他にもしたいことがあるので気が急くのだけど、忘れないようにちゃんと書き記しておかないといけないとも思うのでブログ更新しておきます。
日曜日に、ブリュッセルでも大きな反レイシズムのデモが行われました。
参加者は1万人。コロナ禍の状況でなかったら、この2~3倍は集まったでしょう。
ネットからフォト拝借。
Phase3に関する政府の会見について書いた時に記したように、今のコロナ禍の状況では人が多く集まることは避けて欲しいとのことだったので、このデモ、けっこう議論のもとになりました。
最初はブリュッセル市長は現在の状況だとデモは許可できないと言ってたんだけど、結局デモ主催者との話し合いのもとで、マスク着用とかディスタンスをリスペクトする、という条件でOKということになったそうです。
実際は、マスクは99%の人が着用し、また市が4000枚のマスクを用意して配布したということで、マスク問題はよいとして、問題は距離。
翌日はこれが大きな争点になって、市長は批判を浴びたりしてました。
クローズ市長はPS(社会党)です。
ちなみに、ブリュッセル市はいつも社会党が強く、次に強いのがずーっとMR(経済リベラル)だったんだけど、この2番目の座、前回の地方選でエコロに奪われちゃいました。
MRにとっては宿敵PSですからね、ここぞとばかりの批判。
しかし上にくっつけたニュースにも記してる通り、政党間の話に限らず、市民の間でも、今の状況でこんなに人が集まるなんて、という批判があります。
みんないろんな制限の中で苦労している最中ですから。
またデモが終わった後、一部の暴徒(casseurs = 壊し屋)が商店のウィンドーを壊して盗みをはたらいたりもして、239人がポリスに捕まってます。
上のニュースには、翌日の朝のニュースにゲストとして、デモの主催者のひとりと市長を呼び話を聞いている動画がくっついてます。
世界各地でデモが行われている中、欧州の首都と呼ばれるブリュッセルで禁止にするという選択肢は、市長としてなかった。
世界一のコスモポリタンの街(ブリュッセルには184か国の人が暮らし、住民の3分の1が外国人)なのだから、と。
もし禁止にしたら、これだけの盛り上がりの中、別の形で吹き上がることになったのでは、と、他の市長経験者の談も紹介されていました。
Covid-19を表現の自由を制限する道具にするな、という若者の意見もありました。
デモ後の暴徒については、徹底的に追及する、とも言ってました。
主催者の女性の話では、ベルギーでも間違いなく人種差別が存在するということを示す数字として、ベルギーのアフリカ系の人で、高等教育を受ける人の割合は60%、これはベルギー全体での割合33%よりずっと高い、それなのに求職率は全体の平均の4倍だ、と言ってました。
私は、これは年齢別のデータも見る必要があるんじゃないか、と思いました。
たぶんアフリカ系の人は若い方が人口に占める割合が多いと思うので。
コネのある・なしも、人種問題同様にかかわっているでしょうね。
純ベルギー人(めったにお目にかからないが)が持ってる、それなりの地位にあったご先祖さま、みたいの、よそから来た人にはいないから。
それと、今回の反レイシズムの動きの中で、またまたベルギーの2代目の王様、レオポルド2世への批判が盛り上がっています。
レオポルド2世については、以前にも記しました。
この記事は、id:cenecioさんに、ブログで言及いただきました。ありがとうございます。
cenecioさんも紹介されておられるように、レオポルド2世の像に赤いペンキで落書きされたりしてますし、↓に貼り付けたニュースに紹介されてるフランダースのエクレンという街の市長さんは、この像はもう撤去すると言ってました。
この王様の時代にベルギーはものすごいお金持ちになりました。
ブリュッセル首都圏にある、目を引くようなでっかい建物はこの王様が作らせたもの。
更にはこの王様、死刑反対論者で、この人の在位中死刑執行は行われなかったはず。
給料を日を決めて支払う仕組み、日曜はお休み、子どもを夜間労働させることを禁止、などなど、いわゆる「良い制度」を導入したのもこの方。
同時に、ものすごく残虐な当時のベルギー領コンゴでのゴム・プランテーションの話は紛れもない史実。
うちの子供たちは、ベルギーがそのとき「より良くなった」ゆえに、この問題はより深刻なんだ、と言います。
そして、それを学校でちゃんと教えないこともよくない、と。
ニンゲン史の一筋縄ではいかない深い問題が、この人と、そして私にとってとても快適なベルギー生活を考えるだけでも、もう満載で、頭を抱えてしまいます。
上に貼り付けた記事に記したドキュメンタリー、日本語字幕はありませんがYoutubeで見つけたので貼り付けますね。
というわけで、備忘のためのメモでした。