもありがたい思い出です。

www.radiofrance.fr

 

 

さて、昨日からの大きなニュース。

フランスのミネラル・ウォーターVittelやPerrierですが、水源の汚染ゆえに、3年前から浄化したものを売ってた、というスキャンダル。

フィルターを通し浄化した時点でミネラルウォーターではないわけです。

それを瓶詰めして売ってたわけで、違法行為。

水道水をミネラルウォーターと偽って高く売った、って感じ。

VittelやPerrierは、大嫌いなネスレなので私はずっと前から避けてましたが、買ってた人は騙されていたので怒ってるでしょう。

法的にどういう罰が課せられるのかな?

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きれいなフォトを1枚貼って、今日のメモおしまい。

 

"Psyché ranimée par le baiser de l’Amour", marbre d'Antonio Canova, 1777.

 

Le "libre examen" と白雪姫

今日は王立アカデミーに行く予定があるのみなので、今のうちに備忘録を更新。

 

そういえば最近、毎日4分ずつ日が伸び始めましたよ。嬉しい。

 

というわけで、メモ。

 

 

昨日ニュースで知って、へえええええっと思ったこと。

これ ↓ 。

白雪姫のモデルになったドイツの美しいお姫様、ブリュッセルに送られ、フランシスカ修道院に入り21歳で亡くなった。

亡骸はその修道院の教会に埋葬されたそうなんだけど、今でもそこで眠っているらしい。

その場所が現在の証券取引所のところ。

(もうかなり前から証券取引所としては使われてはなくて、現在はベルギービールがいろいろ飲める場所になってる。入ってみようと思わないのでどんな感じか不明。証券取引所だったころは、文化遺産の日に入ったことある。ロダンがかかわったでっかい作品がある。1870年代の創建当時、ブリュッセルに住んでたロダンも、内装・外装にかかわったので。)

発掘された古い部分の一部、ちょうど教会部分が歩道から少しだけ覗けるようにしてあるんだけど、まさか「白雪姫」もそこに眠る一人だったとは…、うわああああ、興味深い!と思っちゃった。

www.rtbf.be

いろんな伝承には、それぞれモトになった事実があるわけで、グリム兄弟がまとめた語り継がれたお話の中の白雪姫も、そのモデルが、上述したお姫様、マルガレータ・フォン・ヴァルデックであろうと言われているんだそう。

 

>Margaretha Von Waldeck est la fille d’un prince protestant, nous sommes après la bataille de Mühlberg où les Protestants ont été battus et le Duc de Hesse a été emprisonné. Le père de la princesse est un vassal du Duc de Hesse et on présume que c’était peut-être pour une opération de charme qu’il a envoyé sa très belle fille à la cour de Marie de Hongrie, la sœur de Charles Quint, qui gouvernait la Belgique à l’époque"

 

>Ce qu’on sait, parce qu’ils le disent eux-mêmes, c’est que les frères Grimm, quand ils ont créé ce conte, se sont basés sur une tradition orale qui existait dans cette partie de la Hesse. Le chercheur allemand a commencé à s’intéresser à l’histoire de cette fille et a été frappé par le nombre de parallélismes entre la vie de cette fille et d’autres éléments dans la région et le conte tel que nous le connaissons maintenant

 

今も発掘は続いているんだけど、人骨も1000体以上あるので、そのお姫様が「これだ」と特定できるかは???だそうですが。

歩道から覗けるようになっているところから見た人骨のフォト、以前撮って保存したつもりだったので、探して貼りつけようと思ったけど見つけられず。

 

 

昨日は王立アカデミーにコンフェランスを聴きにいきました。

テーマは Le "libre examen" で4回シリーズ。

今日が2回目で、来週の水・木曜日に続きます。

私が Le libre examen という言葉を知ったのは、大戦中にレジスタント活動を行った自由大学の Groupe G を知り、このグループのメンバーは Libre exaministe だった、と読んだ時。

あらゆるドグマにとらわれず検証するという科学・哲学の在り方です。

思えば自由大学の「自由」は、この意味なんですよね。

古くはアリストテレスもこの言葉を使っているのだけど、確立されるには啓蒙思想の時代を待たないといけない。

Groupe Gについては、何回かここに記したので、ちょっと思い出そうと掘り起こしてみた。

shohoji.hatenablog.com

shohoji.hatenablog.com

shohoji.hatenablog.com

 

そういうわけで、この思想についてもうちょっと詳しく知る機会だと思い、聴講を申し込んでいたのである。

 

昨日の第1回が概論でした。

今日はクリスティアニズムとの関わりについて、来週の水曜日がイスラム教との関わり、木曜日がデモクラシーとの関わり(これは複数の研究者による円卓会議)、というプログラムです。

 

昨日のお話の中で興味を抱いた人。メモ。

sciences.ulb.be

この記事を記し終えたら、夕方の講義に備えて昨日聴いたことを復習しておかなければ…。

 

最後の質疑応答の時に、講演者が話されたことが重要だと思った。

2024年現在、陰謀論者たちが Le libre examen というタームを、全く異なった使い方で利用している、と。

だから自分は今回のコンフェランスを企画したのだ、とおっしゃっていた。

陰謀論者って、ほんとにイヤだ。

 

 

 

昨日は何回もミス・ニッポンの話もラジオやTVのニュースで耳にしたわ。

「ミス」のコンクールって、それ自体を私は「バカみたい」と思うので特に関心ないのだけど、それにしても「排他的な国だなあ」と思う…。

 

 

おもしろーいと思ったフォト。

 

Medieval humor. - Abbey of Sainte Foy, Conques, France, c.1050. 

 

 

美しいなあ、と思う。

Le portrait de sa fille Maya par Picasso date de 1943.

 

 

メモ。

www.radiofrance.fr

 

 

うちの子の仲間たち。

このクリップ ↓ の屋内部分はうちの娘たちの家です。

彼女たちには、興味・関心・価値観と趣味の合う仲間たちがいるというのが、私の「明日死んでもいいや」という思いの基盤のひとつだったりする。

何も物質的なことは残してあげない母だからね。

(ああ、でもこの家に引っ越さないことに決めたのは正解だった。バーサンにはこの環境、むり。笑)

www.youtube.com