âgisme エイジズム & 松葉づえオバサン

金曜日には大学で、フランス語とその文法の歴史の講義の第1回目を聴講してきました。

続けてオンラインで行われる比較芸術史の講義は、大学にそのまま残り、どこかに陣取って聴こうとタブレットもゲットしてあります。

(S penがオマケで付いていたので、お絵かきなんかして遊んだりしました。)

でもNetIDがまだもらえないので、この日の2回目の講義も聴けずじまい。残念。
自由大学が何でもモタモタするのは有名な話なんだった…。
うちは長女・次女が自由大学で、そういえば事務的なことが仏語でいうところの「ボルデリック」だったことを、ああそうだったなあ、と思い出したことでした。

(ボルデルというのは、フランス語で売春宿のことなんですが、話し言葉で、ものすごく散らかっていたりモノゴトがきちんとしていないときに、ボルデル、と罵ったり、ボルデリックだ、と言ったりします。)
3女はルーヴァン大学だったんだけど、なんでも普通に素早くて、その経験がなかったら、「ベルギーの大学ってモタモタするもんだ」と思い込んでいたかも。

3回続けて同じような経験をすると、「そんなもんだ」と決めつけちゃったりしますもんね。

それにしても早くNetIDを出して欲しい。
オンラインの講義が聞けないだけでなく、シラバスも見られないし、図書館を使う手続きもできない。

学生たちの中にもまだNetIDがもらえない子たちもいるようなので、私みたいなケースより、まずそっち優先というのはわかるのだが…。

 

この日の講義ですが、すでに3つも4つも知らなかったことを学びました。

1回目ということで、2時間の講義のうちの4分の3は、いかに進めていくか、試験はどういうかたちになるか、といった説明に使われたのですが、残り4分の1はホントの授業、先生が仏語を愛していて、そのパッションを伝えたい、という思いがばっちり伝わってくるもので、よい講義になるな、と感じさせられました。

私みたいな年寄りが、私の他に3人はいましたよ。なんだか嬉しかった。

 

で、講義の後、まっすぐ帰ればいいものを、トイレに行っておくか、と、カフェなどが集まっている建物のトイレに行ったんです。
うちまではトラムに乗れば30分以内で着ける距離だし、特に寄らなくともよかったんですけどね。
で、その建物に入るには石の階段が数段ある。
入るときは雨は降ってなかったのに、出るときは雨が降り出していて、そこを降りるとき、なんと、最後のステップで滑ってしまって転んだんです。泣

しかも単に転んだんじゃなく、膝をひねっちゃった!!!

もう動けない痛み、ひょえ―――という感じで座り込んだまま立ち上がることもできない。

親切な人が2人、速攻で助けてくれて、キャンパスにあるメディカルセンターに電話してすぐ見てもらえるようにしてくれたうえに、そこまで連れて行ってくれて、帰宅のためのタクシーに乗り込むまでずっと支え手伝ってくれました。

感謝、感謝、本当にありがたく言葉もない。

骨に異常はないけどオルトぺディスト(日本だと整形外科?)には見てもらった方がいいと、そこの医者がとてもよいと紹介してくれたところに予約が取れたので、明日行きます。

その日の午後、次女がフリーだったんで、これも速攻で、薬の調達、食料の調達その他、いろいろと助けてくれ、ま、なんということはないのだけど、あまりのアホさに、自己嫌悪。

初日だというのに…。しくしく…。

 

しかし、トイレに寄らなかったらきっともっと大きな事故に遭ったのを、これだけで済ませてくれた神さまに感謝しよう、と思ってます。
(それ以外に何ができよう・・・)

 

歳のせいかと思ったのだが、次女が、これは歳は関係ない、誰にでも起きうる、と励ましてくれました...。

 

 その石の階段の最後のステップは、濡れると滑りやすいと有名らしく、そのとき助けてくれた人もそう言ってたし、長女もそこで滑って転んだことがあるそうです。

おい、大学、危ないだろ、どうにかしろよ!!!!← 逆恨み?

 

たまたま前日、掃除・洗濯・美容院での月1回のカット、全部済ませていたんで、これはラッキーだったかもしれない。

あれをしないと、これをしないと、といったプレッシャーはゼロ。

 

翌日はもっと痛いと思うよ、と次女が言ってたので覚悟していたんですが、朝起きたら少し痛みも減り、松葉づえ扱いも上達(笑)。

昼には長女も次女も、食べ物をいっぱい持ってきてくれたんで、これから数日間は食料問題もなし。

動かず食べるのみ、これはこれでちょっとキョーフですが…。

夕方は3女もレオくんと見舞いに来てくれましたし、やたら賑やかな1日でした。

 

金・土曜日の2日は、そんなこんなで嵐のように去っていったのでした。苦笑

 

 

前に記したアノン邸に関する資料など、うちにあるのを準備して、次に更新するときはそのあたりをアップしようと思っていたけど、それはまた次に延ばし、今日は動けないことを言い訳に、毎日やるぞと決めていたフランス語の勉強をさぼって視聴したドキュメンタリーの話などを記しておきます。

 

クリックしても日本では視聴できないと思うけど、これ ↓ 。

「なんで年寄りは嫌われるの?」というâgisme(エイジズム=年齢差別)についてのドキュメンタリー。

2019年制作で、リポーターはフランスの歌手で90歳になるマルセル・アモン。

www.rtbf.beエイジズムなんてあまり話題に上りませんが、レイシズムやセクシズム同様、偏見による差別を表す言葉です。

「年寄りは○○だ」という偏見について、マルセル・アモンがいろいろ取材をしていきます。

高齢者は交通事故を起こしやすい、というのも、統計的にみると全くウソ。

そういえば女性ドライバーはヘタクソで事故を起こす、なんてのも科学的根拠ゼロですもんね。

取材の中では、これから1年半以内にスイスで死ぬことを決めているという、75歳の女性も登場します。

彼女は、人生を四季に喩えたとき冬を生きたくない、私のraison d'être(レゾンデートル=存在理由)は女性としての性的な充実感、生きる喜びは秋まで、そう断言して、そういう価値観の人間に死を選ぶことを許してもらう法律を作るための運動家でもある。

リエージュ大学の社会学者の話がおもしろかった。

多くの人がイメージしているより、高齢者の生きていることにおける肯定感は非常に高く、孤独感・抑うつ感などの数値はとても低いのだそうです。

こういうアンケートの結果では、幼いころから18歳ころまで、人生の肯定感が高く、その後だんだん低下し、最低値になるのが30~40歳頃、その後はまた上昇、高齢者の幸福感はかなり高いのだ、とのこと。

もちろん老化による身体機能の喪失などは避けられないが、それとは別に、心理的な面の話です。

なぜなら「今そのとき」を楽しもうという思いが強いから、だと。

(ああ、それ、わかるわかる、と私 笑)

若い人はネガティヴな事象にとても過敏に反応するけど、高齢者はそれがない、とも。

これは科学的実験の結果です。

扁桃は常に活動している脳の感情をつかさどる部分とつながっているもの、その活動を調べるとそれがわかるのだそうです。

歳を取ることを「いろいろなものを失うこと」と捉えることが多いが、実は「いろいろなことに順応すること」と表現している人もいました。

 

私も、還暦過ぎてからは特に、自分のこととしてけっこういろいろ考えているので、おもしろいドキュメンタリーでありました。

やはりお勉強するのは脳神経を活性化するんでボケ防止になるようです!

高齢者がホームに入ることがあたりまえで、年金生活になったら働くことなく自由に暮らすのもあたりまえ、というこちらの文化なので、もしかしたら背景が日本とはずいぶん異なるかも…ですが。

加えて、政治の話でなく、「個人の幸福」の話で、年寄りだらけのどこかの政府を支持するドキュメンタリーではもちろんないです。

 

 

政府と言えば、ベルギーの連邦政府、総選挙から1年4か月過ぎ、ようやくできそうです。

この10月1日、宣誓が行われる運びとなりました。

連邦議会はディスタンスが保てないので、EU議会がその会場として使われるそうです。

結局フランダースの第一政党であるNVA抜きでの連立政権、そうなると第一政党は仏語圏の社会党になるんで、首相はPSのポール・マニェットかな。

 

 

いつもみたいに、いくつかリンクを貼っておこう。

 

まず、おもしろい記事だったので、ここにアップしておこうと思っていたのに前回貼り忘れた記事。

gendai.ismedia.jp

 

コヨーテとアナグマがコラボするというの、初めて知った。

https://twit

 

 

もう数年前に亡くなった、ベルデ岬カーボベルデの裸足で歌うセザリア・エボラ。

大好きなんだけど、中でも最も美しいと思うソダードという曲があります。

歌詞は理解できてなかったんだけど、その歌の歴史的背景をこれで初めて知りました。

また近いうちに訳しますね。

ter.com/epinesis/status/1308189866044219393?s=20

今日のところは貼り付けるのみ。

www.rfi.fr

曲をYoutubeで見つけてきたので貼り付けます。

 

www.youtube.com

 

そして、恐ろしくかつ可笑しいarteのビデオ。

小学校の先生が、クラスの男の子の母親に罵られプッツンになる、という短い動画。

ドイツ語でオランダ語でフランス語の字幕がついています。

これをFBに上げたら、長女の昔のボーイフレンドくんが反応。

彼のパートナーが翻訳を仕事にしていて、この字幕は彼女がつけたものだそうな。

なんだか嬉しくなっちゃった。

www.facebook.com

 

ジュリエット・グレコが亡くなりましたね…。

 

www.youtube.com

 

 追記 今お昼のニュースを聞いているんだけど、やはりフランダースの第1党を抜きにしたことで、フランダースブラームスブラング(極右政党)が騒いでいます。

どうなるかな…。

 

 

 

イザベル・ユペール その他いろいろ

ブリュッセルは今日も良いお天気。

最高気温は25℃くらいになるそうです。

でも、こういう夏のようなお天気も今日でオシマイ、これから天気も崩れ、今週末は最高気温も13℃ということです。寒そう…。

 

ベルギーって≪ミクロクリマ≫っていうのかな、あまり天災に見舞われることがないと感じています。

水不足が深刻になっている地域があるとはいえ、なんとも平和な日々。

南仏のガールでは、たったの2時間で川の水位が9メートルも上昇したとかでものすごい水害でしたし、ギリシャのどこだったか、やはり水害で、羊飼いの人たちが腰まで水に浸かって羊を1頭ずつ抱えて救っている様子をニュースで見ました。

 

 

 

さて、前回の記事で約束したように、arteによるイザベル・ユペールのドキュメンタリーIsabelle Hupper: message personnel  ↓ のプロモーション動画3分ちょっとをちょいと日本語にしてみます。

www.youtube.com

そして、今日のフランス語の勉強は、これをもってヨシとすることにします。笑

 

フランス語のお勉強といえば、今サガンのエッセイを読んでますが、文化遺産の日で動き回ったりもしたし、ここ数日はさぼってます。

エッセイなのでユルスナ―ルの短編小説よりずっと読みやすい。

でもこれは「お勉強」なので、知ってる単語でもゆっくりゆっくり調べながら読んでいて、先日、ヌレエフとアムステルダムで会った時の思い出を読み終えたところ。

今度は、たぶん明日から、テネシー・ウィリアムスとの思い出を読み始めます。

「私の最も素晴らしい思い出」と題されたエッセイ集、出会った人々との思い出が記されていて、その人々の中にカーソン・マッカラーズもいて、早くそこが読みたい。

彼女との思い出が語られるのがテネシー・ウィリアムスの章なので。

もう中身は全然記憶にないのだけど、マッカラーズの著書は「心は孤独な狩人」は読みました。

でもなんといっても心に残るエピソードは、カポーティの体験談。

彼のエッセイ、たしか「犬は吠える」の中で読んだんだと思うんだけど、彼が街でいつも見かける女性がいて、彼女と初めて会話を交わしたとき、「私は女性作家ではカーソン・マッカラーズだけを評価する」みたいなことを言ったと、そしたらその女性がマッカラーズ本人だった、というエピソード。

こういう偶然とはいえない偶然の話を聞くと、ものすごく感動・興奮しちゃうんですよね、私。

 

 

イザベル・ユペールと言えば、たまたま竹下節子さんが2回続けて彼女が出演する映画について記されていましたので、それも貼り付けちゃいます。

spinou.exblog.jp

spinou.exblog.jp

 

 

と、前置きはこの辺で、前回貼り付けた動画、もう1回貼り付けます。

id:cenecioさん、もし私の解釈が間違ってたら教えてくださいね。

www.facebook.com

名前は? イザベル。

苗字は? ユペール。

仕事は? 女優。

で始まります。この部分は2002年ものです。

 

一番上に貼り付けたドキュメンタリーは、彼女にとって女優という仕事とは何か、を描いたもの。

そののトレーラーであるこの短い動画では、

私は絶対に女優になるんだ、という確信を持っていた覚えはなく、もっと無意識なもの、直感的なものだった

という彼女の話に続いて、5つにまとめてあります。

 

1 コントラストを演じること

それこそが俳優の役割。

ちょっと黒くてちょっと白い、少しこんなで少しあんな、という感じ。

私にはセリフの多い役の方が難しい。

しゃべらず、まなざしや沈黙で表現する、それが映画、映画は沈黙の芸術。

 

ナレーション→ 女優とは、エクセランスではないものをエクセランスに、強さを脆さに、自信を臆病さにと変化させる仕事

 

2 演じる役によって自然に導かれること

説明することはできないんだけど、一目ぼれみたいに、ぐいっとつかまれるような役柄がる。

La dentellière や Violette Nozière がそうだった。

親の前ではまだあどけない少女でありながら、家を出るとまるで娼婦という役柄は、ちゃんと演じきれるかと難しいものではあった。

殺人を行うような役柄の場合、自分の中にある正面からはとても向き合えない感情にも向き合わないといけないから。

 

3 仕事から離れて休むこととのバランスを取ること

仕事から離れることの必要を長いこと感じていました。

家庭を持ち、子どもを持つこと。

何もしないでいることも好きなんです。

長いこと仕事から離れましたが、何もしないことに不安を感じることはありません。

何もしないでいることも心地いいものです。

映画と関係なく、そのまま成り行きに任せて生きるのもいいことです。

 

4 «登場人物»を演じるというのではなく、ある人物そのもののその時の状態を具現化すること

いったん撮影が始まり演じるとき、私はその「登場人物personage」を演じているのではなく、その「状態états」を演じます。

「登場人物personage」を演じるんじゃなくて「人personne」を演じています。

personage というのは限られたもので personne というのはもっとずっと広いもの。

 

 

 

5 自分自身について絶え間なく問い続けること

作品ごとに自分自身について問うていくことになります。

答えが出ない問いです。

だからこそ人は映画をつくるのだと思う。

私は誰?という答えの見つからない問い、けっして妥協を許さない問いです。

 

そして、50年近くのキャリア、その間100本以上の作品に出演、彼女は女優という仕事のすべての面を具現化し、止まることをしない、と締めくくってあります。

 

以上でーす。

自分が聞いてわかるということと、ちゃんと訳して伝わるように記すことって、けっこう違いますよね。

yonnbabaさんが楽しみ待っていて下さったと思うんだけど、お役に立ったかしら…。

 

 

さて、今日のところはこのくらいにしておこう。

 

RBGが亡くなったというニュースは、あっちでもこっちでも話題になりましたが、今朝読んだニュースを貼り付けておきます。

www.bbc.com日本語訳もありました。

www.bbc.com

 

先日知ったのですが、グランサブロン広場をちょっと下りたところにあるピザ屋さん、イタリア以外のヨーロッパで5番目に、ベルギーでは1番おいしいという評価なんだそうです!

ちょっと食べてみたいかも。

本格ナポリタンピッツァ ピッツァエベッラ

lapizzaebella.be

 

 

王立図書館の写本ミュージアム、5月オープンのはずだったんですが、コロナ騒ぎで延びてしまい、今月18日にオープンしました。

落成式はネット上でライブでフォローしちゃいました。

ベルギーの王立図書館の写本のコレクションは世界で3番目か4番目の質と量、900冊所蔵しています。

以前図書館のオープンドアのときに、そのセクションの専門家の人のガイドで見学したことがありますし、もうずいぶん前になりますが、王立図書館のお宝100点というイヴェントでも一部鑑賞させてもらいました。

今後は観たいときにはいつでも観られます。

嬉しい。近いうちに行くつもり。

www.kbr.be

 

いやはや、9月になったらやりたいことが目白押し。

大学以外の次の予定は、今月末の王立アカデミーのコラプソロジーについてのコンフェレンスと、10月3日、ARAUによるアールデコガイドツアー、これは3月に参加する予定で参加費用も払っていたのにコロナのロックダウンでボツになった企画の代わり、Villa Empain バロン・アンパンの邸宅をスタート地点としたガイドツアーです。

 

 

前回まで、文化遺産の日で見たもののフォトだけで、建築家など詳しいことは省いちゃったので、次に更新するときは、そのあたりアップしておこうと思っています。

 

 

 

Journées du patrimoine 2日目  Van Eetvelde 邸 と マリオネット劇場 Toone

今日もばっちり楽しませてもらいました。

 

最初に訪ねたのがVan Eetvelde邸です。

ここはもうずいぶん前に1度、やはり文化遺産の日に訪ねているんで、今回が2回目。

この家もEU地区にあります。

また60番のバスに乗り、今日は終点まで。

昨日記したジュルダン広場は市が立つ日なので迂回。

 

昨日かいた記事の有名なフライドポテト屋さんの話に、id:cenecioさんが反応してくださいました。

EUサミットの時に、メルケルさんがここのフライドポテトを買いに来ていたのが、TVのニュースに出たこともある、おいしいことで有名な店です。

この広場の周りのカフェに持ち込みもできちゃう。

実は日本のTV局も何回か取材に来ています。

某テレビ局の世界のニュースを紹介する番組では、私がレポーターとして登場したりもしました。(笑)

 

さて、Van Eetvelde邸ですが、これはオルタの作品。

前回見た時よりずっとオルタの天才ぶりを感じました。

限られた空間を広々とさせるところがすごい。

うちの近所にあるオルタの家も今はミュージアムですが、同様です。

普通の大きさの建物なのに、ずっと広く感じさせるんです。

 

内部のフォトを撮るのは禁止だったので、外だけですが、今修復の真っ最中だったんで美しくありません。

 

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向かって左横にある建物も、数年後に増やしたオルタによるVan Eetvelde邸ですが、後で売却されたときに別々に売られたことで、今は所有者が違います。

今まさに左の建物は売りに出されている最中。

200万ユーロだそうです。

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Van Eetveldeさんはソルヴェさんほどの大金持ちじゃなかったので、ソルヴェ邸(ルイーズ通りにあります)よりずっと控えめですが、それでもレオポルド2世の時代、コンゴ統治のための役割を担った人です、内装にはコンゴ産の大理石、アカジュ、マラカイトなどがたっぷりつかってあり、鉄の使い方も斬新でありました。

 

 

Van Eetvelde邸見学の後、そのすぐそばにあるバス停で63番のバスに乗り中央駅へ。

 

今度は、これもまたものすごく有名なマリオネット劇場Tooneで三銃士を観劇。

グランプラスのすぐそばです。

これだけ有名で、しかもその歴史などもある程度知っているくせに、今まで1回も行ったことがなかったんです。

この機会に行こうじゃないか、と思ったわけです。

 

こういう路地を入っていきます。

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そして階段を上って。

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ここで観劇。

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幕間では1階下のミュージアムエスタミネ(ビールを飲むところ)でビールを1杯。

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このお兄さんがすべてのセリフを担当。

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こんな感じ。

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人形を操るのもみんな若い子です。

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この劇場は1830年から存在。

上流階級の人たちがオペラを楽しむように、庶民はマリオネット劇を楽しんでおり、下町であるマロール地区(ブリューゲルの眠る教会のあたり)には、マリオネット劇場がもっと前からたくさんあったんだそうです。

今も残るのはグランプラス近くのこのTooneだけ。

しかも存続の危機に瀕しているらしい。

 

本来ブリュッセルオランダ語の方言であるブリュッセル弁を話すところ、だからこのマリオネット劇もブリュッセル弁だろうし、きっとほとんどわからないだろうと覚悟していったんですが、ほぼフランス語でブリュッセル弁はほんの少しでした。

想像していたよりずっとおもしろく大笑いしてしまった。

来月の出し物はドラキュラだそうで、それを聞いただけでも今日の三銃士よりさらにおもしろそう。

また行こうかな。

 

隣に座った女性に「初めて来たの?」と聞かれ、「もう30年もベルギーに住みながら初めてなのよ」と言ったら、「私もずっと前から知ってたのに、来るのは初めて。おもしろかったねえ。」と。

 

コロナ禍のせいで隙間を開けての観客でしたが、皆ニコニコで帰っていきました。

 

彼らが作ったというブリュッセル弁の絵本。

おもしろいので買っちゃいました。笑

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芸術の丘を登って王立美術館前からトラムに乗って帰路につくのであった。

 

私ってやっぱりブリュッセルが大好きだなあ、と思いつつ・・・。

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というわけで、昨日と今日、見たものを忘れないうちにとフォトだけはアップしました。

 

また明日か明後日、もうちょっと詳しい話をアップするかも…。

最近気になったニュースなども書き残しておかないと…。

 

今日はid:yonnbabaさんと id:SPYBOYさんに動画をプレゼントしておしまいにします。

 

www.facebook.com

彼女が話している内容などは、また明日以降に訳しますね。

 

 

 

 

Journées du patrimoine 1日目 アノン邸とソルヴェ図書館

ひとりで暮らし始めたことですっかり忘れていたけど、9月っていつもストレスフル。

今年は自由大学の講義を受けることを決めたことで、そういえば…と思い出してしまった。

夏のバカンスの間は何事もびくとも動かない、それが9月に入ったとたん動き始めるものだから、心身ともにけっこうなストレスなのであります。

3人の子供のお母さんをやってた頃に比べたら、自分のことなんで気楽なもんですが、

(こちらの学校、教科書は学校が貸してくれます。小学校ではノートももらえます。で、その本とノート、全部うちでカバーをしないといけないことになっていて、事務的な諸手続きに加え、それがタイヘンな作業だったんですよ。3匹もいましたしね。)

その分年も取ったわけで、それなりに疲れるわ。ヨロヨロ…。

 

大学の講義は4つ受けていいことになりましたが、時間わりを見ると、うち2つが前期で残り2つが後期です。

(大学に前期・後期ってのがあったことも、すっかり忘れていました。笑)

この14日から大学の講義も少しずつスタート、時間割を見ると、私の受ける2つはいずれも金曜日。

フランス語とその文法の歴史が10時から12時。

比較芸術史が12時から14時。

これは途中でお腹空くかも、なんておバカな心配をしていたのだけど、なんと!午前中の講義は教室で、午後の講義はオンラインとなりました!

午前中の講義を大学で受けた後、瞬間移動でうちのPCの前に貼りつくことなんて、どこでもドアでもない限り不可能ですよね!!!

「来週の金曜日まで変更もできます」と言われましたが、すっかりその気になってたので、今さら変更するエネルギーが湧いてこない。

持っていたノートブックは、PCが壊れて困っていた次女くんにあげちゃったし、スマホじゃ小さすぎるし、新たにノートブックかタブレットを買って、大学の図書館かカフェにでも陣取って聴講するか…。

というわけで、ああでもないこうでもないと考えています。

オンラインの比較芸術史の講義、昨日始まったのに、CEPへの私の申し込みがけっこう遅かったために、まだ大学のNetIDがもらえておらず、聴けませんでした。

ものすごくがっかり。

 

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さてさて、今日土曜日が、お楽しみの文化遺産の日の1日目。

久々にいっぱい動いて、けっこう疲れました。

でも、やっぱり楽しい。

天気もものすごくよかったし。

 

一応フォトをアップしておきます。

 

近くで見上げたアノン邸です。

この出っ張ったところが「冬の庭 jardin d'hiver」。

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エントランスホールの床モザイク。

サロンへつながる数段の大理石のステップを指しています。

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来客を案内するサロン。

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サロンにつながったスモーキングスペース。

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スモーキングスペースのフレスコは春・夏・秋。

ローマ時代からのモチーフですよね。

人の人生の時代も示している。

うち、夏の部分。

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外からでっぱって見えていた冬の庭。

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ダイニングルーム

写っているのはガイドしてくれたマダムです。

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この階段を上って、家族のスペースである2階へ。

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まず一人娘さんの部屋だったところ。

まだ修復が終わってないことがわかります。

このアノン邸、角に建っているので窓がいっぱい取れて、すごく明るい。

そのあたりがオルタの家とは全然違います。

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アノン夫妻の寝室横にあるバスルームの床のモザイクと壁のタイル。

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夫妻の寝室。

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寝室の壁、オリジナルどおりに修復するための手掛かり。

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夫妻のスペースと子供部屋の間にある衣裳部屋。

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階段の壁のフレスコ。

しみじみ象徴主義の時代ですね。

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3階へ上る階段。

使用人の部屋とアノン氏の仕事部屋があったそうです。

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文化遺産の日ということで特別に公開されましたが、まだまだ修復の真っ最中で普通は入ることはできず、今日も地下(台所など)と3階へは行けませんでした。

将来はアールヌーヴォーミュージアムになる予定だそうです。

はたして何時になることでしょう、誰も知りません。

 

アールヌーヴォーの時代って、第1次大戦前のわずか15年か20年。

その後はこのスタイルはあまり好まれず、この家もアノン氏の娘さんが顧みようとしなかったので荒れ放題だったのです。

 

 

午後はEU地区にあるBibliothèque Solvayソルヴェ図書館を見に行きました。

ここはアールヌーヴォーではなく折衷様式。

うちの近くから60番のバスに乗り、ジュルダン広場で下車。

この広場には、おいしいと評判のフライドポテト屋メゾン・アントワンヌがあります。

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広場に面したホテルに入ってる1040というレストランは、ベルギー名物料理の一つである北海の灰色小エビのクリームコロッケ味比べで2等賞になりました。

このレストラン、ステーキもすごくおいしい。

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小心者の私は、例によって予約を入れている時間よりずっと早く到着しそうになり、レオポルド公園でちょっとゆっくり。

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時間をそうやってつぶして到着すると、なんと、建物の入り口にはテラスが作られ、ワインやビールが飲めるではありませんか!

こんなことならもっと早く来ればよかった、と後悔。

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エルネスト・ソルヴェが作った社会学研究所だった建物です。

ソルヴェさんについてはこのブログでも既に触れました。

当時世界で一番金持ちだったひとりです。

メセナとしても大活躍。教養高い人だったのです。

 

建物の内部です。

マスクしたソルヴェさん。

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1910年代のラルース。

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古いエレベーター。

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鉄を使っているところが、まさしくこの時代。

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本棚の横に扉がありますが、いくつもある閲覧室のひとつです。

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見物後に泡を1杯いただいちゃいました。笑

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今年はコロナのせいで、公開される場所も少なく、全部予約制だし、参加する人も例年よりずっと少なかったと思います。

明日も2カ所訪ねる予定です。

 

 

オマケ 笑

過去の記事から文化遺産の日について触れたものを探してきました。

 

10年前のもの。

このときは意図せずして同行したモト夫をBD博物館に置き去りにしたんだった。

可笑しすぎる。

shohoji.hatenablog.com

さらに遡って15年前。

まあよくこんなに歩けたものだわ。

今はとてもムリ。

これってMIXIにしか書いてなかったみたいなんで、まだベルギーについての知識も今よりもっと乏しいし、もうリンクもつながらないし、たいしたもんじゃないがそのままコピペしちゃおう。

個人的には電車でのエピソードが笑える。

 

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長女が12時に音楽アカデミーでの授業を終えたので、そのまま最寄の国鉄駅からブリュッセルへ。

電車の中で車掌が乗車券のコントロールにやってきたので、ふたり分の切符を見せると、それまで他の客とは普通にフランス語で話していたくせに、私には突然スペイン語で話しかけるのね。
「へっ?????」と、長女とは日本語で話していたつもりだったけど、なんかの拍子にスペイン語を話していて、それが彼に聞こえていたのかな???とか、頭の中を?マークがクルクルまわったのだけど、彼曰く、
「僕はスペイン人だからスペイン語もわかるのよ。お客さんがラテン・アメリカの出身だとすぐピーンとわかるから、スペイン語で話すのさ。」
とのこと。
おいおい、たまたま私がスペイン語のわかる日本人だったからよかったけど、そうじゃなかったらどうすんの?
「メキシコにいたからスペイン語わかるけど、日本人よ」と言ったけど、まったく信用していないのよね、おまけに。
なんだかケッサクな車掌だったわ。長女と大笑い。

とアホな話はさておき・・・。

北駅で降りて、中央駅方面に歩きながら、

フリーメーソンの寺、王立美術アカデミー、ノートル・ダム・ド・シャペル教会、プチ・サブロン公園、エグモン宮、王立美術館、アルベルティン公園、と回り、証券取引所近くの古本屋で古本発掘をしたあと、中国人商店街でちょっと買い物をして、帰宅夜8時。
よく歩いたわ。

フリーメーソンの寺、こういう機会でもないとなかなか入れないから、けっこうの人出でした。
建物の中は、大・中・小とみっつの寺に分かれていて、あと博物館がひとつ。
たいへん豪華。装飾はエジプト風。
シャンポリオンロゼッタ石を解読したりいろいろで、エジプトの影響が大きかったときがあったらしい。
それとシンボルがたくさん。
おなじみのコンパスと定規、三角形の中の目、Gの文字、などなど。

美術アカデミーではベルギー2代目の王様、レオポルド2世の頃の装飾に関するエクスポジションをやっていました。
この頃のベルギーは植民地としていわゆるベルギー領コンゴを所有、たいへん豊かだったのです。
そのため、いろんな芸術家が集まったし、アール・ヌーヴォーといった芸術運動の中心地だったのでした。

ノートル・ダム・ド・シャペル教会には、ブリューゲルが妻とともに眠っています。
この反骨精神とグロテスクなまでにユーモア精神に満ちた画家、とても好きだわ。
ブリューゲルの息子が父親に捧げるために描かせた絵も飾られています。

プチ・サブロン公園はとても美しく整えられた、宝石みたいな小さな公園で、都市の豊かさのモトになった職人たちの銅像に囲まれています。
その奥にあるのがエグモン宮。
エグモン伯爵はベートーヴェンの作曲したエグモンドやゲーテの書いたエグモンドのモデル。
スペインのフィリップ2世の時代に、このあたりを統治していた残虐なアルバ公爵に対する反逆のかどで、オルヌ伯爵とともに死刑になったジェントルマン。
これがきっかけでスペイン統治からオーストリア大公国統治へと移っていくんだけど、そういう英雄です。
で、エグモン宮は政府の持ち物で、普通は要人の接待等に使われ、公開されないので是非この機会に中を見ようと張り切っていたのだけど、同じ考えの人間は山ほどいるのね、すごい列だったのでうんざり、ガラス越しにちょびっと覗いただけで退散。

王立美術館はいろんな機会によく訪ねるので、今回は売店によったのみ。
そろそろ疲れてきていろんなことがめんどくさくなってきてしまった・・・。

それから、王立図書館のあるアルベルティン、芸術の丘を降りてグラン・プラスの方へ向かったのだけど、芸術の丘ではその広いスペースが、装飾された実物大の馬の像でいっぱい。
horse paradeというエクスポジション。
これがすごくよかった。馬ってみんな好きなのね、
オトナもコドモも大喜び。

http://www.horseparade.be

このアドレスだけだと、展示されていたその風景がつかみにくいと思うので、この日記を書いてアップしたあと、どこかわかりやすいページがないか、調べてみます。

この展示は知らなかったので、わたしたちもにもサープライズ、トクした気持ちになりました。

証券取引所にはロダンの彫刻とかあるんだけど、案内は日曜のみだったので断念して、そのおあたりの古本屋、中国人商店で買い物して中央駅へ・・・。

という半日でした。
最後まで読んでくださった皆さん、ありがとう&ご苦労様。



今ちょこっと調べたら、馬の像は全部で175体、馬の姿はシタのアドレスをクリック

http://bruxelles.viabloga.com/news/17.shtml

この展示、最初はブリュッセルの独立50周年記念公園でやっていたらしくて、下のアドレスをクリックすると、製作中のアーティストのひとりへのインタビューと、バックアップしていた政党MR(改革運動党)の党首へのインタビューが見れます。
背景は独立50周年記念公園の一部。
ヴィデオのインタビューの背景に見えるのが、レオポルド2世の時代の宝物収納倉庫の一部。(この王様、宝物収納倉庫をブリュッセル市内に5つ持っていたのだけど、そのうち2つがこの公園にあったのです。)

http://www.mr.be/News/25-08-05_MR-video-presentation-Mr-Libertes.php

この展示、広々しすぎていて、その風景を楽しめるサイトはないみたい。残念。

 

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journées du patrimoine & ユルスナ―ルの次はサガン

前回更新してから1週間以上経ったので、ここ数日のことなど記しておこうかな。

 

とてもさわやかな気持ちのいいお天気が続いていますが、なんでもこの月曜・火曜は30℃を超えるそうな…。

朝晩は暑くないんで、たいへんなことはないとは思います。

そういえば去年の9月も、暑い日があったような気がするなあ。

 

以前は9月に入るとコートを着ないと寒かったんですけどね。

 

予告通り、11日に自由大学から私が聴講できる講義について連絡がありました。

 

Art et archéologie : Renaissance et Temps Modernes

アートと考古学:ルネッサンスと近代

Histoire de la langue française et grammaire historique du français

仏語の歴史

Questions d'histoire comparée des arts en Europe (Temps modernes)

近代ヨーロッパにおける芸術の比較歴史学の問い

Littérature des Temps modernes  

近代文学

 

一応限度とされている100時間を超えるけど、提出したリストのうち、上から4つがOKとなりました。

 

講義のタイトル、再び適当な訳なんで、Cenecioさんから訂正されちゃうかも…。苦笑

 

アートと考古学って組み合わせが、タイトル見たときはなんだか不思議な気がしたんですが、これ、芸術史の教授が2人担当されるんです。

で、そのふたりともとてもいい先生だと知っているんで、もう迷わずリストの1番に入れたんです。

日本の芸大で初期フランダース派の研究をしている女の子がいて、こちらに来るときはうちに泊まってもらっていろいろ教えてもらってます。

その子の自由大学での担当教官が、そのふたりのうちのひとり。

とてもよい先生だということは、彼女からも、うちの長女(彼女も芸術史専攻だったので。音楽の方ですが。)やその友人からも同様に聞いていました。

王立アカデミーでの講義にもときどきいらっしゃっていて、彼が教室に入ってくると、そこらへんにいる学生たちが、「M先生!」と喜びます。

それを見て、ホントに学生から慕われてるんだなあ、と思ってます。

もうひとりは、長女が「絶対ママの好みだから聴きにおいでよ」と誘ってくれたんで、若者に紛れ込んで聴講したカラヴァッジョの講義の先生。

うちの長女は、内容だけでなくそのフランス語の美しさにも感動していました。

(私はそこまでわからない・・・)

王立アカデミーでも、彼女の教会の祭壇に関する講義を一度聞いたことがあります。

 

どれだけ理解できるかわかりませんが、1回につきひとつでも、へええ、そうなんだ、と何かを知ることができたら、もうそれで、少しはマシに死ねるでしょうからね。

能力の及ばぬ過剰な目標は掲げず、楽しくいきますわ。

 

1年後には少しはフランス語を味わえるようになれたら嬉しいのであるが…。

 

これもずっと前、次女が中等学校のフランス語の授業で、エリュアールの詩の中から一番好きなものを一つ選びなさい、という課題がありました。

リベルテ」がいいんじゃない?って言ったら、「そういう誰でも知っているもの以外で」ってことだそうで…、あらま、って感じでしたよ。

 

リベルテ、いいですよね。

大好きです。

日本語訳で読んで感動して、それが訳さなくともわかるようになったことにもっと感動したのだけど、こうやって感動を持って味わえるものが1年後にひとつでも増えていたら嬉しいな。

 

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ふふふ、これは私の手なんだけど、そのまわりはスペースなしで書き込みまくった「リベルテ」です。

イヌのところをネコに変えてますが。笑

 

 

 

今日は日曜日ですが、昨日と今日はワロニアとフランダースの、そして来週のウィークエンドがブリュッセルの≪journées de patrimoine»です。

これも私は適当に、「文化遺産の日」なんて訳してます。

毎年9月に行われるイヴェントで、毎年何らかのテーマがあって、今年のテーマは「色」です。

www.heritagedays.brussels

普通は公開されないような場所が公開され、ガイドもついて説明してくれるんで、ものすごくおもしろく、毎回仕事が入らない限り参加してます。

公開される場所はたくさんありすぎるんで、あれもこれもは難しい。

今回は土曜日の午前にひとつと午後ひとつ、日曜日に午後ひとつ夕方ひとつを予約しました。

しばらく前にこのブログに記したアノン邸が、私の土曜日の午前のプログラム。

ついに念願の内部の見学です!嬉しい。

それに我が家から3分もあれば十分な近距離だし。

shohoji.hatenablog.com

こういう風に文化に触れることが誰にでも可能なところが、この国に暮らしていて快適に感じることのひとつであります。

 

 

さて、ユルスナ―ルの短編、ゆっくりゆっくり読んで終了。

次はコレットかな、と思っていましたが、そのコレット好きの友人が、語彙や文章を味わってね、と、サガンの本を送ってくれたので、今日からそれを読み始めます。

自分ちにある1冊を送ってくれたんですが、ちょいと読み直して、今読んでも十分美しいことを確認した、と。

ありがたいことです。

ほんと、私は友人運は最高級なんですよね。

 

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コラプソロジー

日本には今ものすごく大きな台風が近づいているんですよね。

福岡にいる姉も、できる備えは全部した、と言ってました。

この春に瀬戸内の島に移住した友人に、ちゃんと備えてる?と訊ねたりもしました。

ベルギーは天災が少ないので、もう長いことそういう怖い目に遭うことがなく、想像するだけでキョーフを感じます。

大阪に住んでいる友人は、関空の橋が船がぶつかって壊れたあの大きな台風の時は、窓のガラスが暴風に押されて内側に膨らむのを見てものすごく怖かった、と言ってました。

新しい建物で窓は2重ガラスだったにもかかわらず、とのこと。

みんなしっかり備えて、後で、心配しすぎたね、と笑い話になることを祈ります。

 

今日は、コラプソロジーという新しい言葉を一つ覚えたので、それを忘れないように記しておこうと思いました。

時間が許す限り聴講してきた王立アカデミーの講義ですが、コロナのせいでキャンセルになったり、何時になるかまだわからない延期になったり、でした。

昨日アカデミーから、今後のプログラムを知らせるメールが届いたので見ていたら、Les racines historiques de la collapsologie という講義があります。

コラプソロジーcollapsologie って初めて聞く学問だったので、何?と思って調べたら、パブロ・セルヴィニュという農業エンジニアとラファエル・ステヴンという生態学の専門家が、ふたりで2015年に出した本に初めて出てくる造語だそうです。

 

日本語ではどう紹介されてるのかな、と思って検索したら、「崩壊学」だそうです。

この講義はオンラインになるそうですが、おもしろそうなので申し込んでおきました。

ideasforgood.jp

まったく、世界には知らないことだらけですね…。

 

ブリュッセル自由大学で学生に混ざって聴講する講義、まだどの講義かも未定。

定員があるんで希望通りというわけにはいかない、それで自分の希望順に12の講義をピックアップして申し込みました。

年間100時間まで、という条件があるんで、3つくらいしか聴けません。

今月11日に、オフィスの方から私が受けられる講義をしらせてくれるそうです。

100時間って少ないので、こう制限されると、あれもこれもおもしろそうに見え、ピックアップも簡単ではありませんでした。

 

そういうわけで、この「お勉強」はまだスタートしていませんが、バカンス(?)も終えたことだし、ちゃんと本を読もうと、今マルグリット・ユルスナ―ルの短編を読んでいます。

モンスに住んでいたころ通った美術学校のデッサンのクラスで、よく一緒におしゃべりをしたフランス語の先生がいて、ユルスナ―ルの話に及んだ時、彼女が「ものすごく美しいフランス語」とうっとり語っていたのが心に残っているので。

ささっとストーリーを追った後は、最初に戻ってゆっくりゆっくり、覚えるくらいゆっくりと読もうかな、と。

悲しいことに、1ページだけでも知らない単語がいくつかあるんですよ。

 

まったく、あっちを見てもこっちを見ても、ほんとに知らないことだらけ…。

 

昨日は先月復活したモンス時代の隣人とのランチ日でした。

彼女は公証人のオフィスの秘書ですが、母語が仏語で、蘭語・英語・伊語ができます。

つまり言語好き。

(我が家の家庭内公用語が仏・日・西語なのを、いつも「いいねえ、うらやましい」と言ってくれていました。)

で、ユルスナ―ルの話をしているとき、彼女はコレットの仏語に惚れ惚れすると言ってました。

そうか、次はコレットだな、と思った私であります。

 

 

このランチ、スターターはちゃんと思いついてフォトを撮ったものの、後はおしゃべりに夢中になって忘れてしまった。

スターター2品に、またカルパッチョがありました。今回は子牛でしたが。

ちなみにメインはエシャロットソースのステーキか、グリルしたサーモンとレンズ豆。

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フランス語に mourir moins bête という表現があります。

何か新しく知ったり理解した時に使うんですが、これで少しはマシに死ねるね、って感じです。

 

好きなものに囲まれて、死ぬまで1日に一つでもマシになって、という生き方がしたいな。

 

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9月に入り、私の«バカンス»終了

9月に入りました。

最高気温が20℃いくかいかないか、最低気温が10℃を切り始めた、という感じです。

 

コロナ禍ゆえの長ーい«バカンス»を自分なりに終え、昨日から心を引き締めた(?)私。

そういうわけであまり時間もないので、備忘のためにのみ、いくつかニュースの記事を貼り付けておこう。

 

最近のベルギーでの話題はショヴァネク事件。

2018年にシャルルロワ空港で、不審な行動をとったという理由でポリスに拘束されたスロバキア人男性が、拘束後すぐに亡くなった事件です。

その時のショッキングなビデオが、最近になってメディアの知るところとなり公開、すでに2年半過ぎているのですが大問題となっています。

事件後すぐにスロバキア政府から詳しい調査の依頼があったにもかかわらず、「ポリスには問題なかった」という返答で済まされたままだったわけです。

しかし、ビデオを見る限り「問題なかった」とは言えません。

ナチスのような真似事までしてますし。

当時内務大臣だったのが、今はフランダース政府のトップであるNV-Aのヤン・ヤンボン、彼が実際どこまで知っていたのか、本人はこのビデオは初めて見た、当時そこまで報告も受けてない、と言ってるんですが、それってホント?という騒ぎになってます。

その事件の当日、シャルルロワ空港での目撃した人の証言も、「その男性は、航空券を提示しないといけないとき所持しておらず、でも本人は持っているはずと主張していた、この男性に対するポリスの動きは不釣り合いな極端なものだった」というもの。

今日の昼のニュースでは、初めて彼の妻もインタビューに答え、「今さら彼が戻ってくるわけではないが、せめて真実を明らかにしたい」と言ってました。

 

www.rtbf.be今まだ連邦政府が作られないでいるベルギー、NV-Aのヤン・ヤンボンのスキャンダルとなると、けっこうこれにも影響あるかも…。

 

 

 

ヴェルヴィエールという街の初代市長の心臓の話。

ピエール・ダヴィッドという、まだベルギーが存在しない頃ナポレオンから指名されてヴェルヴィエールの市長になり、その後ベルギーが独立してからも、最初の市長を務めたという人物。

街の人たちの間には、広場にあるダヴィッドの泉に、この方の心臓が収められているという「伝説」があったんだそうですが、最近この広場の改修工事を行っているときに、本当に小さな箱におさめられた心臓が見つかったのだそうです。

亡くなったのが1839年ということなので、まだ180年くらいしか経っていませんが、へええ、おもしろーい!と思いました。

www.lesoir.be

www.rtbf.be

 

シャルリー・エブド事件の裁判がスタートしたことも最近の大きな話題。

今日はテロリストがテロの理由にしたムハンマドカリカチュアを1ページ目にしたシャルリー・エブドが出たんで、普通は買わない人も買ったそうです。

 

マクロンの、表現の自由を支持する、という表明がなかなか良かったんだけど、どこで見たんだっけ・・・。

そのビデオを探したけど、見つけられなかった。

 

www.rtbf.be

 

 

 

他にもいろいろ「ふーん」とか「へええ」とか「おっ」と思った話はいっぱいありましたが、これだけにしておこう。