4月24日 コロナ危機@ブリュッセル ロックダウン解除後のことなど

前回の連邦政府の方針発表で、5月3日までロックダウン、ということが決まり、今日その後の段階的解除がいかになされるか、その発表が行われます。

会議は14時30分から始まっており、この記事を書いている今現在がその真っ最中。

実は今日の首相会見を聞いてから更新しようと思っていたのだけど、テーマが今後の段階的解除のあり方ということで、きっと会議も長引くでしょうし、ま、それについてはまた明日あらたに更新すればいいか、と、ここ数日の間に新聞で読んだり、考えたりしたことを、とにかく記しておこうと思いました。

 

 

今の対策の目的は、治療を受ければ死なないで済む人を死なせないため、のものでした。

今日の恒例11時の会見では、その対策は成功したと言える、とのこと。

ICUの50%は、いつでも対応できる余裕が確保されています。

ただ、いきなり以前の行動様式に戻ればまた感染の拡大の仕方が元に戻る、ひとりひとりが自覚して行動をするように、これからはウィルスと共存していくことになるのだという現実を忘れないでほしい、とのことでした。

 

段階的な解除については、いくつも難しい課題がありますから、簡単にはいかないと思いますが、最初に学校・商店など、ミュージアムなどは5月中旬、次にアトラクション・パークなど、レストラン・カフェなどはもっと後、フェスティバルは8月末まで禁止。

たとえば、ひとくちに「仕事・事業」と言っても、その内容やステイタスは多様ですから、ほんとに難しい決定とその影響でしょう。

それぞれのアクティヴィティの中で、いかにディスタンスを確保するか、もう想像もしたくないくらいのややこしさ、ですよね…。

公共交通機関では、おそらくマスクが義務化されることになると思います。

マスクは、今回の騒ぎの当初から、国内生産をしていないことが問題として挙げられていました。

それで、今回の騒ぎを受け、国内生産されることになり始まっています。

 

 

しばらく前に記した、ブリュッセル首都圏政府による中小企業のための援助金、これはコロナ危機で事業をたたむことにならないで済むように、ということで支払ってくれるものですが、従業員を抱えてない私のようなフリーランスは対象にしてくれないだろうけどダメもとだぜ、と申請したところ、昨日OKだったとわかりました。

4000€です。ものすごく助かる。

事業の内容によっては、この額では大きな助けにはならないかもしれませんが、私にとってはものすごく大きいです。

それとは別に、連邦政府による3・4月の援助金(1291€/月)がありますし、それに関しては、さらに5月まで延長されるようです。

同じような仕事の仕方をしている友人たち、ブリュッセル首都圏の援助金については、申請する前に諦めていたので、「そんなことないから申請した方がいいよ」と、昨日はみんなに電話をかけまくったことでした。

 

企業への援助と言えば、デンマーク政府は、タックスヘイヴンで合法的にゼイキン逃れしている企業は、援助の対象にしないことを決めたそうです。

 

Le Danemark ne donnera aucune aide aux entreprises qui versent des dividendes ou sont inscrites dans des parasis fiscaux

https://www.lalibre.be/economie/conjoncture/coronavirus-le-danemark-donnera-aucune-aide-aux-entreprises-qui-versent-des-dividendes-ou-sont-inscrites-dans-des-paradis-fiscaux-5e9daae57b50a64f9cf065af

 

ずっと前から、彼らが払わないで逃れてる税金の総額で、世界中のありとあらゆる問題が解決できる、なんていわれてますしね。

税金って、再配分のための仕組みであって、ちゃんと使ってもらえるのなら、払うのは全然いやじゃないです。

私なんて、子ども3人の教育や、自分のガン治療や、もうそんなこんなで既にモト取った感すらあります。

ましてや、今回のコロナ危機で、当面はアタフタしないで済むし、ああ、ちゃんと社会保険費や税金を払っといてよかったな、と思っているところです。

 

それで、ベルギーでも、デンマークのようにしましょ、という意見が出されてます。

www.rtbf.be援助援助の対象からそういう企業をはずせ、と主張しているのは、極左のPTB、PS(社会党)、エコロ、そして極右のVBだそうです。

(注・上に貼り付けた記事のフォトは、今現在のものではありません。今は党首のみが隙間を開けて着席、その他の議員は遠隔で参加、というかたちなので。)

 

 

そういうわけで、もうコロナ騒ぎ後のことをちゃんと考える時期が来たということです。

こんな記事がありました。

forbesjapan.com友達が、支持率アップで「自分たちの国は最高だ」みたいなことになるのを気持ち悪がっていましたが、少なくともベルギーでは、そういうことにはならないと考えます。

コロナ問題に関する対処の仕方を見て支持しているのであって、今後どうするか、どうしたいか、そのビジョンによっては、いろんな意見の対立も生まれることでしょう。

今首相を臨時政府で勤めているソフィー・ウィルメスはMRという経済リベラル政党(ネオリベ的傾向がある政党)に属していますが、公共サービスの重要さが確認されてしまった今、彼らも変わらないわけにはいかないですしね。

そういえば、友人のジャーナリストがこんな記事をアップしてました。

this.kiji.is

いずれにしろ、コロナ危機後、世界がどうなるか興味深いところです。

いかにバランスを取るか…。

けっこう重要視されているのが、サイバー独裁を許すか許すないか、です。

今後人の動きが最新テクノロジーでもってある程度トレースされるとして、どこまで許すのか、ですね…。

すでに結核にかかっている方はトレースされているんだと、昨日か一昨日のニュースで言ってました。

 

あと、ベルギー一国でなく、EUの動きも気になります。

5月6日に遠隔首脳会議が行われるそうなので、どんな話し合いが行われるのか、興味津々であります。

 

何が自分にとってのほんとの「自由」なのかも含め、考えるべきこと満載な今日この頃ですね。

 

 

最後にこのニュース。

コロナ危機でもって、ほとんど毎日のように声を聞き顔を見ることになっちゃった、感染症の専門家たち。

で、そのひとりがマリウス・ジルベールさん。

彼の大学時代からの友人がおもしろがって、仲間うち用にジルベールさんの顔の入ったTシャツを10枚ほど作ったところ、けっこう好評、欲しがる人がいっぱい出てきたので、販売することになった、と。

利益はCovid-19の研究機関に全て寄付されるそうです。

www.rtbf.be