5月14日 コロナ危機@ブリュッセル ひきこもりの日々の楽しみ

ロックダウンは段階的に解除されていき、コロナ禍に至る反省や、これによって生まれた数々の問題を、今後どう解決していくかについても言及され始めています。

 

私はといえば、相変わらずの仕事ゼロ状態。

昨日も7月に入っていた仕事のキャンセルの知らせが入りました。

想像していたので「やっぱりね」という感じだし、家に籠る快適な日々を送っているので、ホッとした、という方が正しいかも…。

数年早く年金生活に突入した気分です。

 

ネットに貼りついてニュースを見たりドラマを視聴したり、絵の具を広げっぱなしにしていても大丈夫なんで、ちょこちょこ絵を描いたり、楽しく穏やかな日々です。

ドラマを見ていると、ひとが集まっている場面などに「こんなにくっついて大丈夫?」なんてことも思ってしまい、コロナ生活にアッという間に順応しちゃっている自分に驚きます。

 

 

FB上で流行ってる「7日間ブックカバーチャレンジ」のバトンが私にも回ってきました。

こういう風にバトンを渡していくっての、幸福の手紙みたいであまり好きじゃないという方もおられるようだけど、これについては私は楽しんでしまいました。

コメントなし、一冊アップするたびに誰かにいバトンを渡す、ってのがルールらしいけど、それも無視、最初の2冊までは「無視していいからね」と言って一応友達に振ったけど、3冊以降はそれもめんどくさくてやめちゃいました。

 

FB上だと時間とともにアップしたのが遠くに去っていくので、ここにもその7冊を記録しておこうと思います。

影響を受けたり大好きだった本は、もちろんもっとたくさんありますが、この企画における自分の傾向に、衝撃を受けた本って翻訳された海外の本が多いのね、と気づきました。

 

小さい頃は「日本」と「外国」という二つの世界があると思っていて、「外国」に憧れていました。

そういう憧れはずっと長いこと続き、外ばかり見てましたよ。

仕事で会う日本の若い方たちに、ブリュッセルに縁の深いビクトル・ユーゴーヴェルレーヌランボー、ブロンテ姉妹などの話をしても、聞いたこともない、知らないとおっしゃる方がけっこういて、かなり驚きます。

マルクスを知らない人もいました。

そんなものなんですかね???

 

 

というわけで、7冊。

 

1冊目:百年の孤独

この本を読んでなかったら今私はここにいません、ってくらいショック受けた本です。

日本語で5回か6回読みました。

マリオバルガスジョサが、この小説を「全体小説」って呼んだそうですが、その意見に大賛成。

日本語の本は他人にあげちゃって、メキシコで買ったスペイン語のを持っているはずだったんだけど、探しても見つからず、自分が持っている(はず)のと同じ表紙をネット上で探してきてペッタンコしました。

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2冊目:知と愛

フォトの仏語版は、ヘッセ好きな私に長女がプレゼントしてくれたものです。

ヘッセの作品はどれも大好き。

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3冊目:クマを放つ

ガープの世界ではまったジョン・アーヴィング、この 熊を放つ が一番好きで、これも何回も読みました。

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4冊目:レ・ミゼラブル

4冊目というか、これ自体で4巻だけど。

生まれて初めて自分で買った本が、子供向け「ああ無情」でした。
こういう完全版を読んだのは、ほんの5~6年前だけど、人生の中で絶対読んでよかった、と思う作品のひとつ。
ワーテルローの戦いのあたり、地名なんかがすごく身近で
(訳に記された読みが、ちょとヘン、そういう読みじゃないよ、というところもけっこうあったり 笑)
まさかこの地で読むことになるとは、子どもの頃は想像だにしていませんでした。

映画化された作品もほとんど観ました。

1本の映画作品にこの小説のすべてを入れ込むのはムリだから、監督がどういう作り方をしているか、それが興味深いし、どの監督も絶対外さないエピソードがある、ってのもおもしろい。

数々の映画の中でいつも、マリユスが政治運動をささっとやめるのが不思議でしょうがなかったんですが、原作を読んで、彼が運動へ入っていくまでの様子を知り、初めて、なるほど、と思いました。そして、やはり完全版原作をちゃんと読むもんだなあ、と思ったことです。

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5冊目:思想の首領たち

世界ミーハーチャンピオンシップというのがあるなら、もしかしたらメダル獲得も夢ではないかも、ってなくらいミーハーな私です。
大昔に、この人カッコイイ!!と思って読んだんですよね。
でも、ミーハーな私でも私なりに学ぶところはあり、今でも自分の中に残っている「何か」もあります。

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6冊目:冷血

手元に本がないので、画像はネット上から拝借。
1冊目にあげた 百年の孤独 と 冷血 は同じ時期に読んだのではなかったかな。
この2冊の時間の流れ方の違いをおもしろいと感じたのを覚えているから。
百年の孤独は、螺旋を描く100年という時間をビン詰めにしました、みたいな感じ。
いっぽう冷血の方は、ビー玉(でしたよね)を360℃に渡って囲む時間が、ビー玉のその1点に向かって、直線的にワーッと集まっていく感じだった。
息をもつかず読んだ本のひとつ。
メキシコにいた頃、同じ下宿に住んでいた友人のアメリカ人とこの本の話になり、その子が、お兄さんからこの本は絶対読むなと言われてた、と言ってたのも思い出します。
実家は田舎で農場を経営していて、この話、あまりにもリアルすぎるから、とのことでした。
小説家の保坂和志さんが、この本を読んで死刑廃止論者になったと、どこかで書いておられたのも思い出します。

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7冊目:生命学に何ができるか

メキシコに行くとき、向こうで読書三昧だ、と、大量に本を送ったのですが
(他のモノは送っても絶対届かないけど、本は大丈夫、とメキシコの人に言われたので)
結果、届かず、活字に飢える日々を送りました。
メキシコでもいろんな仕事をしましたが、日系企業で庶務のお姉さん(当時)をやった時は日本の活字が読めるのが嬉しくて、職場にある新聞を隅から隅までしっかり読みました。
まだインターネットなんてありませんし。
で、新聞の中で森岡正博さんの思想を知り、不遜ながら「同じようなことを感じている人だ!」と、めちゃくちゃ共感しました。
この本を読んだのは、それからさらにずっと時間が経ってからですが、21世紀の思想だ!(その頃はまだ20世紀だったし)なんて、素直に感動したことを思い出します。

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日ごろあまり振り返らなかった、以前に読んだ本の数々、この機会にいろいろ思い出し、ほんとに楽しかったです。